行方不明になった教授を探しに「時空が歪んだ洞窟」へ行くも、自分たちも洞窟から出られなくなるSFアドベンチャー「タイム・トラップ」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2017年 |
---|---|
原題 | Time Trap |
上映時間 | 87分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | マーク・デニス、ベン・フォスター |
脚本 | マーク・デニス |
ジャンル | SF,アドベンチャー |
主要キャスト |
ライリー・マクレンドン キャシディ・ギルフォード ブリアンヌ・ハウイー マックス・ライト アンドリュー・ウィルソン |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
考古学者のホッパー教授は数十年前に姿を消した両親を探すため、「若返りの泉」があると言われる秘密の洞窟に足を踏み入れる。そのまま消息を絶ったホッパー教授の後を追い、彼のゼミ生であるジャッキーとテイラーも洞窟へ向かう。
魅力
①主人公たちがSF展開に気付く際、不気味な演出もあってワクワク感がパない
②次々とミステリアスな展開が押し寄せてくるので中だるみしない
③それでいて87分と短い
気になる点
・終盤、少しなんでもアリになっちゃってる
・ファミリー向けな作風なので、全体的にマイルドで少し物足りない
【ネタバレ無し】感想

「インターステラー(2014)」
「スフィア(1998)」
「イベント・ホライゾン(1997)」
なんとなくですが、物語のプロットは上記作品とちょっぴり似ています。
主人公たちが「時空が歪んだ洞窟」に迷い込むという設定で、「時間のズレ」によるミステリアスさは凄く良く描かれています。
この手の作品は、序盤の「手がかり」を見つけていく展開が熱いですね。
めっちゃ不気味な感じで伏線(この場合は“布石”かな)を張り巡らせていきます。
そしてそれらの布石はしっかりと回収され、それでいて最後はハッピーエンド。(かなり無理やりだが)
正直なところ、物足りなさがある作品です。
「時間のズレ」により、主人公たちの心境は凄く絶望的でシリアスなはず。
そこを上手く映せばめちゃくちゃ泣ける展開にも繋げられましたが、悲観的な展開はほぼ全く無く、絵本のようにキレイに終わりました。
恐らくファミリー向けを意識したのでしょう。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
「時空が歪んだ洞窟」に迷い込む一同
「行方不明のヒッピー夫婦を探しに行く」と言って出掛けた教授まで行方不明になったので、彼のゼミ生である生徒2人と、その友達含め5人で教授を探しに行くことに。
そもそも「なぜ教授はヒッピーを探しに行ったのか?」ですが、実はヒッピー夫婦は教授の実の両親でした。
ヒッピー夫婦が迷い込んだ洞窟には「若返りの泉」というものがあるらしく、どうやら彼らはノリと勢いだけでそこへ行った様子です。
そんな彼らと「時を同じくして行方不明になった妹」を探しに、教授は洞窟へ向かったのです。
そして教授まで戻ってこなくなったので、「ジャッキー」と「テイラー」含む5人の若者も、その洞窟に向かいました。
実はその洞窟は「時間がゆっくり進む」という特性があり、中で数分過ごしている間、外では何年も経過しています。
「ファービー」の存在が、物語を大きく盛り上げた
5人の若者の中には、「ファービー」という小学生のおデブちゃんがいました。
彼は常にジョークを言う憎めないウザキャラでした。
テイラーたちが怪しい洞窟を見つけ、その中に踏み込む際、ファービーだけを車に残しました。
一応トランシーバーを持たせていたので、テイラーたちは特に気にせず小学生の子供だけを車に残したのでしょう。
洞窟に進入したテイラーたちは、案の定ファービーと連絡が取れなくなります。
しかし何度か呼び掛けていると、ファービーから「助けて・・・」と応答が。
最初は自分たちをからかっているのだと思っていましたが、洞窟の奥でファービーの死体を見つけ驚愕。
ファービーはGo Proカメラを持って別の穴から降りており、その録画映像を確認すると、自分たちが過ごした数分の間、ファービーは数日間も外で待っていた事が判明しました。
ファービーは車も運転できず、そもそも今いる場所もロクに分かっていません。
食料も尽き、「仲間たちとの合流」と「教授の車のカギ」を目指して洞窟に入ってきたようです。
そこで転倒し重傷を負った為、「助けて・・・」と伝えたのです。
洞窟に入ってしまうと、「中の1秒 = 外の数週間」くらいの差があります。
このギミックは、鑑賞者は「教授が洞窟に迷い込んだ段階」で理解していましたが、「何故ファービーは数日も過ごしたことになっているのか?」を動画で確認するシーンは、鉄板ですが最高に面白かった。
一行が「記録映像」を確認するシーンはなんでこうもワクワクするんですかね。
しかもそれが「さっきまで一緒に居た仲間のもの」となれば、いきなりクライマックスです。
ビックリする程ハッピーエンド
まずファービーが可哀そう過ぎます。
1人で砂漠に置いていかれ、「ママにはプールに行ってくると言ってここに来た。でも今日帰れてないから、ママは卒倒してるかもしれない」とカメラに残します。
(この時、ファービーが泣きじゃくってるわけじゃなく、むしろ平静を装ってるのが余計辛かった)
そして数日放置され、意を決して洞窟に飛び込むも負傷し、挙句の果てに原始人に殺されます。
なんてかわいそう。。
それだけじゃなく、洞窟に居る間、最終的に外では数千年もの時が流れていました。
当然彼らの親は全員死んでいます。
ちなみに「インターステラー」では、この「時差のズレ」による悲劇を思いっきり感動的に描いていました。
「ジュマンジ(1995)」では、自分が異世界に数十年間飛ばされている間に親が死に、そのことを嘆くシーンがありました。
このように、「浦島効果」や「異世界に飛ぶ」という展開は、本来めちゃくちゃ絶望的な状況です。
しかし本作では、その辺をあえて描かず、未来人が軽く過去のニュースを見せるだけで終わりました。(主人公たちから見て未来になるが)
しかも、「蘇りの泉」の存在で、「ファービー」「ヒッピー夫婦」「教授」「教授の妹」含め全員が助かり、宇宙船で救出エンドです。
見終えた直後は満足感が高かったですが、しばらく経って考えると「凄い畳み方だったな」と思えてきました。
考えたら負けです。
【感想】「タイム・トラップ」の魅力3個。時差が激しい洞窟の正体とは…:評価・まとめ
80点
良作SFでした。
できればもちょっと不気味なテンションで描いてほしかった気もしますが、こういう作品もたまには良いですね。
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