久しぶりの親戚の集まりに謎の殺人集団が乱入し、一人ずつ惨殺されるというショッキングな映画「サプライズ」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2013年 |
---|---|
原題 | You’re Next(訳:次はお前だ) |
上映時間 | 94分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | アダム・ウィンガード |
脚本 | サイモン・バレット |
ジャンル | ホラー、スプラッター |
主要キャスト |
シャーニ・ビンソン ニコラス・トゥッチ ウェンディ・グレン AJ・ボーウェン ジョー・スワンバーグ |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
両親の結婚35周年を祝うために家族10人が集まる。しかし、そこへ突然キツネやヒツジ、トラといった動物の仮面をつけた集団が現れたことから、逃げ場のない密室で予測不能な事態が次々と巻き起こる。
引用:Netflix
魅力
・①殺人鬼 vs 生存者の「そこそこ知的な攻防」が楽しめる
②普段から親戚の集まりとかに鬱陶しさを感じる人はなんかスッキリする映画
気になる点
・生存者たちの行動に危機感が無い
・殺人鬼の動機が在り来たりで面白くない
・殺人鬼がアホ
・登場人物に1人、中盤でバーサークモードに入るような超人類がいる
・一か所、見え見えのミスリードで萎えてしまうポイントがある
・不条理オチにしたかったのかもしれないが、純粋にイマイチな終わり方
【ネタバレ無し】感想

ある金持ち中年夫婦の子供たちが、互いの恋人や配偶者を連れ両親の元へ集う。
みんなでワイワイ食事をしていると、突然外からボーガンの矢が放たれ早速一人絶命。
そこから一人、また一人と惨殺されていくスプラッター映画です。
敵が覆面を被っていたり、様々なガジェットを使って登場人物を追い詰めてくるところは、「サイレンス(2016)」という映画に似ています。
※関連記事は最後にまとめて紹介しますただし、サイレンスに登場する敵は非常に知的でスマートな戦法なのに対し、本作の敵はその辺のごろつきの集まりのようで結構アホですね。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
悪い点:生存者たちの行動に危機感が無い
敵はまずボーガンで一人殺しました。
それ以来全員窓に近づく際は警戒していたのですが、途中から何故か警戒しなくなります。
こちらとしては「そんなに真正面から窓を見つめてたらまた矢が飛んでくるでしょうが」と気になって仕方ないのですが、登場人物たちはそんな我々の気持ちを汲み取ってくれません。
感情移入するうえでだいぶ気になるポイントです。
悪い点:殺人鬼の動機が在り来たりで面白くない
「自分(と隠れ仲間)以外の家族全員を殺害してもらい、遺産を全て自分のものにする」というのが真犯人の動機です。
殺人鬼は「そいつに金で雇われた」ということですね。
個人的にはちょっと動機がつまらないと思いました。
本作はそんな「コナン」みたいな映画では無いので犯人にシリアスな動機はいらないのでしょうが、こういう些細なところでも、使い古されたものでは無く何か面白いアイディアが使われてたらもっと好きになってました。
悪い点:登場人物に1人、中盤でバーサークモードに入るような超人類がいる

「子供の頃にサバイバルを学習した」という理由だけで鬼のように強い女性がいます。
もちろん強い理由は他にもあるかもしれませんが、作中では「サバイバル」についての説明しかありませんでした。
実は僕はホラー映画におけるこういう逆転劇が大好きです。
でも、それは「追い詰められた時の機転による逆転」であり、こんな風に結構中盤から、しかも力技で殺人鬼をなぎ倒していくようなプレイヤーはあまり好きじゃありません。
どんでん返しものでありがちなんですが、途中で何度か、フォーカスする人物が「主人公目線」から「敵目線」にシフトする瞬間があります。
敵目線になる場合、たいてい主人公が罠を張っている可能性が高いのですが、本作では「主人公が隠れていた」という程度のトリックであり、結局は力技でねじ伏せます。
その辺のアホっぽさが良いのかもしれませんが、もう少しユニークさ、目新しさが欲しかったところ。
悪い点:一か所、見え見えのミスリードで萎えてしまうポイントがある
1人目の人物が矢に射抜かれて死ぬ → 外は危険だけど、意外と走り抜けたら逃げ切れるんじゃね? → 「私は足が速いから」と1人名乗り出る。 →ドア開けて外出た瞬間ピアノ線っぽい奴で首切れて死亡。
という展開がありました。
このシーンの直前、怪我人をケアするスペースを確保するためにテーブルをどかすカットがありました。
その際、テーブルの上に花瓶を置いたまま移動するもんだから、案の定花瓶は落ちて割れます。
そしてその後「私が走る」と言いその人が急にハイヒールを脱ぎます。
裸足になったその人が勢いよく走り出すので、「さっきの花瓶の破片大丈夫なの?」というところに意識が向きます。
これはうまいミスリードで、花瓶の破片に意識を集中させつつピアノ線という新たな罠を登場させ、鑑賞者を驚かせました。
僕はこういうミスリード好きですよ。
でも展開がわざとらし過ぎて「製作陣の意図」が感じ取れてしまい、この花瓶のミスリードはあまり好きじゃありませんでした。
「この状況で裸足で駆け抜けて花瓶踏んで足を怪我して転んでそこを狙われる」なんてアホな展開、あっていいはずがありません。
よって「こっち側に意識を集中させようとしてんだなぁ。」というのが丸見え。
わざわざ序盤で「ホウキと塵取りで掃除するシーン」があったもんだから、ここでも余計に「花瓶の破片を掃除しない家族たち」が気になりました。
悪い点:不条理オチにしたかったのかもしれないが、純粋にイマイチな終わり方
最後、駆け付けた警察官に犯人と間違われ撃たれる主人公。
そして警察官は、主人公が仕掛けた罠により死亡(と思われる)。
こういう脈絡が無いラストが僕は好きではありません。
むしろ不条理ラストは大好物なんですが、それはやっぱりメインの物語と絡んでいるべきです。
なんとなく「取って付けたような終わらせ方」だった為、満足感に欠けるラストでした。
評価・まとめ
60点
典型的なB級ホラー作品。
微妙な点は多いですが、こういうホラーが好きなら問題なし。
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