「限定ジャンケン」を原作通りのルールでしっかりと実写化した、中国製実写版「カイジ 動物世界」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という
文章の直前までを目安にご覧ください。
なぜ「動物世界」?:なんか、「人間の本性が露わになる場所」=「動物世界」みたいなことらしい
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2018年 |
---|---|
原題 | 動物世界 Animal World |
上映時間 | 132分 |
製作国 | 中国 |
監督 | ハン・イエン |
脚本 | ハン・イエン(原作:福本伸行) |
ジャンル | 2010年代,ドラマ,サスペンス |
主要キャスト |
リー・イーフォン(カイジ・ジョン) マイケル・ダグラス(アンダーソン) チョウ・ドンユィ ツァオ・ビンクン ワン・ゴー |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
定職にも就かず自堕落な生活を送っていた青年カイジは、友人にだまされて5300万円もの借金を負ってしまう。窮地に陥った彼は、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船「デスティニー」に乗り込むことに。
「デスティニー号」には、世界各国から集められたクズが乗っています。
そして各プレイヤーは耳に「自動通訳装置」を装着しており、話し相手ごとに周波数を合わせる必要があります。
それ以外はほぼ原作通り。
魅力
①日本版実写映画で簡略化された「限定ジャンケン」だけに絞っている(他のギャンブルが登場しない)
②登場人物の設定が地味に改変されていて、それが良い感じにフィットしてる(カイジが片手間にルービックキューブをする)
気になる点
・派手なアクションシーンがクドい
【ネタバレ無し】感想
カイジ好きなら間違いなく見ておくべき作品。
特に筆者のように、カイジの
・理論的に逆転するところ
・深い心理描写、敵味方の読み合い
が好きなら、本作は間違いなくハマります。
藤原竜也版「カイジ」はそれはそれで面白いですが、1タイトルにたくさんのギャンブルを詰め込んだせいで、一つ一つのギャンブルがあっさりしてしまってます。
特に「限定ジャンケン」は、原作では制限時間が4時間なのに対し、藤原版では30分。
かなりのスピード勝負となっていました。
しかし本作「カイジ 動物世界」は原作通り4時間。
少なくとも「アニメ版」で登場した全ての展開は集約されていました。
もうそれだけで神でしょ。
一般評価は「3.3」
やっぱりみんな、僕のように「やっとちゃんとしたカイジが見れた」と思っているようです。
※ここからネタバレを含みます。
主要登場人物(キャスト)
※()内が役者名
●カイジ・ジョン(リー・イーフォン)
僕らが大好きな「伊藤カイジ」は、「カイジ・ジョン」という中国人になっています。
とてつもなくイケメンで、数学に強いという設定持ち。
●アンダーソン(マイケル・ダグラス)
「利根川」のポジション。
●チン(チョウ・ドンユィ)
本作オリジナル?のキャスト。
ヒロイン。
カイジの幼馴染。
【ネタバレ有り】感想
原作の再現度高し
※そういえば筆者は原作未見でしたごめんなさい。アニメ版と実写しか見ていません。
「限定ジャンケンという神みたいな土台があるのに、なぜそれをそのまま再現しない?!」と思いながら藤原竜也を見ていた鑑賞者も多いでしょう。
ありがたい事に、そう考えてくれた中国人が居たようで、我々が望んだ通りの「カイジ」が中国人となって帰ってきました。
ちゃんと原作にあった
・12回連続あいこ
・バランス理論
・買い占め
・シャッフル
・船井(違う名前だが)との直接対決
・奇数余り
・安藤の裏切り
など全部あります。
これらを実写で確認したい人にとって、本作は望み通りの作品だと言えるでしょう。
心理描写はちょっとあっさり目
ただし、心理描写はちょっと浅め。
尺の問題もあるので仕方ないと思いますが、そのせいでちょっと分かりにくいところもあります。
「バランス理論」や「買い占め」に関しては、説明があっという間で、初見だと「良くわからんけどなんとなく面白い」みたいな状況になるかもしれません。(少なくとも原作を知っていれば理解は出来るが、初見だとスピード感に付いていけなくなるかも)
例えば「シャッフルによる船井のイカサマ暴露」は、ここは原作も読んだのですが、「原作」「アニメ」「実写(本作)」では結構違いがあります。
原作:
「あーそうだ!今思えばお前のシャッフルは怪しい点がたくさんある!」と、自分で話しながら船井のイカサマに気付いていくような感じ。
アニメ:
「少なくともお前のシャッフルは怪しい点が3つある」と、いつの間にか(最初から?)疑っていた感じ。
動物世界:
「残りが1枚のヤツにチョキを渡した」程度の暴き方。
こういうトコの熱さは原作が一番ですね。
アクションシーンが多い
カイジの妄想癖が、一々アクションシーンとして挿入され、中々見ごたえがある。
正直言ってかなりクドイけど、藤原竜也みたいなキンキンな役者がいなければシンプルなドラマ作品にもなり兼ねないので、アクションシーンの挿入は良い判断だったと思います。
たぶん予算がめっちゃ降りたんでしょうね。
【感想】中国版「カイジ(実写映画)」の魅力2個。限定ジャンケンの全てが見れる!:評価・まとめ
75点
原作に忠実な本作に賞賛を送りたい。
頭脳戦が最高に面白い「デスノート」を、ただのアクション映画にしてしまったハリウッド。
その他海外には「オリジナルギャンブル作品」の創作物が無いので、「カイジみたいな頭脳系作品は海外では人気が無いのか」と勝手に思っていましたが、間違えてました。
これを機に、ギャンブルモノが世界中で増えることを望みます(切実)