ネットフリックスオリジナル作品「ホンモノの気持ち」を鑑賞しました。
当ブログの映画記事は、ネタバレ無し情報を書いた後にネタバレ感想を書いています。
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目次
作品情報
公開年 | 2018年 |
---|---|
原題 | Zoe(ゾーイ) |
上映時間 | 104分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ドレイク・ドレマス |
脚本 | リチャード・グリーンバーグ |
ジャンル | SF、ロマンス |
主要キャスト |
ユアン・マクレガー(コール) レア・セドゥ(ゾーイ) テオ・ジェームズ(アッシュ) ラシダ・ジョーンズ クリスティーナ・アギレラ ミランダ・オットー マシュー・グレイ・ギュブラー |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ
人間関係の向上に取り組む革新的研究所で働くヒロイン。シンセ(人造人間)のパートナーを開発している同僚に恋をしたことから、彼女の世界は一変することに…。
引用:Netflix
原題の「Zoe(ゾーイ)」は、メインヒロインの名前であり、彼女と、彼女が恋に落ちる「コール」という中年男性との物語です。
【ネタバレ無し】感想
「アンドロイドと人間のロマンス、絆」辺りがメインテーマであり、この手の作品は吐いて捨てる程あります。
昨今は特に「AIビジネス」が主流になり、AIが人間の仕事を奪うと危惧されていたりもするので、それもあって「アンドロイド映画」の製作が加速してるんだと思います。
ネトフリ独占作品もAI系が結構多いですね。
そんなに人気なのかな。
本作は、ハッキリ言って、特に目新しいシーンはありませんでした。
でも、ゾーイの魅力的な容姿やその立ち振る舞いは美しいし、ユアンマクレガー扮する「コール」のおっさん感も良い感じにハマってるので、キャストが好みなら見ものかもしれません。
僕は「アイランド(2005)」という作品から、ユアンマクレガーが好きです。
※次項からネタバレを含みます。
【ネタバレ有り】感想
悪い点:展開がありきたり
いきなり悪い点からで恐縮ですが、アンドロイドと人間のロマンス、葛藤というのもありきたりだし、クライマックス、ラストも微妙でした。
アンドロイドであるゾーイは、中盤で「どうして私は涙が出ないの?」と、生みの親であるコールに問います。
コールは、「涙が生成されるようにデザインされていないんだ」と言います。
ちなみに補足しておきますが、本作で登場する「デザイン」という言葉の意味合いは、いわゆる「見た目」に関するものではなく、
「設計」という意味です。
そしてラストシーン。
涙が出ないはずのゾーイから、嬉し涙のようなものが出ます。
そしてエンドクレジット。
まるで絵本のようにシンプルなラストです。
2018年に作られた作品とは思えない程に幼稚に感じました。
捻りが欲しい。
悪い点:脚本が雑
丁寧な脚本とは、ある程度複雑に物事が絡むけど、特に目立ったツッコみ所も無く、ナチュラルに筋が描かれているものを言います。
※飽くまで僕の定義
本作は、感情移入しづらくなるくらいに、いくつかの疑問点がありました。
①多額の費用を投資したゾーイに監視を付けない企業
②唐突に登場した「ゾーイ2.0」。しかも大量生産
③最後に何故か涙が出たゾーイ
でも、これらの事は考察次第でなんとでもなります。
①「ゾーイの監視役」については、実際に描写が無いだけで、スパイみたいにゾーイを監視してた人もいたかもしれません。
実際に「ゾーイ本人には人間だと思い込んでもらう」という必要があったので、監視されてることがバレてはいけませんから、スパイがいたということは自然だと思えます。
②については、突っ込み所というより、「ゾーイを落胆させる為の無理やりな展開」と思えて仕方ありませんでした。
「同じ人間が大量にいる」という状況は、誰しもが嫌悪感と恐怖を覚えます。
「自分の新しいバージョンがたくさんいる」というのを観てゾーイは落胆しますが、「やり過ぎ」感が否めませんでした。
とは言え、近未来の企業の常識なんて僕には分からないので、ゾーイのような容姿が大量に存在することに興奮する層が多いのでしょう。
③「ゾーイの涙」については、ゾーイが事故にあった時に、ひそかにコールが涙腺システムを実装したのかもしれません。
どれも無理やりなこじつけですが、とにかく納得できれば問題ありません。
悪い点:走馬灯のシーンがちょっと多くないかい
ミーハーな僕は「走馬灯」的な演出が大好きです。
走馬灯的演出は、ホラー、ロマンス、サスペンスなど、何にでも合います。
そして走馬灯は、たいていシリアスな局面で記憶を巡らせる時に登場することが多いです。
本作はラブストーリーなので、「昔の思い出」をドラマティックに思い出す際などに走馬灯が使われたりします。
そしてそれは僕が好きな演出なはずなのに、何故か全然グッと来ませんでした。
たぶんですが、恐らくそれは「多用し過ぎ」なのと、「そもそもストーリーに対して自分がグッと来てない」の2点から来ていると思います。
「走馬灯の多用」については、そもそも何度登場したか覚えてません。
もしかしたらそんなに多くなかったかもしれません。
でも、悪い言い方をすれば「目ざわり」に感じたので、少なくとも「意識」はしちゃってます。
「ストーリーに対して自分がグッと来てない」については、そもそも僕が二人の関係にのめり込めてないのが原因です。
何故か二人を応援する気持ちになれなかった。
良い点:美しいシーンが多かった
色味を抑えた映像は、淡々とした印象があって個人的に好みです。
近未来という舞台設定ですが、アンドロイド以外に特に未来的なガジェットは出てきません。
そこもちょっと好印象でした。
「ロボット風俗」という施設が登場しますが、そこが煩雑(はんざつ)で散らかった感じだったのもなんとなく良かったですね。
やっぱりこういう近未来系SF作品は、アンダーグランドなシーンが挟まると燃えます。
SF作品にて、「清潔な施設な裏側では、油まみれで働く層がいる」というのがしっかり描写されていると嬉しくなります。
考察:「Zoe(ゾーイ)」というタイトルの意味
日本語タイトルは「ホンモノの気持ち」という、凄く分かりやすいものとなっています。
でも原題は「Zoe」だけです。
Zoeとはヒロインの名前ですが、Zoeという名前に意味が無いはずがありません。
だから調べてみました。
ゾーイは女性名エヴァのギリシア語形ゾーエー(ζωή, ラテン文字転写:Zōḗ)に由来し、「生命」「生きるもの」といった意味である。 英語で動物園を表す zoo や、獣帯(黄道)を表す zodiac などと語源を同じくする。 また、日本語ではゾエと表記される場合もある。
「生命」「生きるもの」という意味・・・
中々力強いですね。
本作のタイトル、そしてヒロインアンドロイドの名前としてピッタリだと思います。
評価・まとめ
50点
凡作です。
冒険心の無いありきたりな作品に感じました。
ネトフリのSF作品としては、ジャンルが違いますが、「アナイアレイション」が強力過ぎて、自分の中でハードルが上がり切ってしまってるようです。