妻を殺した後、突然謎の建物へ・・・。
そこでは「妻を殺した日」が繰り返されていた。
アマプラで評価が高かったサスペンスホラー(?)作品、「残酷で異常」を鑑賞しました。
というわけで本日は、「残酷で異常」の魅力やみどころを、感想含めて思う存分語っていきたいと思います!
典型的なB級作品で、盛り上がりも少なく脚本や演出に粗が多い。魅力的なキャラクターが一人もいない
当ブログの映画記事は、序盤は「魅力やみどころ」について紹介している為、「どんな感じの映画か?」を知りたい人はそこまでお読みください。
後半は「考察」や「ネタバレ」を含みますが、その直前に「※ここからネタバレを含みます」と書いてるので、ネタバレが気になる方はその直前までお読みください。
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2014年 |
---|---|
原題 | Cruel & Unusual |
上映時間 | 91分 |
製作国 | カナダ |
監督 | メルリン・デルビセビッチ |
脚本 | メルリン・デルビセビッチ |
ジャンル | ダーク,サスペンス,ドラマ |
主要キャスト |
デビッド・リッチモンド=ペック バーナデット・サキバル ミシェル・ハリソン マイケル・エクランド |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Amazonプライム…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
犯していない妻殺害の罪を追求され、男は永遠に妻殺害の現場が再現される奇妙な建物に閉じ込められる。
パッケージを見るとデスゲームっぽく、そして「ループ物」系の不条理感も楽しめそうですが、そういう大衆向けのミステリアス要素はありません。
「主人公が、死後の世界で罪と向き合う」という精神的な側面をしっかりと描いた作品。
一般評価は「4.5」
めっちゃ高評価だったので、レビュー点数以外の前情報を一切仕入れず鑑賞しましたが、これが良くなかった。笑
ホラーテイストを期待して鑑賞すると僕のように退屈を感じますが、一般評価の高さから察するに、最初から「キリスト教を題材とした作品」と知っていればそこそこ楽しめそうです。
正直、僕は「駄作~凡作」の間くらいだと認識しています。
「残酷で異常」の魅力
「残酷で異常」の魅力
①徹底した「非エンタメ作品」
②ハートフルなクライマックス
気になった点
①キャラクターに魅力が無い
②イベントの質が悪く、目新しさが無い
③終盤以外退屈
ぶっちゃけ本作は「気になった点」の方が多いです!
魅力①徹底した「非エンタメ作品」
演出や脚本の派手さは無いものの、主人公の生々しい内面や精神的な部分を細かく描いており、割と小説向きな作品のように感じました。
「自分の犯した罪とどう向き合うか?」
や、主人公のムカつく程にイヤらしい性格など、A級作品には無い生々しさがしっかりと描かれていました。
魅力②ハートフルなクライマックス
序盤~中盤まで退屈しながら鑑賞していましたが、ラストはちょっとウルっと来た。
ネタバレになるので言いませんが、ループ物特有の時系列操作を駆使した良いラストだったと思います。
気になった点
気になった点①キャラクターに魅力が無い
例えば主人公「エドガー」は、徹底した「嫌な夫」という役柄。
常にイライラしてるし、妻への独占欲も強い。
子供を叱る為に、子供がすべきはずの芝刈り作業を自分で済ませ、それについて恩着せがましく叱りつける。
暑苦しい容姿。
というわけで、主人公に全く感情移入できません。
脇役もそうです。
「エドガー」の味方になるような仲間が数人登場しますが、特に個性的なバックボーンがあるわけではなく、見た目上のオーラも無い。
これも「リアル」と言えば聞こえは良いですが、ありきたりで退屈な内容。
「こいつには幸せになって欲しい!」と思えるようなキャラクターが一人も居ないので、誰に対しても緊張感、冷や冷や感、もどかしさなどを感じず、ただただ退屈でした。
※ここからネタバレを含みます。
気になった点②イベントの質が悪く、目新しさが無い
本作はエドガーが妻を殺すシーンから始まりますが、その「殺し方」も凄く雑。
電話をトイレに捨てようとする妻と取っ組み合いになり、そのまま妻の気道を押さえつける形になり殺害・・・。
構図もめっちゃ地味です。
確かに中盤まで、「意図的に殺したのか、それとも事故だったのか分からない」という感じなので、鑑賞者にもそう見える殺し方をしないといけないし、更に本作は恐らく超低予算なのでお金の問題もあるでしょうけど、それでも地味過ぎる。
「サスペンス作品のように凝った殺し方で頼む」と言いたい訳ではありませんが、いくらかの目新しさが無いとまったく惹きつけられません。
死後の世界も、「現実とファンタジーが入り組んだ感じ」を頑張って出したかったんだと思いますが、こちらもまたありきたりでワクワクさに欠ける印象でした。
これは余談ですが、エドガーが天窓から脱出するシーンは無理があり過ぎる。
懸垂が一回も出来無さそうなあの体形で、しかも下から妨害されてるのに、それらを振り切って天窓から自力で脱出するのはちょっと笑ってしまった。
気になった点③序盤~中盤までずっと退屈(むしろイライラ)
「主人公が絶命した次の瞬間、何故か精神病棟のようなところにいる」
という超ミステリアスな展開で開幕は加速しますが、
・何故ここに来たのか?
・周りのコイツらは誰なのか?
等の疑問を全て置き去りにし、「いいから座りなさい」と怒られる展開が10分くらい続きます。(怒鳴られるのは作中ずっとだが)
これはもう完全に好みの問題ですが、「座りなさい!」と怒鳴り続けるあのばあちゃんにシンプルにイライラした。
この手の作品は「状況を説明しない」という手法で「世にも奇妙な物語感」を出すのは全然アリだと思いますが、何故か本作に関しては、「ばあちゃんが自分の言う事を聞かせようと怒鳴ってるだけ」にしか見えない。
エンタメ要素があるのは本当にクライマックスシーンだけなので、普段から「文学的・芸術的な映画」を見慣れているような人じゃないと途中でリタイアしてしまうかもしれません。
【感想】「残酷で異常」の魅力2個。永遠に繰り返される「妻殺しの日」:評価・まとめ
50点
宗教的な側面が強く、「煉獄の苦しみ」を伝えたがってる半面、映画的な魅せ方が弱い作品。
もっとオリジナリティがあればかなり面白かった。