2024年に公開されたサスペンス映画「ゴールドボーイ
」を鑑賞しました。
その感想と考察を書いていきます!
途中からネタバレしますので未鑑賞の方はご注意ください。(ネタバレ前に赤字で注釈入れてます。)
目次
「ゴールドボーイ(2024)」ざっくり感想
怒涛の心理戦と頭脳戦の連続で、かと言って
「難しくてついて行けない」
「何やってるか全然分からない」
という事もなく、最後までヒリヒリと楽しめました。
敵役「東昇
ラストも中々迫力のある展開で、中だるみすることなく最後まで楽しめました。
(正直、ラストに思うことはあるのでそれはネタバレで書きますね)
※ここからネタバレ↓
「ゴールドボーイ(2024)」ネタバレ有り、個人的感想
終始スピード感のある展開で、切れ者同士のレスバトル、心理戦を思う存分楽しめました。
また、二人を取り巻く部外者(警察等)の関わりも絶妙に緊張感があって、複雑さも増し、それぞれの関係性も丁寧に描かれていたと思います。
ラストの「裏切り」について
本作はいわゆる「ラストで鑑賞者を裏切ってくるタイプの作品」です。
一応「どんでん返しもの」と言いましょうか。
ラスト20分くらいで状況が結構覆ります。
数学が出来て頭が良い、主人公の「安室
中々丁寧な展開だったので「マジかよ!そんな感じかよ!」とはならなかったのですが、個人的な趣向として、僕は
だと嬉しい。
「主人公が何らかの秘密を持っていた」
「そしてそれを鑑賞者には隠してて、ラストまで取っていた」
系の作品は、どうしても狙ってる感がある。
(最悪のパターンでは「主人公の妄想オチ」など…)
やっぱり(SAW1みたいに、)
「主人公も一緒に騙されてて、鑑賞者の“そうだったのか…!”という気持ちを代わりに演じて欲しい」
というのが理想。
おそらく本作は「主人公がサイコパス」という伏線がきっとどこかにあったとは思いますが、最後のどんでん返しが「鑑賞者に向けてのトリック」だった点だけ、少し物足りなかったかなーという印象でした。
地味に良かったのが、広告などで「衝撃のラスト10分!」などのネタバレがされてなかったこと。
昔は良く有りましたねこういうの…。
「ゴールドボーイ(2024)」矛盾点を考察
本作鑑賞直後に「これっておかしいよね?」と野暮な事を考えましたが、意外と腑に落ちたので一応まとめておきます。
矛盾?①何故か途中から交渉が「殺人」に切り替わった
朝陽は最初「殺人を隠蔽してやるから6000万円くれ」という交渉を進めてましたが、途中から「自分の両親を殺して欲しい」と内容を変えましたね。※実際には両親ではないけど当ブログではそう呼び進めます
ライアーゲーム(やACMA GAME)が大好きな私は最初、何かの駆け引きと思いましたが、そんな事はなく、話は本当に「お金」から「殺人」に移行しました。
だから鑑賞中、本当に殺人が行われて「?」となりましたが、今は腑に落ちてます。
まず、「朝陽」はおそらく最初から殺人へのスライド、つまり「最初は金銭を要求しつつも、途中から殺人依頼に切り替える計画だった」のでしょう。
仲間二人は驚いたと思いますが共に「朝陽」を信頼しているので、彼らはただ付いて行った…。
対して切れ者の「東昇」にもメリットがあります。
よくよく作戦を聞くと「殺害を実施するのは中学生たち」なので、その瞬間を撮影しておけば状況がイーブンになる。
だから「お金じゃなくて人を殺して」という依頼(展開)は一見ぶっ飛んでますが、二人にとっては意外と合理的だったんだなーと。
矛盾?②「東昇」は証拠動画を撮影した時点で裏切れば良かったのでは
「
「俺はお前たちの弱みを握った。これでイーブンだ。後は好きにしろ」とでも言っていたら、自分は一切手を汚さず、面倒なこともせず済んだのでは?
と初見で思いました。
でもよく考えたら、この殺人が発露されると、結局「東昇」との一連の関係が暴露されますよね。
だからこのミッションは無事に遂行して、お互いに「秘密」な状況にする必要があった、
そして殺人は「東昇」の得意分野なので、より品質を高めるために手を貸した、
と考えています。
矛盾?③刑事「東巌」は最後ゆっくりし過ぎでは?
最後、「夏月」の手紙を読み、自分の息子「朝陽」が全ての黒幕だと知った「朝陽の母」は、直後「朝陽」に脅されますね。
しかし会話中、実は誰かと通話状態のスマホを持っていました。
おそらくそれは刑事の「
自然な展開では、この通話内容を聞いてる最中で、「朝陽の母」が殺されないためにも、そりゃもう速攻で警察が現場に駆けつけるはずです。
なのにラスト、「東巌」は徒歩で「朝陽」と対峙していました。
「ラストの演出とは言え違和感があるな」なんて思ってましたが、前向きに捉えればこれも腑に落ちます。
最初は「朝陽のお母さんの身が危ない!」と急行していたかもしれません。
しかし会話の内容を聞いていると、「朝陽」が買い物に出かけると言っていたので、やはり先回りすることにしたんでしょう。
おわり。