僕は、小説家スティーブンキング原作の映像作品が大好きだ。
だから今回は、「スティーブンキング原作映像作品の魅力」を語っていく。
ただ、原作小説は非常に分厚く読む気が起きなかったので読んでいない。
(これは僕の「絵本(ボノロン)と自己啓発本しか読めない」という性格が起因している)
だから本物のキングファンは、当記事を読みながら「お前全然キングの事分かってねぇな」と思うかもしれない。
それを承知の上で書く。
関連記事:
子供いないけど「ボノロン」という絵本が好き | ぱっかんブログ
「スティーブンキング 魅力」
「スティーブンキング 特徴」
「スティーブンキング 映画」
などのワードで検索される方におすすめです。
目次
スティーブンキング原作の映画化作品
リストアップするとかなりの数になるので、実際に発表された作品リストはwikiを参照してほしい。
ここでは飽くまで「僕が鑑賞したことのある作品」だけを列挙する。
・キャリー(1976)(リメイク版 2013)
・グリーンマイル(1999)
・ドリームキャッチャー(2003)
・アンダー・ザ・ドーム(2012)(連続ドラマ)
・11/22/63(2016)(連続ドラマ)
・ランゴリアーズ(1995)
・1922(2017)
・ショーシャンクの空に(1994)
・1408号室(2007)
・ミスト(2007)
※()内の年は映像作品公開日
こうやってまとめるとかなり少ないなと思った。
実際に映画化されてる作品の三分の一くらいしか観てない。
それでも僕はスティーブンキングの魅力と特徴を語っていく。
まずは魅力から。
スティーブンキングの魅力
魅力①心理描写の描き方が上手い
ホラー映画にはたいてい「ぶっ飛んだ行動を取る人」が現れる。
そしてそういう意味不明な行動を取られると、僕は酷く萎える。
確かに、脚本をスムーズにそして盛り上がるように運ぶためには、多少のこじつけ的展開が必要だ。
でももし「クライマックスに向けての運び」が全て自然で、リアリティー溢れる展開の連続なら、それは最高に面白い作品脚本だと言える。
そしてその「自然で納得行く展開」を見せる為に必要なのは「納得できる心理描写を描くこと」だと僕は思っている。
ホラー映画は心理描写がすごく大事だ。
一見「ぶっ飛んだ行動を取る人」が居たとしても、彼が何故そのような行動を取るに至ったかをしっかり描き、また、彼が元々どういう性格だったのかを事前に描いておくことで、我々は「なるほど」と思える。
もし心理描写の描き方が下手、または心理描写を描かない作品だったら、急に怒ったり、裏切ったりするキャラクターを見て「?」と思ってしまう。
キングは基本的にこういう失敗は犯さない。
一人ひとりのキャラクターを本当に丁寧に描いている。
ホラー映画というのは序盤のチンタラシーンが大抵つまらなかったりするが、序盤の時間を使って、心理描写及び人間模様をしっかり描く作品であればそうはならない。
まだ惨劇が起こる前の「仲の良い登場人物たち」が、惨劇に巻き込まれた後に互いに疑心暗鬼になったり罵りあったりするが、ちゃんと序盤で「実は不協和音が漂っていた」というのを伏線として僅かにでも残しておいてくれたら、僕は大いに納得する。
魅力②人間模様の描き方が上手い
先ほどの「心理描写」と凄く似たことだが、キングは人間模様の描き方が本当に上手い。
例えば「ミスト(2007)」という作品がある。
衝撃的なラストで、多くの鑑賞者にトラウマを植え付けた極悪映画だ。
そしてこのミスト、かなり早い段階で「惨劇」に突入する。
しかしそれまでの短い時間で「このコミュニティ内での人間模様」をしっかりと描き切っている。
何気ない会話や、しょうもない挨拶ひとつで「キャラクターの職業」やら「キャラクターの性格」を表現する。
そしてそれが、惨劇後、各々のキャラがピックアップされる展開になった時に光る。
事前に「キャラクター紹介」という伏線があったおかげで「あー。このキャラが発狂するのも確かに納得だ。」と思える。
ただ、これは監督のフランク・ダラボン等の手腕でもあるため、一概にキングの凄さとは言えない。
しかし、キング原作のほぼ全作品を通して「人間模様にこじつけ感が無い」という丁寧さがあるため、やはりキングは「人間模様」もかなり意識して描いているに違いない。
魅力③オカルトに頼り過ぎない
オカルト的展開に拒絶する人はきっと多いだろう。
僕もその一人だ。
いや、最初から「この作品はファンタジーだ」と思いながら観る分には問題ないのだが、唐突に現れるファンタジー表現には結構ガッカリする。
で、キング作品は割とオカルト描写が多い。
多いのだが、決して頼りすぎてない。
分かりやすく言えば、オカルト現象に対してしっかりと定義当てをしている。
例えば、「11/22/63(2016)」という作品では「タイムスリップ」が登場する。
そしてこのタイムスリップの定義が非常にユニークだ。
簡単に説明してみる。
・押入れの中に入ると、突然1960年の「押入れの場所」にタイムスリップする(そこには建物がまだ建ってないので当然押入れもない)
・「押入れの場所」を再度尋ねると現在に戻ることが出来る
・過去・現在間の行き来は何度でも行うことが可能
・そして1960年の世界でどれだけの期間過ごしても、また「押し入れの場所」から現在に戻ると、現在ではたった2分しか経過していない
・逆に、1960年の世界で1分滞在しても、現代に戻るときっちり2分経過する
・1960年の世界で何かを起こし過去を変えると、現代に戻った時それは反映されている
・しかし、もう一度過去にタイムスリップすると、前回の変更は消え今回の変更が上書きされる(完全にリセットされる)
・つまり、もし過去でミスをしたら、一度未来(現在)に戻ってまた過去に戻ればリセットされる
・過去の世界で10年過ごし現在に戻ってきたとしたら、周りから観ると、その人はたった2分でえらく年を取ったように見える(実際に取っている)
というように、「タイムスリップ」という非現実的な要素にしっかりと定義を設けることで、そこまで現実離れしない脚本となっている。
またキングは「突然狭くなったコミュニティー」を描くためにもオカルト要素を使う。
「アンダー・ザ・ドーム(2012)」という海外ドラマ作品がある。
思いの外ヒットしたようで、無理やり引き延ばされシーズン3で打ち切られた残念な作品だ。
(しかしシーズン1は非常に面白かった)
アンダー・ザ・ドームは、ある田舎町を突如「ドーム状の何か」が隔離するところで物語が始まる。
このドームのせいで街の住人はドームの外へ出ることが出来ず、逆に外から中へと誰も入ることも出来なくなった。
「ミスト(2007)」では、突如発生した霧と霧の中にいるクリーチャーのせいで、スーパーから出られなくなった人たちをメインに描いている。
アンダー・ザ・ドームには「ドーム」、
ミストには「クリーチャー」というオカルト要素が現れるが、それらはただのエッセンスでしか無く、「唐突に密室に閉じ込められた人たちの人間模様」を引き出す為のツールでしか無い。
だから作中では、「何故ドームが現れたのか?」や「霧の正体」について、明確な答えは出されていない。
そこはあまり大事では無いからだ。
では次項から「スティーブンキング作品の特徴」について語る。
スティーブンキングの特徴
特徴①主人公が「逆恨み」によるトラブルに巻き込まれがち
「11/22/63(2016)」では、主人公と、ある女性が恋に落ちる。
そしてその女性は離婚を経験しており、元夫のストーカー被害に今なお合っていることを打ち明ける。
たまたまストーカー夫が近づいてきたので、主人公は「この変態野郎」と強気で罵る。
ビビッてその場から逃げ出すストーカー。
そしてしばらくすると、主人公にとって最悪なタイミングでストーカーが仕返しに来る。
キング作品の上手いところは、この「復習」を忘れた頃に盛り込んでくるところだ。
敵をやっつけた後すぐに復讐されるのであれば、それはあまり面白くない。
忘れた頃に昔の因果が襲ってくることで、「なるほど今頃来たか」と鑑賞者に思わせる事が出来る。
これは凄く気持ちが良い。
別にこの手の展開はキング作品に限らず良く見かけるのだが、なんとなく「この展開があるとキング作品っぽいなぁ」と思えてしまうので書いてみた。
特徴②宗教にハマったおばさんが登場する
「ミスト(2007)」にはカーモディというカリスマ性の高いおばさんが登場する。
「セル(2016)」という作品にも宗教を振りかざし、主人公たちを煽るおばさんが登場する。
※実はセルは映画を観ておらず小説を読んだだけだ。小説には宗教おばさんが登場したが、映画内で登場したかどうかは分からない。
「宗教にハマり込んでヒステリックになったおばさん」というのはキング以外の映画でも結構目にするが、キング氏も多用してるような気がする。
まとめ
1922というネトフリ限定映画を観た後、「これもスティーブンキングの作品か。どうやら僕はキング作品が好きっぽいな。」思い当記事を執筆してみた。
実際に書いてみて「キング作品の共通点」を思いの外見つけられなかったのが悔しい。
今後キング作品を積極的に鑑賞し、何か気付いたことがあったらどんどん追記していこうと思う。
関連記事:
子供いないけど「ボノロン」という絵本が好き | ぱっかんブログ