アメコミ原作のNetflixオリジナル作品「ポーラー 狙われた暗殺者」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2019年 |
---|---|
原題 | Polar |
上映時間 | 118分 |
製作国 | アメリカ・ドイツ合作 |
監督 | ヨナス・アカーランド |
脚本 | ジェイソン・ロスウェル |
ジャンル | アクション,バイオレンス |
主要キャスト |
マッツ・ミケルセン(ブラックカイザー) バネッサ・ハジェンズ キャサリン・ウィニック マット・ルーカス ルビー・O・フィー フェイ・レン アンソニー・グラント ジョシュ・クラダズ ロバート・メイレット ジュリアン・リッチングス ジョニー・ノックスビル リチャード・ドレイファス |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
殺し屋稼業からの引退を目前にして、穏やかな生活を送っていた凄腕暗殺者を狙う冷酷非情な若手刺客集団。強欲なボスの仕業だと知り、男は決死の反撃に出る。
引用:Netflix
魅力
①エッジの効いたクドい演出が気持ち良い
②バイオレンスシーンが割とポップで見やすい
③意外などんでん返し
気になる点
・明確なラスボスがいなかったので、クライマックスがどこか分からなかった
【ネタバレ無し】感想

冒頭の暗殺シーン
彩度強めでギラギラしたシーンが多い。
グロイシーンはそこまできつくないが、エロい描写が中々多め。
女性が男性のアレを口でアレするシーンがところどころにあり、この行為が挟まれる映画は結構アレだなという感じがして、エロイです。
ストーリーは分かりやすくて中々熱い。
「年金を払いたくない殺し屋組織のボスが、定年(50歳)を迎える工作員を殺そうとする」というシンプルな筋書きで、主人公のカイザー(マッツ・ミケルセン)は生き延びる為に反撃に出ます。
同じアメコミ系映画では、「パニッシャー」とどことなく雰囲気が似ています。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
ラストまでのザックリストーリー

雪山で余生を過ごす予定のブラックカイザー
引退直前の「ブラック・カイザー」は人が少ない田舎の雪山で暮らしていた。
しかしそこへ、いよいよ殺し屋部隊が送り込まれる。
部隊はいつも通り色仕掛けでカイザーを油断させ、その隙に狙撃しようとする。
しかしギリギリで気付いたのか、それとも最初から気付いていたのか、初弾を上手く交わし反撃に出るカイザー。

全裸のまま敵スナイパーを片付けるカイザー
それなりに有能だった若手暗殺チームは、カイザーによって全滅させられてしまう。
しかしカイザーは、自分の近所に住む「カミーユ(ヴァネッサ・ハジェンズ)」という若い女性が拉致されていた事に気付き、奪還の為に都会へ戻る。

カミーユ(ヴァネッサ・ハジェンズ)
そこで元同業者の老人から「この組織のボスは、引退する者に年金を払わなくて済むように、工作員を定年前に始末する」という話を聞く。
自分を殺そうとしてる黒幕は、自分が所属している組織のボスだった。
しかしその同僚も既に敵側の駒であり、油断した瞬間に気絶させられるカイザー。
目を覚ますと拷問部屋。
数多くの部下を殺されカイザーに怒っていた「ボス」は、カイザーが定年を迎えるまでの4日間、拷問の限りを尽くす。
拷問中、常に「スコットランド行進曲(曲名自信無し)」というバグパイプの音色が特徴的な音楽を流すボス。
そしていよいよ4日目。
前日の拷問で、腹筋に刺さりっぱなしだったナイフの刃を使い拘束を解いていたカイザーは、油断した敵の傭兵を一掃。
ボスには逃げられてしまうが、カイザー自身もそこから脱出する。
翌日。
カイザーは正面からボスの建物に乗り込む。
カイザーが近づくと、敵の傭兵たちは戦闘する様子を一切見せず、「彼は上の階に居ます」などとカイザーに助言しながら逃げる。
もちろんキレるボス。
そしていよいよボスと対峙。

カイザーに降伏するボス
ボスは完全にカイザーにビビりきっている。
しかしカイザーはボスを許さず、ボスが気に入っている骨とう品の剣を使い、首を切断。
そのまま窓から投げ落とす。
全ての敵がいなくなり、麻薬漬けにされた哀れなカミーユを見つけ救出するカイザー。
カミーユの自宅へ彼女を運ぶカイザー。
そこでカイザーは、散らばった過去の新聞記事を目にする。
「一家殺害」
「生き残ったのは娘だけ」
カイザー自身が時折トラウマとして思い出す「サプレッサー付きの銃でセダンに発砲するシーン」は、実は間違った情報に流された事故であり、標的となったのは無関係の家族だった。
(と匂わせるような事を言っていたが、矛盾が生じるので事実かどうか不明)
カイザーは誰かに匿名で寄付をしている設定があったが、実はそれも、この家族の中で唯一生き残った少女の学費を援助していたのだった。
そしてその娘の正体は、正にこのカミーユだったのだ。
カミーユ自身、一度カイザーに「子供の頃に襲われた経験がある」というトラウマエピソードを語っていたが、実はそれがこの事件だったのだ。
カミーユはカイザーに静かに銃を向け、涙を流しながら心境をぶつける。
カイザーは「すまなかった」と謝罪し、引き金を引くようにと促す。
そして発砲音が鳴り響く。
しかしカミーユはカイザーを撃てなかった。
しばらくしカミーユは「父を殺した人を見つけられる?」とカイザーに尋ねる。
カイザーは「やってみるか」と立ち上がる。
良い点:意外などんでん返し

カイザーに銃を向けるカミーユ
どんでん返しと伏線の貼り方が絶妙でした。
最序盤、年金周りの手続きをするカイザーと経理担当者のシーンがありましたが、そこでカイザーがどこかに寄付をしているという説明が確かにありました。
僕は純粋に「カイザーは殺し屋だけど、寄付をすることで罪滅ぼしをしている」というキャラ設定のためのシーンだと思ってました。
しかしまさかラストの伏線だったとは・・・
しかもカミーユの「トラウマ」に関するエピソードも、こんな風に回収されるなんて・・・・
中々予想外の素晴らしいどんでん返しでした。
しかし一個気になることが↓
考察:カミーユとカイザーは、お互いの存在に気付いていたのか?


カイザーは、明らかに狙ってカミーユの近くに引っ越しました。
カミーユに銃を向けられながら「初めて会った時、私に気付かなかったでしょ?」と言われましたが、カイザーは「君の人生だ。邪魔したくなかった。」と言います。
だからカイザーは、明かにカミーユの存在を知ってて近づいてます。
たまたま引っ越したわけではなさそうです。
そしてカミーユは、「あなたの顔を一度も忘れたことが無い」と言っていたので、初めて会った時からカイザーの正体には気付いていました。
つまりカミーユは、自分の最大のトラウマである「カイザー」の存在に気付き、そのうえで仲良しになっていたのです。
ちなみにこちら、カミーユが初めてカイザーに遭遇した時の表情です。

カイザーに初めて遭遇した時のカミーユ
その可愛さに見とれて気付きませんでしたが、言われてみれば確かに睨みつけてるような気もします。
しかし取り乱すわけでもなくじーっと見つめているので、それなりのメンタルの強さは持ち合わせている模様。
カミーユも相当強い女性のようです。
悪い点:明確なラスボスがいなかったので、クライマックスがどこか分からなかった

ボス(マット・ルーカス)
こういうバイオレンス作品にありがちな「最強の刺客(ラスボス)」がいません。
あの5人の若手殺し屋グループが最強っぽい描かれ方でしたが、中盤でカイザーに崩壊させられてしまいました。
なのでそこからのアクションシーンは、カイザーがひたすら雑魚をなぎ倒すばかり。
ここがちょっと物足りなかった。
評価・まとめ
75点
期待してないどんでん返しはやっぱり嬉しいですね。
アクションシーンもアイディアが詰め込まれていて、既視感が無く見ていて飽きません。
中々の傑作です。
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