さきほど「トゥルース or デア 密室デスゲーム」をネットフリックスで観たので、その感想をまとめます。
まず真っ先に伝えたいのが「そこそこ面白かったから観て損は無いよ」ということです。
これ系のホラー映画は、「暇つぶしがてら見てみたいけど、いかにもB級だし、観て時間の無駄になるようなら避けたい」という感じで他の鑑賞者の評価・感想を気にする方がほとんどだと思います。
だからまず最初に言いますが、「トゥルース or デア 密室デスゲーム」は結構面白いです。
Amazonでも★4つ以上なので、まず「ハズレ」ではありません。
だから、暇つぶしがてらまず見てみようと思っている方はとりあえず見てみてください。
当記事では本作の感想や評価などをまとめていますので、鑑賞後にまた戻ってきてくれたら嬉しいです。
一部ネタバレがありますが、ちゃんとネタバレ前に告知しますので、ご安心ください。
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作品情報
公開年 | 2011年 |
---|---|
原題 | Truth or Dare |
上映時間 | 96分 |
製作国 | イギリス |
監督 | ロバート・ヒース |
脚本 | マシュー・マクグーチャン |
ジャンル | ホラー、シチュエーションスリラー |
主要キャスト |
デビッド・オークス リーアム・ボイル ジャック・ゴードン フローレンス・ホール ジェニー・ジャックス |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ
大学生仲間の5人は、片田舎の豪華な屋敷で行われる同級生フェリックスのパーティに招待された。しかし、彼らを出迎えたフェリックスの兄ジャスティンに突然銃を向けられ、監禁されてしまう。数ヶ月前のパーティで起きた“事件”のせいで神経を病み自殺したフェリックス。その犯人を捜し出し復讐するため5人をおびき出したジャスティンは、命を賭けたゲームを開始する─。
大学生5人が拉致られ、ある男の狂気に付き合わされるというストーリーです。
理不尽な「死のゲーム」をさせられるのですが、 ゲームにそこまでしっかりとルールがあるわけではありません。
だからSAWみたいなものを期待していると肩透かしを食らいます。
そして本作のメインとなるゲームというのが、タイトルにもなっている「真実か挑戦か(Truth or dare)」というもので、アメリカでは定番のようです。
Truth or dareのルールは至って簡単。
参加者全員でビール瓶を囲み、適当にビール瓶を回して、瓶の口が向いた先にいる人に対して「真実か挑戦か」を選ばせるというもの。
「真実」を選んだらどんな質問にも真実として答え、「挑戦」を選ぶと何かにチャレンジする。
簡単な話、パーティーの終盤、みんなが盛り下がってきた頃くらいにやるくじ引き罰ゲームみたいなもんですね。
作中でも、いかにもパリピでリア充な大学生達がやっていて、「こういうのは本当苦手だなぁ」と思いながら見てました。
改めて言いますが、本作の殺人鬼はSAWのようにゲームに忠実ではありません。
飽くまで「復讐」が目的で、その中のユーモアとしてTruth or dareを取り入れているように思えました。
しかし、このゲームによる緊張感は半端なく、瓶が回ってるところや、当たった人の表情や境遇などを想像した時に、こちらもかなりの絶望感を感じました。
※以下からネタバレです。
サスペンス要素が深い
本作の狂人は、主人公グループ5人に恨みを持つ「ジャスティン」です。
ジャスティンは、主人公グループと同じ学年である「フェリックス」の兄であり、フェリックスが自殺したことで5人を(騙して)集めました。
また、自殺したフェリックスのポケットに「テメェと真実ゲームだ!」と書かれた手紙が入っており、これが直接的な原因だとジャスティンは考えてます。
なぜこの5人なのか?については、フェリックスが死ぬ前に、写真の中からこの5人の顔だけを塗り潰していたことで断定したようです。
「この5人の中でフェリックスにこの手紙を送った奴がいて、そいつがフェリックスを自殺に追い込んだ。そいつを見つけるまでお前らを帰さない。」
こういう理屈ですな。
というわけでまず「誰が手紙を送ったのか?」というところで謎解き要素があります。
しかし本作はそれだけじゃありません。
中盤にひとつ、どんでん返しがあります。
それは、「自殺していたはずのフェリックスが生きていた」ということです。
しかし「首吊り自殺に失敗した」という状況で、フェリックスはほぼ全身麻痺で喋ることすらできない状態でした。
そして更に、本作は意外な結末を迎えます。
そもそもジャスティンは、「フェリックスのポケットにあった手紙から、フェリックスが誰かにいじめられて自殺に追い込まれた」と判断したようですが、そもそもそれが間違いで、フェリックスは本当は別件で自殺を実行したのです。
そしてその別件に携わっていたのが、主人公グループの「エレノア」なので、つまりエレノアは最初から真実を知ったうえで狂人ジャスティンと戦っていたことになります。
その”別件”というのが、いわゆる「リベンジポルノ」で、フェリックスがバイセクシャルであることを見抜いたエレノアは、酔いつぶれて寝てしまった自分の彼氏である「ポール」のアレをフェリックスに咥えさせます。
そしてそれをスマホで動画撮影し、後日、その動画を使ってフェリックスをゆすりました。
そのゆすりが原因でフェリックスは自殺したのです。
しかしそれはさすがにハズイので、フェリックスは家族にバレないように「いじめられてる」的な雰囲気を出したというのが真実ですね。
この辺りの「どうでも良い人間模様」が判明するまでに二転三転するところは中々面白かったですね。
それに、囚われの身であるポールがジャスティンを挑発する時に
「フェリックスは軟弱者だった。パーティーの時、俺のアレをしゃぶられてるのを突っ立って見てたぜ。だから俺は”消えろゲイ野郎”って叫んでやった。」と言います。
実はこれはポールが酔いつぶれていた為に気付かなかったのとエレノアが上手くごまかしただけで、実はフェリックスがそれをやってたという伏線です。
こういう風に伏線がちゃんとあるので、「急に新情報が飛び出してきた」という(鑑賞者に対する)不条理が無いので、結構安心して見れます。
更に更に、「ジャスティンが持ってるリボルバーの残り弾」も緊張感を与えています。
リボルバーは基本的に6発入りなので、ジャスティンが発砲する度に残り弾が減ります。
弾が無くなれば当然反撃のチャンスが生まれますから、その辺りも気にしながら見ると本作はより面白くなると思います。
(丁寧にも中盤のロシアンルーレットシーンで、「残り3発だから二分の一だな」というセリフまであります。)
カメラワークと演出が良い
カメラワークが結構良いです。
瓶が回る時の瓶と背景のキャスト。
そして瓶が向いた方向にいるキャストの表情の映し方、と「ズドーン」というさり気ない効果音、演出。
観ているこっちにまで絶望感が伝わります。
この辺りは純粋に監督の手腕が凄いんでしょうね。
考察①なぜ離れの屋敷までは車で行けなかったのか?
嘘のパーティーに呼ばれた主人公グループがフェリックス宅に着いた時、フェリックスのパパが「パーティー会場は1km近く離れた屋敷にあるよ。そこは道が悪くて車で行けないから歩いて行ってね。」と言います。
嫌面ながらに主人公たちは歩いて離れの屋敷に向かいますが、本作の中盤でジェマが逃げ出し最初の屋敷に向かった後、それをジャスティンは車で追います。
つまり車で通れる道なのです。
これについては2つの意味があって「車で行けないよ」とアドバイスしたと思います。
①これからお前たちを拷問するんだから、逃げられないようにできるだけ車は離れたところに置いといてね
②その車は普通のセダンだから、あの山道だとたぶんぬかるみにハマっちゃうよ
ジャスティンがジェマを追いかけた時に乗った車は、たぶんあれは恐らく4WDでした。
四駆なら山道でも大丈夫なはずです。
トゥルース or デア 密室デスゲームの評価・感想:まとめ
ホラーとしての緊張感。
サスペンスとしての深み。
どちらも味わえる良作です。
そしてうまい具合に無名俳優しか出ていないので、中々リアリティを感じます。
もしこれが日本で作られていたら、ただただ無名の若手俳優に、主役級の男と女はその辺のアイドルグループ。
故に棒読みのわざとらし過ぎる演技で、更にカメラワークも特にこだわらず定点で映すだけのZ級映画に成り下がっていたと思います。
本作はそんな事故は起こしてないので、是非見てみてください。