ネットフリックス独占作品「セットアップ ウソつきは恋のはじまり」を鑑賞しました。
とても面白かったので感想記事を書きます。
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目次
作品情報
公開年 | 2018年 |
---|---|
原題 | Set It Up |
上映時間 | 105分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | クレア・スキャンロン |
脚本 | ケイティ・シルバーマン |
ジャンル | ラブコメ |
主要キャスト |
ゾーイ・ドゥイッチ(ハーパー) グレン・パウエル(チャーリー・ヤング) ルーシー・リュー(クリステン・スティーヴンス)※ハーパーの上司 テイ・ディグス(リチャード(リック))※チャーリーの上司 メレディス・ハグナー ピート・デビッドソン ジョアン・スモールズ |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ
仕事命のボスが恋をすれば、自由な時間ができるはず。あまりの激務に耐えかねた2人のアシスタントは、互いのボスをくっつけるべく様々な作戦を練るが…?
引用:Netflix
典型的な大人向けラブコメって感じです。
アダルトなジェスチャー、セリフ等はありますが、直接的な描写はありません。
【ネタバレ無し】感想
まずハーパーが可愛い。
タレ目でおっとり顔。
25歳という設定です。
そしてチャーリーも可愛い。
しかめた演技とか、「一見真剣な表情」が素晴らしくコメディチックです。
28歳という設定。
この二人が、それぞれの上司をくっつけて自由な時間を作ろうぜ、というお話です。
登場人物の性格がみんな「社会人として大丈夫なのか?」と思うくらい癖が強く可愛いw
そして日本語吹き替えの声優が凄く良い仕事してます。
昨今では、芸能人起用で違和感のある吹替が当てられる映画も多いですが、本作はめっちゃ吹替があってます。
ハーパーの声もマジで完璧。
しゃべり方の可愛い感じとか、ベテランの風格が垣間見えます。
僕は普段ラブコメをあまり見ないんですが、「ラブコメを見ない男性」にも全然おすすめできます。
ただラブコメをあまり見ない人は、鑑賞序盤にて「コメディライクな演技」に若干嫌悪するかもしれませんが、しばらくすると慣れて作品の世界に入り込めると思います。
ラブコメデビュー作としていかがでしょうか。
※次項からネタバレを含みます。
【ネタバレ有り】感想
僕は作中のチャーリーと近い年齢(28)です。
まずここで結構感情移入ができました。
そしてそして、ハーパーがライターという設定であり、僕も書く仕事をしているので、ここにも深く感情移入できました。
だから最初から最後まで、「早くこの二人にくっついて欲しい」と思いながらの鑑賞です。
本作は「チャーリーとハーパーのそれぞれの上司をくっつける」というミッションがある為、基本的にはそちらを本筋として話が進みます。
だから、チャーリーとハーパーの恋愛模様は必要最低限というか、ほぼ全く描かれません。
しかし要所要所に細かく「惹かれあう瞬間」というのがあります。
またこの手の作品は、どちらかと言えば男性側が惹かれていく描写が多めです。
本作もその通りで、チャーリーの方がハーパーに惹かれていく描写が濃いです。
(というかハーパーのチャーリーに対する恋愛描写はほぼ描かれていなかった為、チャーリーをどう思っていたのか不明)
こういう「女性側の感情を少しミステリアスに映す」という見せ方は、むしろ男性向け作品だからのような気もします。
だから最後、「君のことが好きだ」とチャーリーがベタベタな告白をした時、見ていてとても気持ちよかったし、逆に、ハーパーが一瞬嫌そうな顔をした時、凄く不安になりました。
でもちゃんとキスシーンで幕を閉じたので、僕はとても満足ですw
ニューヨークの街並みがいい
登場人物たちはみんな「お高くとまってる」感があり、キャラクターたちは皆「ニューヨーカー」です。
僕はニューヨークを舞台にした映画が大好きなんですが、それは、登場人物が常にコーヒー片手に歩くライフスタイルや、都会の街並みに憧れているからかもしれません。
こういう人はきっと多いでしょう。
最後の二人のキスシーンは凄く美しく開放感がありました。
背景の美しいニューヨークの街並みもそうですが、その開放感の要因のひとつとして、「チャーリーの恰好」があったように思います。
今までスーツばっかりだったチャーリーが、最後はフライトジャケットを着てたのが良かった
さっきのキスシーン直前のシーンです。
ほんっとに細かいところなんですが、作中ほぼずっとチャーリーはスーツ姿でした。
でも最後、仕事を辞めたチャーリーは派遣の仕事をしています。
だからスーツを着ず、Tシャツにフライトジャケットという割かしラフな格好でハーパーに会いにいきます。
そして二人が初めてキスをする時、今までの高潔なチャーリーでは無く、ラフなチャーリーでした。
僕が「どちらかと言えばラフな格好の男性の方が好き」というファッション志向のせいもありますが、二人が今まであくせくアシスタントとして働いていたのを延々と見てきたので、最後のこのシーンは、外というロケーションに加え、二人とも「激務から解放された」という事実と、それに伴うファッションの変化も加わり、非常に開放感がありました。
だから、本作のラストシーンがとても好きです。
エンドクレジット中のおまけも面白かった。
余談:いかにも「ブラック企業」な上司たちで一瞬嫌気が差した
コメディ映画に対してこんな事言ったら元も子も無いのですが、序盤「こんな人達が上司だったらマジで嫌だな」という感情が湧きおこってしまい、上司たちのキャラを理解するのに少し時間がかかりましたw
アシスタントに対し終始理不尽な要求をし、振り回す。
一応この件については、ハーパーの上司であるクリステンが答えを言っています。
”
(私が)クソ女だったのは
あなたが若くて肌がピチピチだからむかつくっていうのもあるけど
あなたに成功してほしいからなの
あなたにはポテンシャルがある
だけど図太い神経でいなきゃだめ
私で慣れておけば、いざこの業界の荒波にもまれることがあっても
乗り越えられるでしょ
”
これは良く聞く話だし、確かに成長しそうな感じがありますが、この話を利用して、部下にひたすら好き勝手やっちゃう上司もいます。
(本作と全く関係ない”本物の仕事の話”になっちゃいました)
ただ良かったのは、ハーパーが自分から退職宣言をしたことです。
ハーパーは、クリステンの横暴な態度を当然嫌ってはいましたが、彼女のライティング能力、仕事ぶりを尊敬していました。
だから彼女の元で学び続けていたのです。
しかしハーパー自身も「ライターになりたくてこの世界に入った」と言っており、実際にライティングの仕事をしたいのに、アシスタント業務ばかりで一切ライティングをさせてもらえなかったので不満を抱いていました。
序盤、新入社員?のような女性が、クリステンに「書いてみました」と原稿を渡し、クリステンが「形容詞の使い方が~」と凄く優しくアドバイスをするシーンがありました。
そしてその後その新入社員がハーパーに対し、「彼女って本当に素敵!彼女の近くで働けるなんて、あなた幸せだわ」と言います。
ハーパーにとってはかなりの屈辱です。
そもそも自分の方が長くこの会社にいるのに、自分がやりたいライティング業務をやらせてもらえない。
しかも、自分には手厳しいのに他のライターには優しい。
それでもハーパーがこの仕事を辞めなかったのは「アシスタント業務で忙しいというのを理由にし、ライターになるという夢から無意識に逃げていたから」だと終盤で判明しました。
そして仕事を辞め、いざライターとなった時、その創作活動の難しさにハーパーは苦悩していました。
確かに「やりたいことをやる」というのは意外と怖く感じるため、何か理由を見つけて先延ばしにしてしまいがちです。
ハーパーのこの変化を見て、自分の中でも熱いものがこみ上げてきました。
評価・まとめ
75点
良質なラブコメ映画でした。
声優、演技、ドラマ性、全てが良質で、最後の待ちに待ったキスシーンは本当にジーンとします。
ネトフリ独占作品の中でも面白い方だと思うので、ラブコメ好きな方、可愛い映画を観たい方は是非見てみてください。