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「シャッターアイランド」考察の全て(と感想)

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ぱっかん
執筆者:「ぱっかん(@pakkan316)」見る映画の9割が洋画です!

コンプリート版のDVDまで持っている「シャッターアイランド」を、久しぶりにNetflixで観たので感想や考察をまとめてみました。

※当記事は
「シャッターアイランド 考察」
「シャッターアイランド 評価」
「シャッターアイランド ラスト」
などのワードで検索される方におすすめです。

目次

作品情報

公開年2010年
原題 Shutter Island
上映時間138分
製作国アメリカ
監督マーティン・スコセッシ
脚本レータ・カログリディス
原作者デニスルヘイン
ジャンル ミステリー
主要キャスト レオナルド・ディカプリオ
マーク・ラファロ
ベン・キングズレー
ミシェル・ウィリアムズ
エミリー・モーティマー
配信サイト・媒体 市販DVD
Netflix…他
※記事公開時の情報です

シャッターアイランドとは

『シャッター アイランド』(英: Shutter Island)は、2010年のアメリカ映画。原作はデニス・ルヘインによる同名のミステリー小説「Shutter Island」。監督マーティン・スコセッシ・主演レオナルド・ディカプリオの4度目の作品。
2009年8月、パラマウント映画は本作の公開を2009年10月2日から2010年2月19日へと延期した。日本では2010年4月9日に公開。

引用:シャッター アイランド – Wikipedia

1.「精神を病んだ犯罪者だけを収容する島から、一人の女性が消えた—。」
2.「この島は、何かがおかしい。」
3.「全ての謎が解けるまで、この島を出ることはできない。」
日本では「衝撃のラスト」という触れ込みで宣伝され、上映前には「この映画のラストはまだ見ていない人には決して話さないでください」「登場人物の目線や仕草にも注目しましょう」という旨のテロップが入った。また映画の謎解きに集中するために「二度見キャンペーン」や原版に忠実な「超吹き替え版」の上映も行われた。
途中に何度も登場する幻想シーンではジョン・ケージの曲が多用されている。

引用:シャッター アイランド – Wikipedia

シャッターアイランドの魅力※ネタバレ含む

マーティンスコセッシ監督特有の「流れるようなカメラワーク」が多用されています。
特に、重要人物の初登場シーンでは、カメラがゆっくり横移動してたり、スローモーションになるなどかなりのこだわりが感じられます。

BGMも実在するクラシック曲のみを使っているようで、かなり重苦しく重厚感があります。

オープニングの島に上陸するところからガッツリ心を掴まされます。

そして、ところどころに感じる”違和感”。
この違和感の正体は、我々鑑賞者が「ある人物の妄想」に付き合わされているからです。

ディカプリオの怪演が素晴らしい

渋い。渋すぎる。
感情をあらわにし、顔をブルブル震わせながら語り掛けるシーンが結構多いです。
気迫がマジですごい。

ガタイも良くてかっこいい。

マーク・ラファロも素晴らしい

チャック役のマーク・ラファロ。すごい落ち着きがある。
アベンジャーズのハルク役でも有名ですが、あちらでもちょっと周りを小馬鹿にした演技をします。
元からそういう雰囲気があるんでしょうね。

シャッターアイランドでも、チャックはちょっと周りを小馬鹿にしてる雰囲気があります。眉の位置とかで。

そして実際、チャックは重要な役割を果たしており、ある意味周り(特定の人物)を馬鹿にしています。
その雰囲気がしっかりマッチしています。

シャッターアイランドの考察

テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)がシャッターアイランドの囚人だったという伏線は、序盤から張り巡らされています。
主にそれに関する考察です。

船の上での「お前が新しい相棒か?」のやりとり

冒頭でテディが嘔吐した後、相棒のチャック・オール(マーク・ラファロ)と出会い、「お前が新しい相棒か?」と問いかけるシーンがあります。
同じ捜査で出向いたはずなのに、船の上で初対面というのは違和感があります。

例えば、「なんらかの事情で相棒が船に乗り遅れて翌日の便に乗る予定だったのが、実は間に合っていて、それを後からテディが知った。」
という設定なら、船の上で「お前が新しい相棒か?」のやり取りをするのはあり得ます。

しかし、テディの妄想が船の上から始まっているので、それにシナリオを合わせていると考える方が自然です。

シャッターアイランド上陸直後、警備員たちがやけにピリピリしている

まるで排他的な集落に立ち入ってしまった時のように警戒されています。
テディたちは全く歓迎されていません。

そしてそれを副警備隊長であるマクフィアソンに尋ねます。
やけにピリピリしてるな・・・。
状況が状況なだけにね

 

これは鑑賞者にミスリードを誘うセリフです。

危険な囚人が脱獄した」という事件が発生しているので、「状況」というのはそちらの意味に捉えられます。

しかし、実際は超危険人物であるテディを自由にしているため、「彼が急にヤバイことを始めないか?」について警備達はピリピリしているのです。

フェンスに電流が流れているのをテディが知っていたのは、もともとそこに住んでたから

テディ「フェンスに電流が流れてる」
チャック「なぜ知ってるんです?」
テディ「前にもあーいうのを見たことがある」

と渋い顔で言ってます。

これは、「テディがシャッターアイランドに上陸したのは初めてじゃない」ことを表しています。

チャックがフォルスターの取り外しに慣れていないのは、保安官じゃないから

船の上で、
テディ「保安官になってどれくらいだ?」
チャック「4年です」
というやり取りがありました。

しかし、マクフィアソンに銃を渡すとき、チャックはフォルスターをベルトから取り出すのにえらく手間取ります
これは、実はチャックが保安官では無いという描写ですね。

庭で髪が薄い女の人が微笑みかけてくるのは、テディと顔見知りだから

かなり不気味で興味をそそる演出ですが、ちゃんと意味があります。
まず、薄毛の女性はテディに対し「シー(言ってはだめ)」というジェスチャーをします。
これは、「あなたが本当はここの囚人だという事を言ってはだめ」と言われている、ということをこっそり伝えようとしています。

その後微笑みかけたのは、テディと顔見知りだということや、「テディを騙している」ということで、テディを馬鹿にしてるのかもしれませんね。

チャックがやけにテディの頭痛を心配してる

テディが「先生、鎮痛剤か何かないか?」
と言って頭痛を訴えると、異様に心配した表情のチャックが「大丈夫っすか?」と聞いてきます。

 

他にもテディをやたら心配する描写が多いですね。

これは、チャックが実はテディの担当医であるシーアン医師で、チャックの様態を管理しているからです。

捜索隊のやる気が無いのは、そもそも脱獄者はいないから

テディが捜索隊に合流した時、捜索隊はみんな木の棒で突っついたり、あからさまにやる気がなさそうでした。
それは、「女性が脱獄した」というテディの妄想に付き合って捜索しているためです。

ミスリードとして、「島の崖は全て断崖絶壁なため、既に死んでいる」と思わせることにも成功しています。
警備員は、全員”もう死んでるさ”と思ってるからやる気がない」と初見鑑賞者に思わせています。

病院のスタッフ達を集めて取り調べを行う際、看護師が一瞬戸惑ったのは、シーアン医師が既にそこにいるから

テディ「何か変わったことは?」
女性看護師「変わったことってどの程度?この病院に収容されているのは、正気じゃないひとばかり。変わったことなんて珍しくもない。

というやり取りの後この看護師は、レイチェルの担当医がシーアン医師だと伝えます。
その際に、この看護師は目線が一瞬チャックの方に泳ぎます。

それは、チャックこそシーアン医師だからです。

夢の中では、テディの妄想と現実が入り乱れている

チャック「帰るってのはハッタリか?」
テディ「そうは言って無いだろ・・・」

のやり取りの後、テディは夢を見ます。
その夢の中ではわざと違和感が演出されています。

背景はあからさまに合成で、奥さんのドロレスは二重人格のように2つの表情を使い分けてます
目がトロンとして、明らかに病んでる方のドロレスが現実ですね。

そして、ドロレスを後ろから抱いている時、家は燃えて灰になりつつ、ドロレスのお腹からは血と水が溢れ出ています
これは、テディの妄想と現実が入り乱れている描写です。

家が燃えている→ドロレスは、レディスの放火により殺された(妄想)
お腹から出血、最後は水が残る→ドロレスが湖で我が子を殺した後、テディに「楽にして・・・」と悲願し、チャックにお腹を銃で撃たせた(現実)

夢から醒めた後、天井からの水漏れがテディにかかっており、手に水が溜まってました。
これで夢の中で水を感じていたとミスリードを誘いました。

テディが「ピーターブリーン」の弱点を知っていたのは、もともと知り合いだったから

ピーターの尋問中、テディが鉛筆を紙にこすりつけるシーンがあります。
ピーターはそれをあからさまに嫌がります。

なぜテディはピーターが鉛筆を嫌がるかを知っていたのか?
それは、ピーターのことを既に知っていたからです。

ミセスカーンズの尋問中の違和感

チャックが「シーアン医師はどういう奴だ?」とカーンズに質問し、カーンズはあからさまに戸惑います。
それは、チャックがシーアン医師だからです。

また、ミセスカーンズが水を要求し、チャックが持ってきたグラスの水を飲む時、グラスを持っておらず、パントマイムで水を飲んでいるように見える描写があります。
これは、テディ目線です。
ドロレスが湖で子供を溺死させた」というトラウマから、水に恐怖を覚えています。

その為、テディからは、苦手な水が見えないように”妄想”していたのです。

最後にテディが、「アンドリューレディスを知っているか?」と聞いた時、カーンズはかなり戸惑い、「知らないわ」と言います。
それは、まさしく目の前にいるテディ自信がアンドリューレディスだからです。

カーンズがテディのメモに「RUN(逃げて)」と書いたのはなぜでしょうか?
これは分かりません。
テディの妄想に付き合わせたのか。それとも、「彼らに付き合ってはダメ。今は一時的に自由なだけだから、今のうちに逃げて。」と言っているのか。

しかし、「進歩派(患者に寄り添い理解する)」のコーリー医師が管理するこの病院は、患者からの人気も高そうに思えます。
その為、大した陰謀もないのに、「逃げて」と言うのは少しおかしい気がしますね。

「あんたが嗅ぎまわり過ぎたからだ!」のやり取り後、シャワールームで”あのBGM”が流れている

ドロレスが湖で子供たちを殺した時にかかっていたレコード(曲名不明・・・)が、テディとチャックのシャワー後のシーンで流れていました。
バスルームのBGMとして流れていた可能性がありますが、でもそしたら、その曲をトラウマとして抱えているテディが発狂するはずです。

しかし、テディは気にせず普通に過ごしていました。
だから、バスルームのBGMではなく、「水」にトラウマを抱えているテディがシャワーでそれを思い出したせいで、頭の中で曲が再生されたと考える方が自然です。

C棟で遭遇した警備員が、テディ達と「C棟は初めてかね?」というやり取りをした後、笑いながら走り去っている

一見、C棟の不気味さを演出するための笑い声に聞こえますが、これは、「テディ達を騙している」というのを警備員が楽しんでいる(バカにしている)描写です。

分裂病のジョージ・ノイスとの会話中、マッチの火の持続時間がおかしいのは、会話の中に妄想が含まれるから

本作では現実と妄想の演出を、水=現実火=妄想という風に分けています。
ジョージと会話する時、テディは明かり代わりにマッチに火を点けています。

この時、マッチはもう燃え尽きて落ちているのに、明かりがまだ残っているという演出がありました。
これは、「この会話に妄想が含まれている」という描写です。

さて、「ジョージそのものもテディの妄想の産物なのか?」についてですが、それはあり得ません。
最後、「ジョージとテディのやり取りの記録」が暴露されます。

その為、ジョージ自体は実在しています。

ダメだ・・・。俺は灯台に連れていかれ、頭をいじくりまわされる・・・。
とジョージが言いますが、この辺りはテディの妄想かもしれません。

 

都合いいところだけテディがやり取りを妄想して作り上げていると思われます。

「奴(レディス)はC棟にはいない。A棟にはいないよな。ってことは居場所は一つだ。」「灯台か?」→B棟はなぜ出てこない?

最初は戸惑いましたが、答えは明白です。
B棟は女性棟だからです。

「ポートランドは寒かったか?チャック。」「シアトルだ」のやり取り

テディとチャックは冒頭の船の上で既に出身地のやり取りをしています。
なのに、中盤の崖の上のシーンでまた、出身地のやり取りをします。

テディがカマをかけているように見えますが、真意が分かりません。
チャックが裏切り者かどうか探ろうとしてるのでしょうか。

テディは崖を降りたのか?

・風が強い崖の上に落ちている火の着いたたばこ
・上から見たらあったのに、下に降りると無くなっているチャックの死体

崖を降りるなんていくらなんでも危険過ぎます。
職員が止めに入るはずです。

だから、この行為は既に妄想かもしれません。
(実際にテディはただそこでぼーっとしてただけ?)

妄想上の レイチェル・ソランドーとのやり取りの最中、たき火がある

ジョージの時と同様、「火」の描写がある時はテディは妄想を見ています。
実際、レイチェルは実在しません。
実在しない相手と会話しているシーンです。

警備隊長とのドライブで、警備隊長がテディをやたら馬鹿にしてくる

警備隊長(名前なし)はテディにやたら暴力について説教してきます。
これは、テディが犯した罪をなじってるように思えます。

この警備隊長が言ってることはやけに不気味です。
私は君を知っている。良く知っている。何世紀も前からね。
とかなんとか。

結構意味が分かりませんが、深い意味がありそうです。

終盤、コーリー先生が「君は一人で来た」と言った後に患者が笑い出すのは、テディが上手く騙されているから

「そういや先生、あいつを見てないか?」
「あいつとは?」
「相棒だよ」
「君は一人で来た」

このやり取りの後、ミセスカーンズがこらえきれず笑い出します。
これは、テディが上手くひっかかったからでしょう。

最後、テディが”レディス”として目を覚ますとき、レイチェルが看護していた。

脱走した女「レイチェル」が、実は看護師だったという描写です。
テディの妄想に付き合わせるため、この看護師が嫌々レイチェル役を引き受けたのでしょう。

ラスト、テディは自ら死を選んだ

全ての”治療”が終了し、晴れてテディがレディスに戻りました
また再発してないかと、シーアン医師(チャック)がレディスに近づき話しかけたところ、レディスはこう言います。

さぁ、次はどうする。島を出るんだ。チャック。この島じゃ、何かとんでもないことが起きてる・・・。

これを聞いたシーアン医師は、治療が上手く行ってないことにガックリし、治療失敗を目線でコーリー医師に伝えます。
そしてコーリー医師らが、アイスピックを持ってレディス(チャック)に近づきます。

最後の治療が上手く行かなかったので、いよいよ最終手段である「ロボトミー手術」を行うという意味です。

そして、レディス(チャック)は立ち上がりながらこう言います。

こんなところにいると考えちまう。どっちがマシかな。怪物として生きるのと、良い人間として死ぬのと。

 

これを聞いて驚いたシーアン医師が、「テディ!?」と呼び掛けても、レディス(テディ)は振り向きもしません。

レディスはもう完治していたのです。
しかし、「このままレディスとして生き続けても辛いだけ。それならいっそ、自分の妄想が作り上げた”テディ”という良い人間として死んだ方がマシだ」と悟ります。

そして自ら完治してないフリをし、ロボトミー手術、つまり”死”を選ぶのです。

これは原作に無いシーンらしいですね。

シャッターアイランド:まとめ

久しぶりに観ましたが、本当に重苦しい雰囲気が素晴らしいですね。
本作は「テディの妄想」というオチでまとまりますが、中盤までは「島の陰謀」という方向で話が進みます。
これで本当に陰謀論が存在していたらめちゃくちゃ神映画になっていたと思います。

「主人公の妄想」系のオチはやっぱり少しがっかりしますね。

しかし最後のカットは、テディが裏ロボトミー手術を行っていると推理したあの”灯台”です。
しかもかなり不気味に映ります。

これが、「もしかしたらやっぱり病院の陰謀で、本当に違法なロボトミー手術をやってるのかも?」と最後の最後に思わせてくれます。

エンディングに流れる曲はグッときます。

レビュー
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レビュー作品
シャッターアイランド
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作品タイトル
シャッターアイランド
作品内容
1954年、失踪した女性患者の謎を探るためにボストン沖の孤島に建つ犯罪者用精神病院を訪れた米連邦保安官テディ・ダニエルズ(ディカプリオ)に次々と不可解な出来事が起こる。
作品公開日
2009-04-09



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→「当ブログ」と「ぱっかん」について

「ぱっかんブログ」という雑記ブログで、映画やら何やらと色々書いてましたが、映画記事数が増えたのでそれを「ぱっかんシネマ」として立ち上げました。
洋画ホラー、サスペンスが好み。あとスローモーションになった時に流れる「ドゥーン...」という効果音も好き。

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