プライバシーゼロ。
全ての情報が共有される時代になったら・・・。
エマ・ワトソン主演のサスペンススリラー「ザ・サークル」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という
文章の直前までを目安にご覧ください。
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予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2017年 |
---|---|
原題 | The Circle |
上映時間 | 110分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジェームズ・ポンソルト |
脚本 | ジェームズ・ポンソルト、デイヴ・エガーズ |
ジャンル | サスペンス,ヒューマンドラマ,スリラー |
主要キャスト |
エマ・ワトソン(メイ・ホランド) トム・ハンクス(イーモン・ベイリー) ジョン・ボイエガ(タイ・ラフィート) カレン・ギラン(アニー・アラートン) エラー・コルトレーン(マーサー) |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
ユーザーのあらゆるデータを蓄積し、世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。
魅力
①明らかに狂ったコミュニティーの中で、何人かだけ違和感を覚える展開がディストピアものっぽくて良い
②「監視社会」の良さ・悪さを徹底的に考えさせられた
③異様なコミュニティの描き方が秀逸
④エモーショナルだけど美しいサントラが個人的にツボった。
⑤シチュエーションと音楽がキレイにシンクロしてる。
気になる点
・あまりにも弱すぎるオチ
【ネタバレ無し】感想

SNSを題材とした映画は在り来たりなので、都市伝説系ホラーや殺人鬼を登場させない限り、娯楽作品として盛り上がりに欠けます。
しかし本作はユニークで面白い展開の連続で、最後までガッツリ心を掴まされました。
面接のシーンなど、現実社会で活躍できそうな面白いセリフ回しが多く、そういう細かい配慮がまた良かった。
それと「主人公だけが違和感を感じる」という設定が良い。
定番ですが、「全員、何も疑わずキラキラした目で生活してるけど、主人公と、他何人かだけ違和感を覚えている」という展開。
そしてその違和感を、「何かおかしくない?」みたいな安っぽいセリフではなく、表情だけで表す。
主人公の「メイ」演じる「エマ・ワトソン」の演技力がしっかりしていた為、がっつり感情移入できました。
そして序盤~中盤にかけての全体的なストーリーの惹きつけ方も上手い。
ヒリヒリした展開が多く、飽きずにどんどん次のイベントへと進んでいきます。
世間一般では低評価のようですが、個人的には星4つ。
本作は「SNS」の問題提起をしてるわけじゃないような気がする
本作に登場する「ザ・サークル」は、「Google」か「Facebook」をモチーフにしています。
「世界イチの企業」というセリフがあったのでGoogleっぽいですが、「シェア」を重視する点ではFacebookっぽい。
(サークルのBOSS「イーモン(トムハンクス)」の演説の立ち振る舞いはスティーブ・ジョブズを想起させたため、「Apple」っぽさもあった)
そんな本作は、「監視社会」に対する訴えかけ、メッセージが強く描かれていたと思います。
「秘密を失くすのは良いこと」と謳うイーモンとメイのやり取りには強く心を打たれたし、なんとなく納得するものがありました。
でもそれ以外の「超技術設定」や「群衆のトンデモ発想」が行き過ぎてて、全然リアリティがありませんでした。
最初は「SNSのシェアは楽しいけど、行き過ぎると大変なことになるよ」というメッセージが含まれてるのかと思ってましたが、どちらかと言うと、「もし、大手SNS企業が宗教っぽくなって監視社会を提唱し始めたら、こういう感じの世界になるよ」という「異世界系」の話だったと思います。
※ここからネタバレを含みます。
主要登場人物(キャスト)
※()内が役者名
メイ・ホランド(エマ・ワトソン)
友人の「アニー」がサークルに採用され、その紹介でサークルの面接へ。
見事採用され、とんとん拍子で上に上り詰める
アニー・アラートン(カレン・ギラン)
メイの古くからの友人。
サークルではお偉いさんの側近。
相当出世してる模様。
イーモン・ベイリー(トム・ハンクス)
(恐らく)サークルのCEO。
小型高性能カメラを世界中に設置し、人々のプライバシーを完全に失くそうとしている。
【ネタバレ有り】感想
良い点:異様なコミュニティの描き方が秀逸

積極的に布教活動を行う二人組
上記の画像は、ある二人組が、シェア活動を積極的に行わないメイに対し「もっと情報共有しよう!」と訴えかけているシーンです。
アジア人(左側の女性)が活躍してるところも大手IT企業っぽさが出てますね。
そして二人とも凄く生き生きとした表情で、隙あらばメイの選択肢を絞り、自分たちの都合の良い方に誘導していきます。
凄くマルチ商法っぽい。
この気持ち悪さはすごく良かった。
悪い点:浅すぎるキャラクター描写
何かのイベントが起きて、それでキャラクターの哲学が180度変わる展開が好きですが、本作はそれが急過ぎた。
例えば、メイの親友の「アニー」。
アニーは最初はキラキラした女性だったのに、急にゾンビみたいな顔色になります。
しかもそれも、「メイが注目を浴びだしてから」だったので、唐突に嫉妬に狂いだしたように見えました。
いや、実際にそうだったのかもしれません。
しかし中盤以降「サークルが提唱する監視社会に違和感を感じだす」という立ち位置だった為、「メイへの個人的な嫉妬」のみで反感してただけでは説得力に欠けます。
一応全体会議のシーンでメイに反論してましたが、あの流れだとやっぱり「嫉妬」により否定的発言をしてるように見えました。
また、明らかに本作のキーパーソンであろう「タイ(ジョン・ボイエガ)」もあまりしっかり描かれず、何をしたのか良く分からなかった。
極めつけは「両親の性行為の配信事故」。
あれは中々ダークで、生々しくて、サスペンスが加速するはずの衝撃的な展開でした。
しかしそこから盛り上がるわけではなく、割とコメディライクなまとめ方で終わりました。
「監視社会になるとこういう事故が起きるよ」という簡易的な警告だったのでしょうか。
(なんにせよ、メイのベッドシーンが無かったのが残念)
ただし主人公の「メイ」が、
サークルのパリピ度の高さに違和感を感じる → 登壇して他社員の前で演説するようになる
の流れは絶妙でした。
メイを説得するイーモンのセリフにはグッと来たので、それでメイが心変わりするのも理解できました。
弱すぎるオチ
「これで終わり?」と感じるオチ。
散々「監視社会」で痛い目を見てきたのに、最後のオチが「幹部の機密情報を公開」。
凄くありきたり。
幹部の二人も、ただバツが悪そうな表情をするだけ。
イーモンは世界を支配するようなことを提唱していたので、ラストでは膝から崩れ落ちるくらいのダメージを被って良かったはず。
あまり悪い感じでは描かれませんでしたが、それくらいの悪党です。
なのにサクっと終わりました。
本作は、「両親の性行為」と言い「ラスト」と言い、重要なシーンをライトに描き過ぎています。
そこをもう少しシリアスにしたら、一般評価はより高かったと思います。
【感想】「ザ・サークル」の魅力5個。両親の性行為がネットに・・・:評価・まとめ
80点
ハーマイオニーがIT企業に入社したら・・・というエロさがあります。
魔法少女がOLに扮してるだけで見もの。





