住宅街から出られなくなる“ラビリンス・スリラー”「ビバリウム」を鑑賞しました。
一般評価は高かったものの、個人的には駄作だと感じました…
というわけで感想(主に“駄作だったわけ”)を書いていきたいと思います。
当ブログの映画記事は、序盤は「魅力やみどころ」について紹介している為、「どんな感じの映画か?」を知りたい人はそこまでお読みください。
後半は「考察」や「ネタバレ」を含みますが、その直前に「※ここからネタバレを含みます」と書いてるので、ネタバレが気になる方はその直前までお読みください。
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2021年 |
---|---|
原題 | Vivarium |
上映時間 | 98分 |
製作国 | ベルギー・デンマーク・アイルランド合作 |
監督 | ロルカン・フィネガン |
脚本 | ギャレット・シャンリー |
ジャンル | 2020年代,サスペンス,ダーク |
主要キャスト |
ジェシー・アイゼンバーグ イモージェン・プーツ |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Amazonプライム…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
新居を探すトムとジェマのカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋で、全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」を紹介される。
「変な空間に迷い込んでしまい、そこから抜け出せなくなる」系の映画は好きなんですが、本作のジャンルは正にそれ。
本作は「ラビリンス・スリラー」というキャッチフレーズですが、この命名センスは上手いなと思います。
というわけでジャンルは好きです。
でも娯楽性は皆無。
「監督の思想やメッセージが重厚で、それを受け取る系の芸術作品が好き」という方にはオススメできるかもしれません。
ですが筆者は「鑑賞者を楽しませる気が無い作品」は嫌いなので、かなり低評価でした。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
展開が無いのが苦痛
こういう「罠にハメられて抜け出せなくなった」的な展開は、どこかで理系的な展開を望んでしまいます。
例えばホラー作家の「スティーブン・キング」氏は密室系ホラーを得意としますが、例えば
「ランゴリアーズ」
「アンダー・ザ・ドーム」
等の作品は、途中で
「おい、今○○しなかったか?」→「え?そうだけど、それがどうかしたの?」→「○○出来たってことは、つまりこれは△△なんだ!もしかしたらこれを使えば出られるかもしれないぞ!」
みたいな、ちょっと希望を持たせる展開があったりします。
これは凄く王道のやり口です。
ですがこの科学的な解明により前に進むカタルシスは、やはり映画という娯楽媒体には求めてしまいます。
そんな心持ちで見てしまったので、マジでつまらなかった。
「この憎たらしい敵に、どうやって反撃するんだろうか」なんてワクワクしていた僕は浅はかでした。
感情移入できるキャラクターが居ない
謎の亜空間に閉じ込められる。
この時、我々鑑賞者はもちろん「閉じ込められた人」に感情移入します。
僕は「ジェシー・アイゼンバーグ」が好きなのと、世代も近いのもあって、無意識にジェシー扮する「トム」に感情移入してたと思います。
これは合ってたと思います。
この手の不可思議ミステリーには取り乱すキャラもいれば、理性的なキャラもいる。
そして「トム」は割りと理性的なキャラクター。
でも、穴を掘りすぎて粉塵による「じん肺(たぶん)」で死にました。
「取り憑かれたように穴を掘ること」が何かのメッセージだった可能性もありますが、イチ鑑賞者としては「ある段階で辞めなって…」と作品との距離が生まれました。
それに「穴を掘る」というアプローチが「脱出への糸口になるかも」っていうワクワクもあったし、でもそういうのもなく、ただただ「敵が優位な状況」を見せられ続け、何のカタルシスもなくストレスマッハな状況でエンドロール。
【感想】「ビバリウム」永遠ループする住宅街から脱出できるのか?!:評価・まとめ
30点
役者は良かった。
敵の描写も良かった。
今思えばあの閉鎖空間も良かった。
あとはホント、脚本に娯楽性を盛り込んでくれれば良作になっていたと思います。