夜行列車でのモンスターとの死闘を描いたホラー「デビルズ・トレイン」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2015年 |
---|---|
原題 | イギリス |
上映時間 | 92分 |
製作国 | イギリス |
監督 | ポール・ハイエット |
脚本 | マーク・ハッカビー、ニック・オストラ |
ジャンル | ホラー、モンスター |
主要キャスト |
エド・スペリーアス ホリー・ウェストン シャウナ・マクドナルド エリオット・コーワン アミット・シャー |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
ある嵐の夜、ロンドン発の夜行列車が森の中で緊急停止。突然大きな咆哮が闇夜に鳴り響き、正体不明の”怪物たち”が乗客を襲う。密室の絶対恐怖を描くホラー。
引用:Netflix
魅力
①唐突に訪れる非日常の描き方が良い
②登場人物のキャラがしっかり立ってて人物を把握しやすい
③主人公がヘタレキャラなのが良い
気になる点
・キャラ立てする為か、セリフ回しがわざとらしくてクドい時がある
・(日本語吹き替え限定)主人公の声優が合ってない
・勇敢で善人な脇役を軽く見捨てる描写が中々胸糞
【ネタバレ無し】感想
中々悪くない秀作です。
まず、序盤の「退屈そうな夜行列車の雰囲気」が良い。
我々はこれがホラー映画であることを前提に観ているので、「この後に全員で協力する」という事が分かっています。
だから最序盤の「切符の拝見シーン」では、とにかく全員退屈そうに、嫌味を言いながら車掌の「ジョン(エド・スペリーアス)」とやり取りをするくらいが丁度良く、そこはしっかりと描写されていました。
そしてそこから暗転して「非日常」に繋がる瞬間は中々ワクワクしました。
この辺りの見せ方が悪くなかったので、ホラー作品としての及第点は超えてます。
中盤や終盤でもちゃんと熱い展開を盛り込んでて、「分かってんな~」という感じの作品でした。
突っ込みどころは多数あれど中々お勧めできます。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
良い点:主人公がヘタレキャラなのが良い
若き車掌の「ジョン」を演じる「エド・スペリーアス」が既にヘタレ感漂っています。
最高のキャスティング。
そしてジョンのキャラ設定も良い。
一応車掌だが、昇進試験に落ち今の仕事にも不満を抱いている。
そういう事前設定を丁寧に説明してくれた後にホラー展開となったので、「この緊急時を通してジョンがどう成長するのか」という事にしっかりとはまり込んで鑑賞できました。
やっぱりホラー映画は、「緊急時を通してのヘタレ主人公の成長」という半ば「アメコミヒーローもの」に近い要素がある方が燃えます。
良い点:最後が「28日後」に似てる
なんとか逃げ切ったジョンとエレンでしたが、「すぐに敵に追いつかれる」と悟ったジョンは、自分が敵を足止めしエレンだけを先に行かせます。
ジョンは死を覚悟し敵と戦いますが、ここが凄い「28日後(2001)」を思わせる演出でした。
28日後で、主人公のジムが軍隊相手に覚醒するシーンです。
コメンタリーで語られてましたが、あのシーンではわざとカメラのフレームレートを落としギクシャクした演出になるようにしていました。
本作でジョンが戦うシーンでは、カメラのフレームレートを落としてるかどうかは分かりませんが、ヒトコマヒトコマが粒だって見えるような瞬間がありました。
おかげで「覚悟を決めた」という被写体(ジョン)の心境がしっかり伝わってきます。
それに「ヘタレキャラがヒロインの為に死を賭して戦う」という展開も28日後に似てますね。
ちなみにダークエモな感じのBGMも少し似てました。
悪い点:勇敢で善人な脇役を軽く見捨てる描写が中々胸糞
本作のMVPは間違いなくこの「ビリー(役:Sam Gittins)」です。
彼は優れた修理工(高校生)で、列車の故障の原因を突き止め、実際に走行可能な状態まで修復しました。
それも敵がうろつく列車の外で。
ビリーはちゃんとジョンに「俺を置いてくなよ」と冗談交じりに言ってから列車の修理に向かいました。
しかし列車が走行可能な状態になったと同時に敵がジョン達の前面に現れたので、ジョンとエレンはほぼ反射的に列車を発進させます。
ビリーは「おいマジか」と驚きながら列車の足回りにしがみ付く。
その後しばらくビリーの出番なし。
すると今度は、ジョンとエレンが敵に囲まれ絶体絶命なタイミングでビリーが火炎瓶を持って登場。
またしてもジョン達を窮地から救い出します。
しかしジョン達を逃がした後、ビリー本人は逃げきれずに死亡。
「もう間に合わない。助けられない。」という流れはまぁ仕方ないでしょう。
しかしビリーを置いて発車させたのは解せません。
しかも、急な発車に驚いたビリーは、反射的に先ほど修理したパーツを掴みそのせいでまた列車が停止します。
するとエレンが「どうして止まるのよ!」と声を荒げます。
もちろんエレンはビリーの事情なんて知らないのでそう言うのでしょうが、ビリーとエレン、どちらも観察してる我々からするとエレンの性格が悪く見えます。
この辺の展開をもっと良い感じにしてほしかった。
評価・まとめ
70点
中々の良作でした。
ただの「怖けりゃいいんでしょ」系ホラーではなく、ちゃんと「主人公の成長」や「熱い展開」を盛り込んだ良作。
更に登場人物のキャラ立ちも良かったので、突っ込みどころは多くあれど、結構な当たり作だったと思います。
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