本編全てがPC画面上の映像という異色のホラー映画「アンフレンデッド」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2014年 |
---|---|
原題 | Unfriended |
上映時間 | 83分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | レベン・ガブリアーゼ |
脚本 | ネルソン・グリーブス |
ジャンル | ホラー |
主要キャスト |
シェリー・ヘニッヒ(ブレア) モーゼス・ストーム(ミッチ) レニー・オルステッド(ジェス) ウィル・ペルツ(アダム) ジェイコブ・ワイソッキ(ケン) コートニー・ハルヴァーソン(ヴァル) ヘザー・ソッサマン(ローラ・バーンズ) |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
全編がパソコンの画面上で展開するホラー作品。ネット上にアップされた動画を苦に自ら命を絶ったローラ・バーンズ。彼女の死から1年後、ローラの友人たちがSkypeで他愛のない会話をしていると、見知らぬアカウントがローラ・バーンズとして話しかけてきた。
魅力
①全編通して「主人公のPC画面内だけを表現する」という斬新な演出
②PCやSNSというギミックを駆使した様々なアイディア
③怖い。とにかく怖い。不気味。そして意外な名シーンあり。
登場人物(全部でたった7人)
ミッチの彼女。
自殺したローラと親友だった。
ブレアの恋人。
アダムの恋人?
ジェスの恋人?
太っている。
他のメンツよりIT系に強い。
ローラと喧嘩していた。
学校のグラウンドで拳銃自殺した女の子。
【ネタバレ無し】感想
「PCの画面内のみで完結する」という斬新な演出もさることながら、ホラー作品としての水準がめちゃくちゃ高いです。
久しぶりにドキドキびびりながら鑑賞しました。
本作は、主人公「ブレア」のMacPCのスクリーンのみを映しています。
しかも映像の大半が「Skypeのビデオ通話」シーンなので、動きのあるシーンはwebカメラ程度で非常に低画質。
ブレアの音声は生声で聞こえますが、残りの登場人物は全員PCのマイク越しであるため、音声解像度も低いです。
でもそれらの「リアルさ」もあって非常に生々しく感じました。
僕はNetfixで本作を鑑賞したのですが、この映画はストリーミングサービスとの相性が抜群ですね。
特にPCで観てたらめちゃくちゃ感情移入できます。
決して映画館の巨大スクリーン向けではありません。
更に欲を言えば、ブレアが使ってるのがMacOSなのでMacで観た方が絶対に楽しめます。
嬉しい誤算だったのですが、本作のホラーテイストは決して「ビックリフラッシュ系」ではありません。
ホラー作品の中には、脚本が全く練られておらずただビックリフラッシュみたいに唐突に脅かす演出だけで怖がらせようとするものもありますが、そういう駄作では無いので最後まで引き込まれました。
割と込み入ったサスペンス要素もあり、心理的な圧迫感もあります。
めちゃくちゃおすすめです。
関連記事:
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※関連記事は最後にまとめて紹介します
【ネタバレ有り】考察・感想
※ここからネタバレを含みます。
フリーズした「ヴァル」が怖すぎる・・・
一番最初の犠牲者「ヴァル」に何が起きたのか、恥ずかしながら初見で気付けなかったのでまとめます。
結論を言うと、ヴァルは漂白剤を飲み自殺したみたいですね。
そしてヴァルの画面は一見フリーズしたように見えましたが、実はそれはフリーズしていたわけではなく本人が固まっていただけのようです。
怖すぎる・・・。
ヴァル含めどのオブジェクトも一切動いていないので、画面だけがフリーズしたように見えます。
しかしブレアが電話をかけると、ヴァルのスマホがバイブ機能により画面右下から徐々にフェードインしてきます。
ということで、このヴァルは一切まばたきもせず、人間特有の揺れもなくそこで固まっているだけのようです。
ちょっと怖すぎやしませんか・・・。
僕は初見では「画面がフリーズしてる」と思い込んでいたのでそこまで怖くなかったですが、改めて見返すとこれは、ホラー界に残る名ミスリードシーンの一つだと思いました。
「スマホがちょっとずつズレているからフリーズじゃない」という説明がちょっと分かりづらかったですが、今思えばブレアもちゃんと説明してましたしね。
結局「ローズ」の身に何があったのか?
グラウンドで拳銃自殺したローズ。
本作はいろんなサスペンス要素が織り交ざって「結局何がローズを精神的に追い詰めたのか?」が意外と分かりにくかったのでまとめます。
まずローラの自殺の原因は、「”ローラが酔っ払って外で失禁した状態で眠っている動画”がYoutubeにアップされた」というものでした。
そしてそれをYuotubeにアップしたのは、どうやらブレアの恋人「ミッチ」のようです。
ただ、それを直接的に示す描写というか「証拠」のようなものが無く、迫りくるカウントダウンの中ブレアが直接ローラに送った「彼がやった」というメッセージしか情報がありません。(恐らく)
だから「本当にミッチがアップロードしたのか?」という情報が真実かどうか微妙な気がします。
恐らくですが、「アップしたのはミッチだけどブレアと意気投合してアップした」みたいなニュアンスでは無いでしょうか。
後で分かりますが、その「失禁動画」を撮影していたのはブレアでした。
どうやらYoutubeにアップされたのはローラのシーンまででしたが、その動画には続きがあり、それは撮影者であるブレアが自分を映し「スクープね!」と嬉しそうに話すというものでした。
アップこそしてないものの、衝撃的なシーンを撮影していたというところで真犯人と言えます。
(アップロードをミッチ任せにしたというところで更に悪女な気もするが)
そして個人的に気になるのが「ヴァル」と「ローラ」のの関係です。
冒頭の動画でローラとヴァルは喧嘩をしているようでした。
その動画ではローラの方が悪女っぽく映っていましたが、ヴァルも相当激昂していたようです。
ただ、具体的に何を言っていたのかは良く分からなかった・・・。
個人的見解ですが、最初のヴァルとの喧嘩動画はミスリードを誘うための演出だったような気がします。
最初にブレアは、ローラの自殺動画をLive Leakというサイトで視聴し、その中で紹介されていた「自殺の原因」という動画リンクをクリック。
すると先ほど説明したYoutubeにアップされている「ヴァルとローラの喧嘩シーン」が流れ、その後に「野外で倒れているローラ」のシーンが始まりました。
しかし直後にミッチからSkype通話がかかってきたため動画は中断されました。
これにより我々は「自殺の原因はヴァルだ」と思い込んでいましたが、恐らくヴァルとの喧嘩と、その後の失禁シーンは本来あまり関係ないもので、ブレアがそれをごまかす為に編集して繋ぎ合わせたのではないでしょうか。
残りの「アダム」「ジェス」「ケン」が具体的にローラに何をしたのかは分かりません。
もしかしたら巻き添えを食らっただけなのかもしれませんね。
ローラの自殺動画を配信していた「Live leak」というサイトは実在する
ショッキングな動画を含めたニュースサイト「Live leak」は実在します。
健全な生き方をしていたら知らないと思いますが、一度でもゴア系に興味を持ってネット検索した方なら知っていると思います。
Live leakは動画サイトなのかニュースサイトなのか微妙なラインですが、グロ・ゴア系の動画の充実度はかなり高いです。
さすがアメリカ。
個人的にはあまり見て欲しくないので当記事にリンクは貼りませんが、Googleで普通にLive leak」と検索したらヒットします。
「したことあるなしゲーム」の異常な盛り上がり
アメリカ人はあの手の「真実暴露系ゲーム」が本当好きですよね。
「したことあるなしゲーム」のルールを簡単に説明します。
・参加者は全員片手をパーにした状態で挙げる
・「ドラッグをやったことがあr」などのお題が出され、もし自分がそれをしたことがあれば5本指のうち一本を折り曲げる(5ポイント持ってて、それが減っていくみたいな)
・一番最初ににポイントが無くなるか、お題が全て出された時点でポイントが少ない人が負け
最初、ジェスがブレアにルール説明をしてた時に、
「5本指を立てて、誰かが言ったことを今までにやったことがあったら、指を折ってくの」
と言います。
これを聞いた時「指を骨折させる」という認識だったので心底ゾッとしましたw
指を手の甲側に折り曲げていくシーンを想像していたので、展開が急にヘビーになったなと思いましたw
でもそうじゃなくて一安心。
さて本作のゲーム中、最初はローラ(アカウント名:ビリー)だけが出題する形式でしたが、ゲームが段々ヒートアップしていき、最終的には仲間うちで出題しあっていましたね。
あの展開は凄く面白かった。
ちょっと前に「トゥルース or デア」というホラー作品を鑑賞しましたが、その映画の題材は「瓶回し」というゲームでした。
空の空き瓶を倒した状態で回転させ、その瓶の口が向いた方のプレイヤーに対し「真実か挑戦か」を問い、プレイヤーが選んだ方のことをさせるというもの。
アメリカ人(というか陽キャ)は本当これ系の罰ゲームが好きですね。
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ブレアは意外とビッチだった?
終始清楚系のキャラクターだった「ブレア」ですが、実はビッチかつ悪女だったようです。
まずブレアは、ミッチと付き合っていたにも関わらず、そのミッチの親友のアダムと二度も浮気をしています。
「すぐ終わった」とか「二度目は確認作業で結局途中で辞めた」とか色々言ってましたが、見た目程清楚じゃないようです。
更にブレアは「チャットレディ―」サイトにも登録していたようです。
ブレアがPCを使って誰かに助けを求める際、どうやら有料のチャットサイトを利用していました。
今思えば、冒頭からミッチを焦らすシーンとかもあり、結構ビッチ度が高い女だったようです。
謎:「一度もセックスしたことが無い」というお題の違和感
「したことあるなしゲーム」にて取り乱したアダムが「一度もセックスした事がない」というお題を出し、自分で「俺はしたことがあるから該当しないな」みたいなことを言います。
最初はその場に居た全員が指を折り曲げませんでしたが、カウントダウンは止まりません。
するとブレアは「ミッチごめんなさい」と謝りながら自分で指を折ります。
するとカウントダウンは止んだので、きっとそれは真実だったのでしょう・・・。
しかし実際にブレアはアダムとヤッてます。
そしてアダムはそれを知っているはずです。
なんか僕の勘違いのような気もしますが、ブレアは清楚系を気取る為にわざと指を折ったのでしょうか。
こんな状況で?
追記:
解決したのでこのまま追記します。
アダムは続けて「彼氏の親友とヤッたことがある」というお題を出し、このお題部分だけでミッチは察して取り乱します。
我々からするとまず「ミッチとアダムが親友だった」という事を知らないので分かり辛かったですが、流れ的にアダムは明らかにミッチ(またはブレア)を攻撃しており、続けざまにこのお題を出すことでさっきの「ブレアがバージン」という嘘も暴かれることになる為、攻撃力が上がります。
さっきのお題はこの二問目への誘導みたいなもんだったんですね。きっと。
「ジェス」はヘアアイロンを口に突っ込んで死んだ
他のブログ様にて「ジェスはシャワーを口に入れて自殺した」と書いてあったので見直しましたが、僕が見る限りではあれはヘアアイロンに見えます。
確かに、シャワーヘッドを喉奥まで突っ込んで熱湯を出してその湯気が出ているようにも見えますが、持ち手の部分の形状がどちらかと言えばヘアアイロンのそれです。
どちらにせよ中々エグい死に方ですね。
評価・まとめ
80点
「死ぬ時に錯乱して自殺する系ホラー」は基本「なんでもあり」になり、「敵との攻防」が描かれない事が多いので実は苦手です。
でも本作は不思議と楽しめました。
恐らくちゃんと「IT系の技術」を駆使したりして、敵との攻防や心理戦がちゃんと描かれていたからだと思います。
オカルト系ホラーが苦手でもちゃんと楽しめる良作でした。マジで。
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