過去最高の合計得点が出たり、終盤での急激な番狂わせが発生したりして、本当に熱いドラマがあった「M1グランプリ 2019」。
僕は毎年かかさずM1を見ているが、今年はちょっと面白すぎて、終盤は少し物悲しい気持ちになってしまった。
目次
10組中7組が初参戦。超絶アツイ漫才の連続

決勝進出10組
▼決勝者一覧(得点順)
かまいたち(3大会連続3回目)
ぺこぱ(初出場)
和牛(5大会連続5回目)
見取り図(2大会連続2回目)
からし蓮根(初出場)
オズワルド(初出場)
すゑひろがりず(初出場)
インディアンス(初出場)
ニューヨーク(初出場)
名前も知らないようなコンビでも、一度決勝まで進むと、その後は毎年連続して決勝まで残る流れが多かったりする。たぶんスタイルが固まるからなのだろう。
今年で言えば「和牛」「かまいたち」「見取り図」がそうだし、ちょっと前では「ジャルジャル」もそう。
もっと古いところだと、「麒麟」「トータルテンボス」とかも、何年も連続して出場しながら、優勝を獲得出来ずに芸歴10年を迎えてしまった。(昔は10年が限度だった)
そしてそんな「一軍コンビ」の隙間で、二~三組程度「ダークホース」が存在する。
ダークホース枠のコンビは、ハマらなかったらとてつもない距離感が生まれる。
過去には確かに多かった。
でも今大会では、そんな「ハマらなかった組」はひとつもなかった。
個人的にちょっと「ハズすかな?」と思ったのが「オズワルド」。
芸歴は短いし、今大会で唯一のローテンション系漫才。
しかも過去最高点「681点」を叩き出した「ミルクボーイ」の後。(彼らもまたダークホースだが)
ネタが始まった時、なんとなく直感で、「ハマらなさそう」と思ってしまったが、オズワルドのネタはしっかり面白く、ミルクボーイの余韻はすぐに消え、瞬時にオズワルドの空気感になった。
そしてそして決勝戦最後では、これまた初参戦、かつ決して正統派ではない「ぺこぱ」が高得点を獲得した事により、なんと「和牛」が4位に落とされてしまった。
ここで司会の上戸彩が「鳥肌が立ちました」と言ったが、本当にそれくらい痺れる展開だった。
ぺこぱもキャラ作りに相当苦悩していたらしく、そんな若手のぺこぱが、M1常連、かつ本物の優勝候補を凌いだ展開は、ミルクボーイ優勝シーンと同じくらい感動したかもしれない。
最終決戦後の、審査員の辛そうな表情

辛そうな表情で優勝票を決める「上沼恵美子」
審査員は皆、「票を決めたくない」とつらそうな表情だった。
志らく師匠に関しては、「決めたくない」としっかり発言していた。
最終決戦に残った3組「ぺこぱ」「かまいたち」「ミルクボーイ」のネタはどれも、本当にそれくらい面白かった。
だから筆者も見ていて辛かった。
結果的に7人中6人が「ミルクボーイ」(松本さんだけ「かまいたち」)に投票したが、誰が見ても「圧勝」では無かった。
みんな悩みぬいて最後の最後に「ミルクボーイ」に投票していた。
M1恒例の演出だが、優勝したミルクボーイの後ろで、悔しそうな表情の参戦者が映る。
僕はもう、全ての参戦者のことが好きになったので、彼らの顔を観るのが辛くて仕方なかった。
審査員は自分の手で彼らの実績を決めたのだから、なお一層辛いだろう。
久しぶりに「優勝者を決めないでほしい」と思えるような試合を見た。
心の底から笑ったのに、こんなに悲しい気持ちになるなんて、M1はやはり偉大な祭典だ。
「ミルクボーイ」のレパートリーが気になる

モナカについて力説する「ミルクボーイ」
最終決戦まで進んだ「ぺこぱ」と「ミルクボーイ」。
彼らはほぼ同じような雰囲気のネタを2本用意していた。
併せて4本ともめちゃくちゃ面白かったが、果たして彼らはその雰囲気以外のネタを持っているのだろうか?
「ミルクボーイは面白かったけど、2本目も全く同じネタだったからちょっと飽きた」という人も居た。
でも、後日、TBSの「グッとラック!」に生出演した「かまいたち 山内」が、「ミルクボーイには笑いの神が降りていた」と言っていたように、あの時の「ミルクボーイ」には笑いの神が降りており、会場の空気を完全に掴んでいた。
あそこに居た審査員も、観客も全員「ミルクボーイのあの感じのネタをもう一本見たい」と思ったに違いない。
「ぺこぱ」に関しては、今までショーレース系の番組でチラチラ見たことがあるが、「ミルクボーイ」のネタは、自分の勉強不足もあるが、ほぼ見たことが無い。(当人たちも“これ(M1)が今年初めてのテレビ出演です”と言っていた)
今後ネタ番組で、どういうネタを見せてくれるのか、凄く気になるところだ。
個人的感想:「ニューヨーク」について
個人的に大好きなコンビ「ニューヨーク」。
心のどこかで「M1向けのコンビじゃない」と思っており、今回出場が決まった後も、優勝は無いだろうなと勝手に思っていた。(今大会で彼らは最下位)
ただ、隙間での彼らは最高に面白かった。
ネタも最高だったが、「暫定席から脱落する瞬間」にめっちゃ笑った。
嶋佐さんの「Youtubeやってます!(泣)」で思いっきり笑い、その後の「何笑ってんだよ!」のミニドラマも最高だった。
過去最高の「暫定席シーン」だったかもしれない。
【大決戦】2019年のM1。面白過ぎて、観るのが辛かった。:まとめ
というわけで、M1鑑賞後、つい胸が熱くなって殴り書いてしまいました。
今までは2016年のM1(銀シャリ優勝年)が一番好きでしたが、今年、それが塗り替えられました。
きっと2019年のM1が一番好きな人も多いと思います。
というわけで、来年も優勝目指して頑張りましょう!(誰目線)