Netflixオリジナル作品「パパと娘のハネムーン」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※次項からネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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「パパと娘のハネムーン 感想」
「パパと娘のハネムーン 曲」
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目次
予告編(トレイラー)
※日本語無し
作品情報
公開年 | 2018年 |
---|---|
原題 | Like Father |
上映時間 | 98分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ローレン・ミラー・ローゲン |
脚本 | ローレン・ミラー・ローゲン、アンダーズ・バード |
ジャンル | ドラマ、感情を揺さぶる、心温まる |
主要キャスト |
クリステン・ベル ケルシー・グラマー セス・ローゲン ポール・ダウンズ ザック・アップルマン ブレア・ブルックス アンソニー・ラチューラ ブレット・ゲルマン |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・見どころ
結婚が破談になってしまったワーカホリックな広告代理店重役の女性が、予定していた新婚旅行カリブ海クルーズにひょんなことから疎遠だった父親と参加することに!
引用:Netflix
レイチェル(クリステン・ベル)と、その父親ハリー(ケルシー・グラマー)の関係修復、トラブルを描いたドラマ作品です。
26年間娘の前に現れなかったハリー。
その事について罪悪感を抱いているハリーと、仕事一筋で突き進んできたレイチェルが、父親との再会を通してどうなっていくのか、という点が見所です。
【ネタバレ無し】感想
本作はハネムーンが題材ということもあり、リゾート地や豪華客船の美しい光景が続きます。
主人公のレイチェルは広告代理店で働き詰めなので、レイチェルと同じように普段激務に追われている人は、ビジュアルだけでもかなりの癒しを得られるはず。
また、レイチェルとハリーの関係性の描き方は当然ながら丁寧で、しっかり感情移入できるものでした。
他の方のレビューにて、「ハリーがレイチェルに会いにきた理由がイマイチ良く分からなかった」とありましたが、個人的には納得できました。
サスペンスのように重厚な伏線や、濃厚な脚本美がある作品では無いですが、比較的ライトで、頭が疲れた状態でもゆったり見れる良作ドラマだったと思います。
※次項からネタバレを含みます。
【ネタバレ有り】感想
良い点:「レイチェル」と「ハリー」の微妙な距離感
何十年と合わなかった二人。
家族を捨てた父親は罪を償いたがっており、そして娘はそんな父親を心底恨んでいます。
二人の亀裂の原因は当然ハリーにありますが、「二人が打ち解けられるかどうか」は、「レイチェル」にかかっています。
レイチェルは父親を恨んではいますが、序盤からちょくちょく甘えたような素振りを見せるなど、やはりどこかで父親を必要としているようでした。
船の上で、同じテーブルにいる他の「夫婦」に紹介する際、
ハリー「25年ぶりに会ったんだ」
レイチェル「26年よ」
という会話をします。
父親に対して興味が無い素振りなのに、空白期間がどれくらいかをしっかり把握している辺り、やはりレイチェルは寂しかったんだと思います。
ハリーは、「娘と会わなかった時間を少しでも短く伝えたい」という意識から、四捨五入して25年と伝えたのかもしれません。
しかし父を恨んでいるため、その1年の省略も許さないレイチェル・・・。
二人の関係が複雑なので、いろんな捉え方が出来ます。
レイチェルの感情的でヒステリックな演技、そしてそれを包み込むかのようなハリーの渋い演技。
どちらも素晴らしかった。
良い点:脇役も魅力的
ビュッフェの際に打ち解けた他のカップルたち。
レイチェルとハリーは、クルーズ中のあらゆるアクティビティを彼らと一緒に楽しみます。
やっぱりこういうヒューマンドラマ作品の脇役は、「ユニークで寛大」であるべきです。
主人公二人を邪魔することなく、常に空気を読み、つかず離れずの距離感を保ちつつもアドバイスする。
特にゲイカップルのキャラ設定が好きでした。
良い点:美しい景色の連続
「豪華客船での1週間クルーズ」という夢のような体験。
今思えば、作中の大半が船の上(もしくは部屋の中)なので、確かに窮屈だったかもしれません。
しかしそのおかげで、それとは対照的な海やジャングルなどの雄大なシーンの開放感が、より一層増したように感じました。
普段働き過ぎて疲れている人は、本作を通じて疑似旅行に出かけるのも良いでしょう。
良い点:音楽が良い
楽園で流れてそうな曲が多めです。
やっぱりこういう夏の楽園的な映像には「マリンバ」の音が合いますね。
本作は、BGMとして流れる曲も終始明るめで心地よかったですが、レイチェルとハリーがカラオケ大会で歌った「come sail away(カム・セイル・アウェイ)」という曲もすごく良かった。
「パパと娘のハネムーン」バージョンの「come sail away」の動画がまだ上がっておらず、代わりにgleeバージョンがあったので、そちらを掲載してます。
カラオケ大会でこの曲を歌った瞬間が、「二人がピークに打ち解けた」ように見えたし、その辺りの感情と演出がリンクしてて中々グッと来ました。
個人的にですが、Gleeバージョン、「スティクス」というアーティストが歌う原曲バージョン、どれよりも本作バージョンが好きでした。
動画が無いのが惜しい・・・。
余談:「Like father(原題)」のタイトルについて
邦題では「パパと娘のハネムーン」という超分かりやすいタイトルになってます。
しかし原題は「Like father」であり、このタイトルには少し深い意味がありました。
ちなみに「Like father」は「父が好き」という意味ではありません。
「父が好き」を英訳すると「I like a father.」となります。
本作のタイトル「Like father」を直訳すると「父親のような」という意味となります。
そして英語圏の諺(ことわざ)に「Like father, like son.」というものがあります。
意味は「この親にしてこの子あり。」というもので、「蛙の子は蛙」と同じ意味です。
レイチェルは、ハネムーン中も絶えずスマホで連絡を取り続けいる程、根っからの仕事人間です。
そして父親も、仕事のせいで家族を犠牲にしたという一面がありました。
「仕事を一番大事にしている」という点では、レイチェルとハリーは良く似ています。
これが「蛙の子は蛙」ということわざ通りの状況で、それがタイトルにもなっています。
邦題は「作品の内容をストレートに表している」のに対し、原題は「作品内では表立って描かれなかった部分を表している」ように思えます。
個人的には原題のままの方がオシャレかつ皮肉が効いてて好きですが、原題のままだったら「父が好き」という風に捉えられる場合がほとんどでしょうし、仕方ないかなと思います。
評価・まとめ
コメディでは無いので、笑えるシーンは特にありませんでしたが、比較的ライトな作風で、ラストまでふんわりと楽しめました。
お盆休みでどこへも旅行に行ってないような、激務な方におすすめです。(皮肉)