ネットフリックスオリジナル作品「ザ・リチュアル」を観ました。
正直全く期待していなかっただけに、65点は中々高評価です。
「ザ・リチュアル 評価」
「ザ・リチュアル 感想」
「ザ・リチュアル 考察」
などのワードで検索される方におすすめです。
目次
作品情報
公開年 | 2017年 |
---|---|
原題 | The Ritual |
上映時間 | 94分 |
製作国 | イギリス |
監督 | デヴィッド・ブルックナー |
脚本 | ジョー・バートン |
ジャンル | サイコホラー |
主要キャスト |
レイフ・スポール アーシャー・アリ ロブ・ジェームズ=コリアー サム・トラウトン |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ
普段からつるんでいる5人の男性たち。
バーで飲んだ後にたまたま立ち寄ったコンビニで、一人の男性が殺されてしまう。
それを近場で見ていたのに何もできなかったルーク(主人公)は、罪の意識を感じ続ける。
数か月後、傷心旅行も兼ね4人全員でトレッキングへ。
しかし途中で立ち寄った森で1人、また一人と命を落としていく・・・。
あらすじはこんな感じです。
導入部分から少しひねりが効いてて、主人公の自然な身の隠し方などリアリティがあって引き込まれます。
また、ノルウェーの森の景色も堪能できるので、ここも見どころの一つですね。
評価
65点です。
ネットフリックス系映画はいつも予告動画が面白そうなんですよね。
それで、吹き替えも違和感なさそうだし、試しに見てみるか!と思いましたが、ネトフリ上でのレビューがすこぶる悪かったのでずっと延期してました。
しかしあまりに暇だったので見てみたら、意外と面白い。
「凄く心に残った」というわけではありませんが、最後まで観たくなるような工夫はしっかり施されてます。
というわけで、映画としての及第点はクリアしています。
ちなみに前回は「飢えた侵略者」というこれまたネトフリオリジナル作品を見たのですが、こちらは想像以上の駄作で、退屈の二文字を頭に思い浮かべながら鑑賞を続ける必要がありました。
もしかしたら今回のザ・リチュアルの評価が高くなった理由の一つに、「飢えた侵略者」を見た後だから、というのもあるかもしれません。
反対に、飢えた侵略者の評価が低かった理由の一つに、直前に「アナイアレイション」を観ていたからというのもあるかもしれません。
ザ・リチュアルは心理描写が上手かった
登場人物たちの役割、性格がきちんと伝わりました。
「なんでこの人はこんな行動を取ってるんだろう?という置いてけぼり感が一切なく、しっかり感情移入できるので、まずその時点でC級ではありません。
特に、主人公の「ルーク」に刺さっている「罪の意識」の描写も上手く組み込まれており、良い感じで視覚的に刺激してくれます。
※事項から本格的なネタバレに入ります
感想
登場人物にオーラがありました。
当たり前のことですが、これが出来てなかった「飢えた侵略者」という作品を見たばかりなので、なんか嬉しい。
登場人物は主に4人ですが、彼らのキャラ設定も非常に良く、中盤での不協和音も違和感なく演出してくれましたね。
また、中盤で喧嘩別れしたのに最後には協力しあうという展開が僕は大好きです。
実はルークが仲間を見捨てたことは他の仲間も知っていて、そのことを根に持っていました。
森での遭難で全員精神的にボロボロになり、ついにそのことで口論、殴り合い(一方的にだが)に発展。
「お前は友達でもなんでもない」
というセリフを吐くも、最期の最後、その2人のみが生き残った時、
「お前は生きろ。走り続けるんだ」と悟った目で仲間を想います。
もうね。いくらB級の中身が無い映画でも、丁寧にこの展開まで運んでくれたら嫌でもジーンと来てしまいます。
そんなわけで、脚本自体が薄いためにメッセージ性や解決に繋がるものが何もないですが、丁寧な演出、構成のおかげでちゃんと最後まで作れる悪くない映画となっております。
考察
こんな映画でも考察してみると楽しいかもしれません。やってみます。
考察①:カルト教団は何がしたかったのか?
彼らは「巨人族ヨトゥン」を崇拝しています。
ヨトゥンは一匹しかいないと思われますが、ヨトゥンのおかげで永遠の命を授けられているとの説明がありましたね。
しかしこの辺りの描写は全然分かりませんね。
村人は確かに全員弱弱しいやせ細った感じなので、「永遠の命」が事実にも感じられますが、ただの宗教的な洗脳なのかもしれません。
ともかく、カルト教団たちはヨトゥンに生贄を捧げる必要がありましたので、それで主人公たちを拉致したのだと思います。
考察②:巨人族ヨトゥンとは
「オーディン」とか「ロキ」とかが登場する北欧神話にヨトゥンというキャラ(キャラて)が登場するようですが、この辺りのことは良く分かりません。
作中でのヨトゥンは、とにかく醜いクリーチャーで、人や鹿などの動物を殺しては木の枝に突き刺す獣(けだもの)のようです。
彼に高い知性が備わっているとは思えませんが、その姿かたちは鹿と人間を足したようなもので、確かにおぞましいものでした。
彼の行動の意味を理解することはできません。
恐らくですが、考察記事を書くうえでは、カルト教団が崇拝するように「神」として扱ってはいけない気がします。
ただのエイリアンとして僕は見ています。
考察③:死んだ者全員が生贄になったのか?
違います。
生贄になったのは足を怪我した小太り眼鏡の「ドム」だけです。
生贄とは、カルト教団が儀式として開くことで初めて成立します。
しかし、ハッチとウィル(名前うろ憶え)は、ダイレクトにヨトゥンに遭遇し殺されました。
考察④:幻覚は誰が見せていたのか?
ドムが生贄にささげられている時、彼の妻であるゲイルが現れました。
しかしそれはドムの幻覚で、ゲイルの姿はすぐにヨトゥンに変わりました。
ということは、「ヨトゥンに幻覚を魅せる能力が備わっている」と考えられます。
では、ルークが見た幻覚のひとつで、コンビニ強盗の犯人が「ここから出ていけ」と言ったのはなんなのでしょうか。
あのセリフはもちろんコンビニ強盗が言ったわけではなく、ルークのトラウマの中に存在するキャラクターを使って、森に潜むものがルークに伝えたという意味です。
今回の考察記事では、「ヨトゥンが幻覚を魅せる」と定義付けました。
となると、なぜヨトゥンは「出ていけ」と言ったのでしょうか。
奴は人殺しが好きなので、その場で留まっていてほしいはずです。
一応僕なりにその理由を考えてみました。
・自分にとって神聖な森なので、部外者には立ち入ってほしくない
・自分の力の方が強いが、人数が多いと負けてしまう可能性があるのでとりあえず一度引いてほしい
・お前たちは私を崇拝するに値しない
ちょっとこじつけですが、こういう風に考えるしか無いかなと思ってます。
考察⑤:ルークの胸の傷はなんぞや
ヨトゥンは、心にトラウマ、罪の意識を感じるものに対してあの傷を付けているのでしょう。
そして、その胸の傷があるものだけがヨトゥンを崇拝できるようです。
考察⑥:なぜウィルは不気味な人形を崇拝させられたのか?
ヨトゥンに知性は無いと書きましたが、少なからずはあるようです。
とりあえずヨトゥンは、「崇められたい」という気持ちがあるようで、それは、終盤で立ち上がるルークを抑え付ける様子からもうかがえます。
ウィルは他のキャラに比べてメンタル面が少し弱かったので、もしかしたらそこに付け込んで無理やり崇拝させようとしてたのかもしれませんね。
【65点】(Netflixオリジナル)ザ・リチュアルの評価と感想:まとめ
何度も言いますが、ハードル激下げで見たので割と面白いと感じました。
ホラー的な感じでビビりながら見るのも良いですが、登場人物たちの心理描写、キャラ設定が凄くしっかりしているので、スティーブンキング原作の映画を観るような気持ちで見ても良いかもしれません。
ただ、繰り返し見たくなるような魅力はありませんでしたね。





