28年後part2にあたる「白骨の神殿」のレビューは「【28年後「白骨の神殿」】ネタバレ有り感想・レビュー(60点) | ぱっかんシネマ」で書いた。
で、そちらで書いた通り正直私はハマらなかった。
でも他サイトのレビューでは「part1より良かった」という意見も割と多かった。
というわけで、「part1は人生最大級にハマったが、part2はハマらなかった」という私の視点で、「白骨の神殿がハマらなかった訳」を書き殴る。
ハマらなかった理由①あの「斬新な演出」が皆無で、大人しい画角の連続
何も「本作でもバレットタイムを多用して欲しかった」と言いたいわけじゃない。
ただ、あの、ダニー・ボイル監督の、斬新で、実験的な攻めた演出が無いとやっぱり物足りない。
それはまるで、動画編集初心者がいろんなエフェクトを覚えて、それを組み合わせて「なんかそれっぽいクールな作品が出来た」っつって投稿して、でも有識者が見るとダサい。
ってなっちゃうケースを、それでも最高級の品質に仕上げたのがダニーの作風。
そんな神作をpart1に置いたもんだから、「白骨の神殿」でも当然それなりのクールさを期待した。
でも一つもそういうシーンは無かった。
ハマらなかった理由②魅力的なBGMが無かった
挿入曲も本作は非常に大人しい。
「ミスマッチ」ではないが、全く印象に残らない。
「及第点はクリアしているが、A級作品としては物足りない」という印象。
改めてだが、前作の挿入曲を担当した「Young Fathers」の曲は素晴らしかった。
サントラを買ったので今でもウォークマンで聴いているが、ガソリンスタンドの爆破シーンで流れる「Happy Eater」や、“メメント・モリ”のシーンで流れる「Remember」など、心を突き動かす曲がたくさんあった。
ハマらなかった理由③大役2キャラに魅力が無かった
part1でとても偉大な存在だった「ケルソン先生」と、終盤にちょろっと出てきただけで圧倒的な存在感を出した「ジミー」。
今作ではこの二人がキーマンだった。
まず「ケルソン先生」。
主人公「スパイク」の成長の終着点に居たケルソン先生は、とても頼りがいがあり、優しいだけじゃなく、どこか緊張感を持った、とても素晴らしいキーパーソンだった。
もし次作で彼が死んだら、僕は大泣きするだろうと思った。
でも今作で彼が死んだ時、全然そこに関心が向かず、「あー、死んじゃったか」という淡々とした感情しか沸かなかった。
これはたぶん、「ケルソンとサムソンの関係」がちょっとファンタジーがかった気がして、ここに興味が無かったからだと思う。
加えて、「ヴィラン(ジミー)」の小物感も相まって、その対決?がこじんまりとしてて、だから死があっけなかったんだと思う。
そしてジミー。
「ジミーを小物にしたのは狙い通りか?」
と、ニア・ダコスタ監督に直接聞きたい。
part1のオープニングとエンディングで登場したことから、明らかに本シリーズのキーパーソンだ。
part1時点では主人公を助ける形で登場したが、まだ「悪役なのかも」という可能性も捨てきれず、そのミステリアスさに大きく引き込まれた。
でもそれは本作冒頭で明らかになる。
そこから終始「ヤバイ奴」としての行動を続けているが、それがなんかずっと「THE・それっぽい」行動ばかりで、「この終末世界で脳が焼けて、体の芯からイカれたやつ」感が全然無かった。
食卓で癇癪を起こしテーブルを“ドン!”と叩くシーンは緊張感、圧迫感の演出だと思うが、これもなんか「普段大人しい父親が、威厳をアピールするためにちょっと頑張ってみた」感を感じた。
part1で、スパイク父が刃物を握りしめた時のあの怖さ、強さ、あるいは逞しさは無かった。
他のレビューを読んで「もしかしたらジミーは意図的に小物として描かれていた?」とも思ったが、もしそうだとしたら、たぶん本作が面白くなるわけがない。
小物キャラならキーパーソンにすべきではない。
ハマらなかった理由④少しファンタジーがかった脚本を受け入れられなかった
サムソンの治療成功、という点は、「ゾンビ映画のタブー」と言えるのかもしれない。
ゾンビ映画のヒストリーまでは詳しくないが、「ゾンビを治療可能になった世界」というのは、長らくゾンビ作品を観てきた者にとっては、もはやファンタジーの領域だと感じる。
part1で「胎盤の神秘」という設定はあったので、その延長線上のイベントと捉えれば丸っ切りぶっ飛んだ設定でも無いかもだが、「サムソンが喋ったシーン」というのは、感動よりも「マジか」という気持ちの方が強かった。
それと、、、part1で死んだエリックを私は忘れていない。。。
エリックは若い兵士で、スパイクの命の恩人。
スパイクにとって、いや、鑑賞者にとっても味方で、頼りになるヒーローだった。
そんなエリックを残忍に葬ったサムソン。
サムソンは脅威であり、人類の敵。鑑賞者の敵。
そのサムソンを好きになるには、かなり丁寧な運び方と時間が必要になる。
しかし本作ではそういった情報は特になく、あくまで「ケルソン先生が思い描いた理想」通りにサムソンの治癒が描かれていた。
ケルソンの感情も全くわからないじゃないが、少なくともケルソンも少し常軌を逸している側ではあるので、そこに100%感情移入するのは難しかった。
素人考えで恐縮だが、例えば治癒されゆくサムソンの記憶の断片で、今まで殺戮してきたフラッシュバックが一瞬描かれるなど、そういった形式でもエリックを思い出してくれれば、少しはサムソンを理解できたかもしれない。
ハマらなかった理由⑤キラーシーンが皆無だった
先程も軽く触れたが、「ガソリンスタンドの爆破シーン」含め、part1にはキラーシーンが多かった。
・大きな木の下から感染者が出てくるシーン
・アルファに追われながら土手道を逃げる、悪夢のようで、でも美しいシーン
・命からがらガソリンスタンドへ逃げ込み、エリックに救われるシーン
・ラストの「メメント・モリ」
分かりやすいので言うと上記だが、細かいカット割りや演出などを含めると「終始記憶に残るシーン」ばかりだった。
でも今作ではそういう展開が無かった。
“展開”だから監督のセンスとかではなく、脚本時点で微妙だったのかもしれない。
part1の特典映像では、あの「大きな木の下からアルファが歩いてくる絵コンテ(映画そのまま)」があって、脚本家「アレックスガーラント」の脳内ではしっかりビジョンが出来てたんだなーと思った。
今作でもそのような丁寧な絵コンテがあったのだろうか?
28年後「白骨の神殿」がハマらなかった5個の理由:まとめ
「白骨の神殿」は本当に大人しい作品で、28…シリーズの中で唯一ハマれなかった、というか良く分からなかった。
精神的なメッセージを含めるにしても、サバイバルホラー要素を主軸に、エンタメ要素でちゃんと惹きつけたうえで描いてほしかった。
というか本当に監督と上手く連携が取れていたのだろうか?
完全な予想だが、ニア・ダコスタ監督は本作を委任された結果「なんだこの脚本、良くわからないな、、、まぁ当たり障り無く作るか。。。」という気持ちで作ったんじゃない?。。。とすら思える。
