Netflixで「デッド・フレンド・リクエスト」というSNSベースのホラーを見ました。
いつも通り、「ネタバレ無し情報」を最初に書いた後、ネタバレしていきます。
「デッド・フレンド・リクエスト 評価」
「デッド・フレンド・リクエスト 感想」
「デッド・フレンド・リクエスト ホラー」
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目次
作品情報
公開年 | 2016年 |
---|---|
原題 | Friend Request |
上映時間 | 92分 |
製作国 | ドイツ |
監督 | サイモン・バーホーベン |
脚本 | クイリン・ベルク マックス・ビーデマン |
ジャンル | ホラー |
主要キャスト |
アリシア・デブナム=ケアリー ウィリアム・モーズリー コナー・パオロ ブリット・モーガン ブルック・マーカム |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ
SNSが大好きな女子大生ローラは、充実したキャンパスライフを送っている。ある日、孤独なクラスメートからの友達申請を承認。これが悪夢の幕開けだった…。
引用:Netflix
典型的な「リア充爆発しろ」ホラーです。
【ネタバレ無し】感想
殺人鬼が殺戮を繰り広げるのではなく、「呪い」系のベーシックなホラー映画ですね。
絶妙なB級テイストで良い感じにビックリさせてきます。
基本的には数年前からの流行であるSNSを舞台にしていますが、ホラー表現は20年前くらいからある「ビックリFLASH」が多めです。
それ系が好きな人には嬉しいかもしれませんね。
というわけでホラー表現はそこそこ良い感じです。
好き嫌い別れるだろうなと思うところは、「死因が呪い」であることです。
正直僕は苦手なんですが、「登場人物が頭おかしくなって自殺していく」という展開は、逃げようが無いのであまり好きではありません。
それよりか13日の金曜日的な、知的な殺人鬼と知的な登場人物とのせめぎ合いが僕は好きです。
最終的には、主人公が機転を利かして逆転するというカタルシスもあるので。
でも本作はそれが無いし、「主人公が濡れ衣を着せられる」という展開が続くため、結構胸糞悪いです。
その辺りさえ受け入れれば、本作は高評価かもしれません。
90分程度と短い映画ですし、「暇つぶしにホラー見たいけど、時間は無駄にしたくないから、一旦レビューだけ見とこう」という感じで当記事に来られた方には、とりあえずおすすめできます。
※次項からネタバレを含みます。
【ネタバレ有り】感想
「濡れ衣展開」が苦手なのでそこが苦痛で、終始イライラしながら観てしまいました。
主人公のローラは典型的なリア充で、SNS上には800人程のフレンドがいました。
ちなみに作中に登場するSNSは、サイト名こそ出なかかったものの、インターフェイス的に完全にFacebookです。
そしてローラは、「マリーナ」という完全なる陰キャとフレンドになってしまいます。
これが全ての始まり。
マリーナの投稿フィードがあまりに気持ち悪すぎて、ローラはマリーナとのフレンドを解除します。
それ以降のプロセスは省きますが、これによりマリーナは自殺。
そしてローラの周りの人々がどんどん狂って自殺していきます。
ムカつくのが、「彼らの自殺映像がローラのアカウントから投稿され続けている」ということ。
これによりいろんな人から罵声を受け続けるローラ。
投稿を削除しようとしてもエラー。
アカウントを退会しようとしてもエラー。
サポセンに電話問い合わせする描写もありましたが、オペレーターから「手に負えない」と言われる始末。
SNSでは無いですが、僕もサポセンにはイライラさせられた経験があるので凄く感情移入が出来ました。
また、アカウント乗っ取り的な描写もストレスを感じます。
最終的には仲の良かった友達から「アカウント退会できないのは分かるけど、早くなんとかして!」と理不尽にキレられます。
そう。主人公のローラは、作中ずっと理不尽な状況です。
最後に「半沢直樹」ばりに逆転してくれるなら理不尽なイライラもカタルシスに変わりますが、ローラは最期の最後まで理不尽です。
別に「ドラッグパーティー」等の悪さをしてたわけじゃないのに、あまりに酷い仕打ちです。
考察①マリーナの目的とはなんだったのか?
火事で死にかけた母親のお腹から生まれた、というマリーナ。
病気か何か分かりませんが、頭頂部も薄くなってました。
そして動画作成ソフトか何か分かりませんが、自分で作ったであろう不気味なアニメーションをSNSでアップロードし続けていました。
養護施設のようなところで育てられ、そこでも独りぼっちだったマリーナ。
マリーナはとにかく友達が欲しくて、それで優しそうなローラに近づいたのでしょう。
しかし完全な逆恨みでローラに復讐を企て(儀式の為の)自殺をします。
そしてプログラマーのコーヴィーが言うように、「ローラは安全」です。
マリーナは「ローラを孤独にする」という目的があるので、危険なのはローラの周りの人です。
この辺りの定義付けは面白かったですね。
無秩序で何でもありの「呪い系ホラー」にルールをもたらしてくれました。
というわけで、マリーナの目的とは、「ローラの周りの人間を殺し、そしてアカウントを乗っ取り自殺動画を投稿することで、ローラを完全に孤独にすること」でした。
考察②コーヴィーは頭がおかしくなったのか?
作中ずっとローラの味方で、オカルトへの理解もあり、そしてソースコードを解読する知識も持ち合わせた「コーヴィー」。
ホモっぽい目つきでしたが、凄い戦力でした。
そんなコーヴィーは、終盤で「君を1人にはさせない」と言いながらローラの腹部を刺します。
その直前には鏡に見入ってましたから、マリーナに洗脳されたように見えました。
コーヴィーは果たして本当に洗脳されていたのでしょうか?
「君を1人にはさせない」というセリフの真意は分かりませんが、「ローラが死ねば全て終わる(つまり自分は死なない)」という事から、思い切ってローラを殺そうとしたようにも見えます
また、ローラの彼氏「タイラー」がコーヴィーに詰め寄った時、コーヴィーは「ウヒヒヒ」みたいな感じで不気味に笑い出し、その後「お前は何も分かってない!」的な怒鳴り声を上げました。
呪われてる?正気?
どっちにも取れる発言なので決めるのは難しいですが、個人的には「正気だった」と思いたいです。
感想でも述べたように、「登場人物が全員狂って自殺する」という展開は結構粗悪です。
一人くらい「正気だけど、ある哲学の変化によって殺人鬼になってしまった」という展開が欲しいです。
そしてそれに当てはまるのは、本作ではコーヴィーしかいません。
「マリーナが死ねば自分は助かる」という考えからコーヴィーは変化したと考える方がまだ面白いので、個人的には「コーヴィーは正気だった」と結論付けました。
考察③なぜローラは最後マリーナのようになったのか?
最後、今までのリア充な雰囲気を捨て、マリーナと同じ黒いパーカーに中二病デザインのノートPCを持って、大学の食堂で一人でなんかしてました。
そのPCにはSNSの画面が映っており、そこには「FRIEND 0」の表示が。
どうやらマリーナと全く同じ状況を味合わされているようです。
最後、マリーナに呪われた描写があったような気がします。
だから、
・昔の記憶を捨てられ、マリーナの生まれ変わりみたいな感じで生き続ける
・友達100人作るまで解放されない
みたいなミッションを課せられたのだと思ってます。
やっつけなラストに見えたので良く分かりませんし、何でもありの呪い系ホラーを本格的に考察するのも野暮ったいので、この辺にしておきます。
やっぱり考察するなら「アナイアレイション」みたいなSFやサスペンスの方がいいですね。
評価・まとめ
60点
理不尽なシナリオが受け入れられないという理由だけで低評価にはできません。
作中のホラーギミックには何度もビックリさせられたし、リア充が陰キャによって崩壊していくサマは、そういう趣向の人が見ると快感かもしれません。
呪い系ホラーという点が、和製ホラーの「リング」とか「着信アリ」にどこか似てました。
製作陣は和製ホラーをリスペクトしてるんでしょうか。
でも個人的にはやっぱり「物理」で生存者を殺して欲しいので、「登場人物が狂って自殺」みたいな展開はあまり好きじゃ無かったですね。
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