目が覚めたら、自分の人生がまるっきり別のモノに・・・?
Netflixオリジナル作品「嵐の中で」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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※関連記事は最後にまとめて紹介します予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2018年 |
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原題 | 英語圏:Mirage(訳:蜃気楼)、 スペイン:Durante la tormenta(訳:嵐の中で) |
上映時間 | 129分 |
製作国 | スペイン |
監督 | オリオル・パウロ |
脚本 | オリオル・パウロ、ララ・センディム |
ジャンル | サスペンス,ロマンス,ファンタジー,SF,ヒューマンドラマ |
主要キャスト |
チノ・ダリン ハビエル・グティエレス アルヴァロ・モルテ ノラ・ナバス ミケル・フェルナンデス クララ・セグラ ミマ・リエラ |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
時空のズレにより25年前の少年を救った後、別の人生で目を覚ましたベラは、大切な娘がこの世に存在していないことを知り、自分の人生を取り戻す手がかりを探す。
引用:Netflix
魅力
①序盤のさり気ない伏線が徐々に回収されていくのが気持ち良い
②かなりグッと来る、後味の良いラスト
気になる点
・サスペンス要素が濃く、しっかり集中して鑑賞しないと訳が分からなくなる
・メイントラブルが割と主人公と関係が薄いように思える
・筆者のように「共感性羞恥」持ちだと、「主人公一人だけがSF的な事象に遭遇する為、周りから異常者に観られ続ける」という展開がきつい
【ネタバレ無し】感想
・最序盤、主人公の「ベラ」は、29年前の今日撮影された、「ニコ」という少年のホームビデオを鑑賞する
・そして「ニコ」は既に死んでいることも知る
・嵐の夜、たまたま目が覚めてリビングへ向かったベラは、例のビデオカメラに「ニコ」が映っている事に気付く
・そしてニコもまた、ビデオカメラの向こう側に「ベラ」がいることに気付く
・速攻で「過去と繋がった」と察したベラは、ニコを救うべく「外に出たら車に轢かれるよ」と強く説得。おかげでニコは死なずに済む
・あくる日、目が覚めたベラは、自分の人生が大きく変わっている事に、周りの反応を見て気付く
退屈せず最後まで引き込まれましたが、どうも「メインイベントが主人公と関係の薄い事件」というところで感情移入度が下がりました。
例えば、最近鑑賞した「オーロラの彼方へ(2000)」という作品もタイムパラドックス系で、こちらの作品は「メイントラブルをクリアすることで、当事者の人生が大きく好転する(可能性がある)」という点で、とてもヒリヒリしながら鑑賞出来ました。
対して「嵐の中で」は、そもそも主人公が「巻き込まれちゃった」感じで始まり、目指す先が「元の人生」なので、その辺りで割と地味だった印象です。
しかしその分、ロマンス色強めの着地点は中々グッと来ました。
余談ですが、ネトフリのマイページで「嵐の中で」が紹介されており、その中で“「ドクターフー」と「バタフライ・エフェクト」がひとつに”という宣伝文句が書かれてました。
筆者はどちらも未見ですが、「とりあえず本作と似てる有名作品タイトルをキャッチコピーに入れ飛んどけ」感がなんとなく気持ち悪かった。
どうでもいいですが、ネトフリ独占ドラマ「ペーパーハウス」で教授を演じた「アルヴァロ・モルテ」も出演しています。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
主人公の「ベラ」は、とにかく「ニコ」という少年を助けてしまったばかりに、自分が望んでない人生を歩むことになります。
以前の人生では、結婚して可愛い娘(グロリア)もいるはずですが、「ニコ」を助けた後の人生は、独身で、医者として出世しています。
しかしベラは「もう一度グロリアとの人生を歩みたい」という一心で、以前の人生に戻る為奮闘します。
(今思い返せば、ベラが前の人生に戻りたがる動機は「前の人生が良かった」「娘に会いたい」「今の人生が嫌」なのか分かりません。ただやはり母親として「娘」の存在は大きかっただろうし、何より「目が覚めて急に知らない人生」になってたら確かに戻りたくなりますね)
しかしベラが助けを求めても、そもそも誰にも話を信じてもらえません。
肝心の「こっちの世界線での記憶」が全く無いため、周りの人たちは「ベラは急に頭がおかしくなった」と思います。
気の毒です。
そんな中ベラは、「また嵐の中、例のテレビとビデオを使って過去を変えれば(戻せば?)、以前の生活に戻れるかもしれない」と知ります。
もちろんベラはその可能性に賭けるのですが、クライマックスでは、今まで追い求めていた「現在のニコ」と遭遇します。
ベラがたまたま29年前と繋がり、命を救ってあげた「ニコ」。
その「ニコ」の正体は、ベラがこちらの世界で戸惑っている中、ずっと付き添って助けてくれた若い警部補でした。
むしろ「ニコ」は、「自分を救ってくれた未来のお姉さん(ベラ)」を運命の人と捉えており、こちらの世界でベラとニコは実際に交際関係にあったようです。
しかしいよいよ「ニコを救った日」が来た瞬間、ベラの記憶が書き換えられてしまったので、ニコは自分の正体をあえて隠し、ベラの手助けをしてあげていたのです。
最後にニコは自分の正体を明かし、そしてベラも徐々に「こちらの世界での記憶」を取り戻していました。
しかしベラの決断は「やっぱり以前(娘のグロリアが居た頃)の人生が良い」との事で、反対するニコを押し切って自殺します。(自殺が何故以前の人生に戻るトリガーとなったのか、詳しくは不明)
ニコは、仕方なくビデオカメラとテレビをセッティングし、ベラが以前の人生に戻れるように手配します。
そして目が覚めたベラは、見事以前の人生に戻ったのでした。
そしてこちらの世界でも「ニコ」と会って、意味深な笑みを浮かべてエンドロール。
ロマンス色強めのラストは中々グッと来ました。
たぶん本作を見ながら「君の名は。(2016)」を思い出した人も多かったと思います。
しかしやっぱりなんかちょっと「ベラが可哀そう過ぎる」のと、「一個一個の伏線やサスペンスが解決したところで割とどうでも良い」というところで地味な印象でした。
評価・まとめ
75点
終わり方が良い映画です。
鑑賞後の満足感もあります。
オススメです。
記事中に登場したリンク:
なぜ自殺がトリガーになったかというと、自分が死ねばベラを愛するニコがベラの命を救う為に渋っていた2回目の過去改編を実行せざるえないからだと思います。
彼に選択の余地をなくしたんだと思います。
良い映画でした、大好きです!
初めまして!私も嵐の中でを観て、とても引き込まれて面白かったと思ったのですが、どうしても意味が分からなかったシーンが気になり、ネットで検索してるうちにこちらのサイトにお邪魔しました。
もし宜しければ分からなかったシーンの意味を教えて頂けたら有難いです。
ベラが最初に警察署で取り調べ?を受けた後に、ニコが一人で壁を見てるシーンです。
壁にズームされていくと、ダビトの写真が貼ってあり、字幕には『ウトレラでの少女死亡事件 いまだ解決せず』と書いてあります。
これが序盤で出てきたため、映画観てる間ずっと、なんらかの少女死亡事件に記憶が変わってしまった事と関連してるのだろうと気にしながら観てたのですが、最後まで少女の死亡事件など出てこなかったので見終わった後、最初に思ったのは、少女死亡事件は?!でした💦
私がなにか見落としてるシーンがあるかもしれないですが…
ダビトの写真と共に少女死亡事件と書いてあったので、てっきり2人の娘のグロリアはダビトが殺害した少女なのかも…とか色々妄想が膨らんでたのでその後なにも関係なく?残念でした。
もしかして、変化後の世界で、手術中に亡くなったという少女の事なのか?!とも思ったのですが、それなら「事件」とは書かないのではと思い…
良ければ教えてください!
さな様
コメントありがとうございます!
確かにそんな描写もあった気がしますが、今の僕にも良く分かりません・・・
コメントを承認したので、これを読んでくれた別の方のコメントを待ちましょう!
きっと教えてくれるはず!