2016年に公開され大ヒットを記録した「君の名は。」。
大ヒットしたが故に、アンチから「矛盾点」を挙げられては叩かれてます。
もちろん矛盾点を上げるのは「君の名はが好きだから」という人もいますが、今回は、その矛盾点をこじつけでも何でもいいから解決させてみます。
「君の名は 矛盾」
「君の名は 矛盾点」
「君の名は 突っ込み」
などのワードで検索される方におすすめです。
目次
作品情報
公開年 | 2016年 |
---|---|
原題 | 君の名は。 |
上映時間 | 107分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 新海誠 |
脚本 | 新海誠 |
ジャンル | アニメ、ファンタジー |
主要キャスト(声優) |
神木隆之介(立花瀧) 上白石萌音(宮水三葉) 長澤まさみ(奥寺ミキ) 市原悦子(宮水一葉) 成田凌勅(使河原克彦) |
配信サイト・媒体 |
市販DVD ※記事公開時の情報です |
矛盾点①3年のズレに気付けよ!
瀧くんと三葉ちゃんが入れ替わり、定期的に各々の生活を体験しますね。
中盤で、この入れ替わりにはドンデン返しが隠されていることが判明します。
それが、「入れ替わりには3年のタイムラグがある」ということです。
瀧も三葉も同い年でしたが、実は2人の間には3年のタイムラグがあり、三葉の方が3歳お姉さんでした。
だからこそ二人はすれ違い、そして瀧は、死んでいるはずの三葉と入れ替わりが可能だったのです。
そしてここで鑑賞者は当然思います。
「3年ズレてる事に途中で気付けよ!」と。
まず何度も入れ替わってる訳だから、カレンダーを見ないはずがありません。
入れ替わってる時に、「あれ?なんで2016年?(または2013年)」ってなるはずです。
なのに二人とも気付かずに生活を送り続けます。アホなのでしょうか。
解釈:「シックスセンス」のように、「本人が見たいものしか見れない」説
「シックス・センス(1999)」という、「ネタバレした者は死刑」と言われるくらいドンデン返しが熱い映画があります。
シックスセンスは幽霊が出てくる映画ですが、作品の中で「幽霊」はこう定義されています。
・幽霊同士は意思疎通が出来ない
・幽霊は自分が見たいものしか見れない
君の名は。でも、「自分が見たいものしか見れない」を適用させると「3年のズレに気付かないこと」に納得できます。
入れ替わり中は二人とも、まさかタイムスリップしているなんて思いません。
よって、「カレンダーの年が違う」なんて事は意識の外です。
だから、「入れ替わり」という霊的な状態にある場合は気付かないのです。
これは非常に有力な考えではないでしょうか。
しかし、もう一つ別の解釈があります。
解釈②:寝ぼけていた?
皆さんも夢を見ることがあると思いますが、夢の中ってシナリオがめちゃくちゃですよね。
自分の行動やシチュエーションは意味不明、だけど意味不明であることに気付かず、現実と思いながら過ごします。
そして目が覚めた時に「意味不明な夢だったな」と悟り安心します。
また、目が覚めてもまだ夢か現実か分からない時に「寝ぼけた」状態となり、アホな発言をしたりします。
瀧と三葉が入れ替わってる時、お互いに「夢見心地」または「寝ぼけていた」のではないかと推測もできます。
寝ぼけているが故に「カレンダーの日付がいつもと違う。まぁいいや」みたいな適当な思考になってたのでは無いでしょうか。
ただ、そうなると「入れ替わり先で授業やバイトを難なくこなすこと」に矛盾が生じます。
(この件については後述)
矛盾点②入れ替わり先で難なくバイトをこなせるはずがない
主に瀧になった三葉側の話です。
社会経験、バイト経験がある人なら分かると思いますが、バイトなんて速攻で覚えられるもんじゃありません。
それを三葉はそつなくこなしています。
一応コメディライクな作品なので、「バイトでの失敗」も面白おかしく落とし込んではいますが、実際のバイトでのミスとなると、結構焦るはずです。(それも接客業だし)
まぁこれはアニメ全体に言えることなんで割愛しますが、なんにせよ「速攻でバイトができる三葉は何者?」となるわけです。
解釈:本人の記憶も若干残ってるのでは?
瀧と三葉の精神が完全に入れ替わってるように描写されてますが、実は元の記憶も少し残っているのでは?と推測してみます。
そうすると、瀧のバイトのルーティンを三葉がこなせる事も説明が付きます。
というかこの解釈は強力ですね。
「なんでこの事を覚えてないの?」と突っ込める事象に対しては全て「忘れていた」で片づけることができ、その反対の場合は「元の記憶が少し残ってる」で片づけられます。
矛盾点③3年前の彗星落下を忘れる瀧
彗星が落下して一つの町が消滅する。
これは大惨事です。
しかし瀧はこの事を知りませんでした。
いや本当に知らなかったのか、それとも知ってたけど関心が無かったのかは分かりませんが、きっと相当なインパクトのある出来事だったはずです。
”入れ替わり先である三葉の住んでる「糸守」は、3年前に彗星落下で消滅した”
こんなことを忘れてしまうなんて、瀧はとても薄情な男です。
解釈:ただ単に瀧は薄情だった
上記の通りです。
瀧はそういう「自分に関係ないこと」には一切干渉しない冷酷なタイプです。
だから3年前も「彗星落ちたんだ。ふーん。そんな田舎どうでもいいわ。」っつっていつも通りの日常生活を送ったんでしょう。
瀧くん冷たい。
解釈②:寝ぼけて忘れていた
無敵の言い訳「忘れていた」を発動します。
入れ替わり中は夢見心地なので、瀧は「ここはあの彗星が落ちた場所だ」と気付かないのです。
かと言って元の体に戻った時は夢のことはうろ憶えなので、覚えていなくても筋が通っています。
本作の序盤で、「目が覚めて、理由は分からないけど涙が出る時がある」と言っていました。
僕も経験があるので分かりますが、「何の夢か分からないけど、切ない気持ちで目が覚めて、つらつらと涙が出る」という状況です。
そう。「何の夢か分からない」のです。
もちろん本作は明らかに「お互い入れ替わりに気付いてる」という描写がありますが、元の体に戻った直後から、「相手の住んでる街」などの詳細な情報は覚えていないんじゃないでしょうか。
関連記事:
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まとめ
「入れ替わり」という現実的じゃない現象を良いことに、「シックスセンス」を持ち出して矛盾点を無理やり解決させてみました。
割と筋は通ってると思います・・・。
(”忘れてる”とか”見たいものしか見れない”を使い出したら、全ての映画がご都合主義になってしまいますが)
でも本作は「夢」をテーマにしてるので、それでいいと思います。
夢ってそんなもんじゃないですか。
そういう意味では、「忘れている」という結論はリアルな気もします。
余談
途中でも書きましたが、「目が覚めて訳も分からず出る涙」は本当に不思議なものです。
この場合、夢の中の出来事を覚えていることもありますが、忘れていることの方が多いです。
きっと相当儚い、もしくは切ない夢を見たんでしょう。
そして「目が覚めて、訳も分からず涙が出る」経験をした人は、割と少ない気もします。
(僕の周りではそういません)
でも少なくとも新海誠さんはその経験があるようですね。
というか、「夢の内容は忘れたけど、目が覚めた時に涙が流れる」というプロットを基に、そこに「入れ替わり」というテーマを付け加えたような気がしてなりません。
ここは「君の名は」の感想記事やレビューでもあまり取り上げられないところなので、誰かに深く掘り下げてほしいところです。
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