POVホラーの元祖「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を今になってやっと鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。c
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予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 1999年 |
---|---|
原題 | The Blair Witch Project |
上映時間 | 81分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス |
脚本 | ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス |
ジャンル | ホラー,POV |
主要キャスト |
ヘザー・ドナヒュー(ヘザー) マイケル・C・ウィリアムズ(マイケル) ジョシュア・レナード(ジョシュ) |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Amazonプライムビデオ…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
モンゴメリー・カレッジの生徒、ヘザー、ジョシュ、マイク。3人は大学の課題のため、バーキッツヴィルに残る伝説“ブレア・ウィッチ(ブレアの魔女)”についてのドキュメンタリー・フィルムの撮影を始める。共同墓地で最初のシーンを撮り終えた3人は、地元の人々にインタビューを開始。彼らは、程度の差こそあれブレア・ウィッチについて聞いたことがあった。翌日、インタビューを終えた3人はブラック・ヒルズの森に入っていく。
魅力
①今でこそPOV映画は大量にあるが、本作はその先駆けであり、そのおかげかコテコテした演出が少なくリアリティが凄い
②3人の感情のぶつかり合いが生々しい
③恐怖度・不気味度が中々高い
気になる点
・ラストが少し不満
【ネタバレ無し】感想

POV(Point of view)作品。
僕は週一くらいのペースでホラーを見ているのですが、久しぶりにドキドキしました。
2000年以降「POV」という登場人物が所持するカメラ視点で物語が進むタイプのホラーは多くなりましたが、すべての始まりはこの作品。
「元祖」というだけあって、あらゆる演出は削られている印象。
やはり模倣作品はどうしても肉付けが激しくなるため、本家よりもコテコテの演出が濃くなりがち。
そんなわけで、本作はビジュアル的なホラー演出(ゴーストやモンスターの出現)は控えめ。
しかし、今まで観てきたPOVの中では抜群の恐怖度。
それくらいおぞましい作品でした。
また、極限状態での人間摩擦も素晴らしい。
最初は観ていてイライラしましたが、当人たちの心境を考えるとあれだけ荒ぶるのは納得できます。
そういうキャラクターたちの個性もみどころですね。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
良い点:とにかく演出がリアルで怖い

ネタバレ無し情報では「ホラー演出は控えめ」と書きましたが、ゴースト的な存在は一切登場しません。
だからヘザーたちは、「自分たちを取り囲む謎の存在」に最後まで怯え続けます。
だから、もしかしたら敵の正体は「人間」だと推測することも出来、それ故に言いようのない恐怖も生まれています。
POVあるあるみたいなことですが、「昨日まではこんな石なかったのに、なんで目覚めたらここにあるのよ!」的な不気味さ。
それ系の演出でガシガシ怖がらせてきます。
そんなシンプルな演出なのに(だからこそ?)、他のビックリメイクが多用されるPOV作品よりも圧倒的に怖い。
良い点:人間摩擦が面白い

ホラー映画の大前提として、「登場人物に“生き残って欲しい”と鑑賞者に思わせる」というテーマがあります。
これが無いと、登場人物が死のうが苦しもうが全く感情移入ができず、作品に入り込むことができません。
そして本作の登場人物は全員口が悪く、終始罵り合いをします。
しかし全員に対して「生き残って欲しい」と思えるような作りなんです。
特に「ジョシュ」が消えた後、ヘザーとマイケル達がジョシュの悲鳴を聞き探しに行く時、「たぶん罠だろう」と思いましたが、ジョシュの元へ行って欲しいという願いの方が勝りました。
やっぱり感情移入度を高める工夫は大事。
ちょっと悪い点:ラストが少し不満

本作のエンドロール突入時、ほとんどの鑑賞者が「え・・・」と思ったと思います。
本作公開当時に鑑賞したのであれば「なるほどな」という感想かもしれませんが、先に後発POV作品を見て目が肥えてしまった人なら、たぶん面食らうはず。
でもこの手の「疑問」が残る終わり方だからこそ不完全さが恐怖に繋がっているとも思えます。
正直なところ、ヘザー達はずっと「ブレアウィッチ」について調査を続け、それでいて最後の最期まで一切「モンスターの姿」が登場しなかったので、「エンドロール直前にビックリフラッシュみたいな感じで魔女が驚かしに来る」と身構えていました。
しかし本当にクリーチャーが登場しなかったので、それに対する残念さが僅かにありました。
「解決しなかった」という不完全系ラストは中々リアルで怖いですが、出来ればある程度の回収は欲しかった。
考察
まさかの「ジョシュ」は敵だった説

ラストが気になったので「ブレアウィッチプロジェクト 考察」でググりました。
すると以下のサイトがヒット。
THE BLAIR WITCH PROJECT(Page.II) 謎と検証
最終更新日が2005年という鬼古いサイトで、デザインは正に当時のソレ。
どうでもいいけどこの古さがめちゃくちゃ怖い。
そしてこのサイトでは「ジョシュとバーキッツヴィルの住人犯人説」を解説しています。
読んでみた感じ、割と筋が通っていて怖い・・・。
超簡単に解説します。
バーキッツヴィルの住人たちは“ブレアウィッチ”について掘り下げてほしくないので、ジョシュという監視役を忍ばせてヘザーたちを妨害したという説。
ジョシュは他の2人に比べ悪魔崇拝的な興味が強い為、バーキッツヴァルの住人たちの思想に共感してる可能性がある。
メタ的な話をすれば、「ジョシュのカーステの中にあった音楽テープ」という設定で本作に関連したCDが実際に販売されている。(Amazonリンク)
Youtubeにも上がっている。
そしてこのCDの収録曲はどれもダークな雰囲気が強いため、この部分でもジョシュの奇妙さ、不思議さが見て取れる。
実際にキャンプ中も、「監視役」っぽい行動を取ってるように見える描写がある。
本作はどこの記事を読んでも「POVの先駆けであり怖がらせることが目的なので、本格的な設定は用意されてない」で片づけられてることが多いのですが、このサイトだけはしっかり考察しています。
信じるか信じないかはどっちでも良いにしても、読み物として非常に面白いので是非みてみてください。
THE BLAIR WITCH PROJECT(Page.II) 謎と検証
ちなみにジョシュの登場時にカーステで流れてた曲は「Rigors(Digginlilies)」
ジョシュの登場時に爆音でかかってた音楽は「Rigors(Digginlilies)」という曲名です。
個人的にめっちゃツボった曲。
作中ではちょうど「3-4-3-4進行」という僕が好きなコード進行の部分が使われてた部分で、そこにヤラれた人も多いと思います。
でもサントラや「JOSH’S BLAIR WITCH MIX」にも収録されておらず、曲のタイトルを探し当てるのにめちゃくちゃ苦労しました。
更に言えば、作中に挿入されたとこのメロディーは、なんとその一回しか使われてません。
サビやAメロのように繰り返されてないのです。
めっちゃおいしい部分なのに勿体ない。(でもそのおいしい部分だけを映画に使うとは、中々分かってる)
【コード進行】3-4-5-6進行(3456パターンの魔力)なぜ泣ける? | ぱっかんブログ
評価・まとめ
80点
怖かった。
面白かった。
中々おすすめの作品です。
記事中に登場したリンク:
【コード進行】3-4-5-6進行(3456パターンの魔力)なぜ泣ける? | ぱっかんブログ





netflixにあった(ゲーム版に合わせてだろう)ので久しぶりに。吹替がひどすぎて何とも言えない。
コメンタリによると、この映画にシナリオは無く、何が起こるかを教えずにキャンプさせて、
告知なしに石を置いたり変なことをしてアドリブへの反応を撮っているだけなので設定以前の話です。
実際これ役者だけで真っ暗な森に野宿してるわけで、寒さにも本気で怒ってたりしてるわけですね。
ギスギスしてるのは必ずしも演技でもなく、本気の喧嘩だったりしたそうです。
br様
こめんとありがとうございます!
netflixに追加されたんですね!
中々見れるメディアが無かったので嬉しい。
吹き替えが酷いのは残念ですが。。。
シナリオが無いというのは驚きです。
それでこの雰囲気なんですね・・・。
ネトフリの字幕でもう一回観てみます!
教えて頂きありがとうございます!