めっちゃ古いモンスターパニック作品「トレマーズ」を今更ながら鑑賞しました。
午後のロードショーとかでチラチラ見たことはあったし、何故かどういう作品かを知っていましたが、そういえばガッツリとは観た事が無い作品だったので、改めてしっかり鑑賞しました。
目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 1990年 |
---|---|
原題 | Tremors |
上映時間 | 96分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ロン・アンダーウッド |
脚本 | ブレント・マドック、S・S・ウィルソン |
ジャンル | モンスターパニック |
主要キャスト |
ケビン・ベーコン フレッド・ウォード フィン・カーター マイケル・グロス レバ・マッケンタイア |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
ネバダの砂漠地帯。異常な振動が観測され、体長10メートルにも達する巨大地底生物が発見される。狂暴な怪物は、次々と人々を襲い、地中に引きずり込んでいく。
引用:Netflix
シリアスで恐怖をあおり続けるホラーというより、コメディ要素も適度に含まれた、明るいタイプのモンスターパニック作品。
内容が、「日中の砂漠」という明るい映像にピッタリ合ってます。
モンスターとの死闘も見どころですが、その中でも特に「ギミックの使い方」に知恵を凝らすところが好きでした。
その辺りの展開の数は非常に多く、全く中だるみしません。
※ここからネタバレを含みます。
【ネタバレ有り】感想
やっぱり名作でした。
役者達の演技がクドいのも、なんとなく90年代らしさを感じさせます。
でもそれくらいのクドさが本作には合う。
そして本作が飽きない最大の理由は、やっぱり「展開の多さ」だと思います。
アホなパニックホラー作品は、最強生物を適当にステージに放り込んで、登場人物を殺戮してうぎゃーで終わります。
でも本作は違う。マジで違う。
ちゃんとしてる。
同じような死に方をする奴が1人も居ないし、それに、登場人物のデス数も必要最低限。
ほとんどのキャラが生存します。
逆にこれは、「死んでナンボ」だという現代的なホラー映画に見飽きたからこそ新鮮に感じたのかもしれません。
良い点:敵の定義がしっかりしてる
本作はオカルトホラーでは無く「パニックもの」なので、敵は物理的な存在です。
現実で言うところで、何の生き物がしっくり来るか分かりませんが、地中生物です。
そんな「トレマー」には、どんな特徴があり、何が弱点なのか、というのが、結構序盤から、そしてかなり自然な形で説明されます。
地中生物である → 「鼻や目は発達してないはず。だから音(振動)を感知するんだわ」
巻き付いてトラックを食い止めていた → 「かなりの怪力の持ち主だ」
他にもたくさんありましたが、こういう「敵の正体」に関する部分がしっかりと説明されていたので、「それにどう立ち向かっていくのか」という、ストラテジー的な楽しみがありました。
良い点:クライマックス時の絶妙なミスリードが良い
地面の上で立ち尽くす「バル」。
敵は振動で感知する為、身動きが取れない。
手には即席ダイナマイト・・・
ここで敵が一時的に引っ込んで、誰もが「今だ!逃げろ!」と思うが、「バル」はここで「罠だ。奴らは賢くなってる」と見抜く。
この時点でもう面白い。
そしてこの後、「良い考えがある」と神妙な面持ちで言うバル。
もしかしたらこれは僕の考え過ぎかもしれませんが、その覚悟の表情はまるで「自分がダイナマイトと一緒に奴に飲み込まれる」という決心に見て取れました。
おいおい・・・ここに来てバル死ぬのかよ・・・。
でもこれだけいろんなギミックを駆使して(我々を満足させながらも)奴を倒せないんだから、それくらいのインパクトを出さないとクライマックスとして成立しないか・・・
なんて思っていたら見事に裏切られました。
倒し方はなんと「奴を崖から突き落とす」です。
ダイナマイト自殺をしなかった・・・良かった・・・
「最初の一匹を倒した時」をちゃんと伏線として、それを更にレベルアップさせた倒し方でクライマックスを迎えました。
完璧ですわ。
こういう「キャラクターの閃き一発で逆転する瞬間」というのはいつ見てもカタルシスを感じます。
良い点:状況設定が良い
砂漠、もぐらのようなモンスター、便利屋の二人・・・。
これらが組み合わさり、トレマーズは最高のシチュエーションの上で作られたようです。
だからか、全てが最高で完璧です。
敵の能力と砂漠(の地質)との相性。
田舎町だから建物も少ないし、必然的に狭いコミュニティーも生まれる。
その中での人間模様。
わざわざ言うことでも無いですが、状況設定が完璧でした。
良い点:砂漠の田舎町って良いなって思えた
作品からだいぶ離れたことを言いますが、バルとアールのコンビの自由奔放な生き方に憧れますね。
2人は「便利屋」として砂漠で働いており、「車中泊」のシーンで初登場します。
もうこの時点でウットリしてしまう。
2人の年齢が離れてるのも良い。
他にも、日本には無さそうな「ガソスタと売店とダイニングが一緒になったような店」だったり、いろんな銃が並べてある観測所みたいなところとか、ロケーション一つ一つから非日常が感じられました。
銃でパンパンやってた夫婦も言ってましたね。
「だから俺たちはこの町に来たんだ」
評価・まとめ
85点
やっぱりマジで面白かった。
純粋な傑作です。