2500年かけて地球を別の太陽系に移動するSF超大作「流転の地球(Netflix)」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2019年 |
---|---|
原題 | The Wandering Earth |
上映時間 | 125分 |
製作国 | 中国 |
監督 | グオ・ファン |
脚本 | コン・コーアル イェン・トンシュイ グオ・ファン イェ・チュンツォー ヤン・チーシュエ ウー・ティー イェ・ルーチャン JJ・シェン |
原作 |
「The Wandering Earth(Chinese: 流浪地球)」 (原作者:Liu Cixin) |
ジャンル | SF,スペクタクル |
主要キャスト |
ウー・ジン チュ・チューシャオ チャオ・ジンマイ リー・グアンジエ ン・マンタ マイク・スイ・カイ クー・ツィンツィン ヤン・ハオユー アルカージー・シャログラツキー ライ・チァイン ヤン・イー チアン・チーカン チャン・ホアン |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
太陽系を離脱するべく移動を始めた地球。今、木星との衝突の危機が迫り、地球の命運は名も無きヒーロー達に託された。人類の存亡をかけた、壮絶な戦いが始まる。
引用:Netflix
魅力
①登場人物が特徴的でごちゃごちゃにならない
②2時間の中にイベントがこれでもかと詰め込まれており、中だるみしない
③スペクタクル作のテンプレのような脚本だが、そんなに悪くない
気になる点
・時々何やってるか分からなくなることがあり、魅せ方が若干不親切
・人によってはこの手のCGは受け付けないかも
【ネタバレ無し】感想
中国では大ヒットを飛ばしたらしい本作。
前半の「地下世界での生活」は良い感じに窮屈感があり、その退廃的な感じが良かった。
そこから主人公たちは十数年ぶりに地上に出る・・・。
ゴゴゴ…と上がっていく感じや、昔と違い凍り付いた地上など、序盤は中々ワクワクするものがありました。
そしてそこからドシドシと押し寄せるトラブルに巻き込まれ、最終的には地球を救うメインチームになるのですが、どこを取っても王道的展開です。
・脚本
・演出
・音楽
全てハリウッド系作品で見た事があるような感じ。
でも不思議と退屈せず、最後まで彼らのことを応援してしまいました。
終盤はみんなで力を合わせ最後のトラブルに対処するのですが、若干突っ込みどころがありつつも、何も考えずに見てたら胸が熱くなる展開でした。
いや、普通に良い映画でした。
「スペクタクル映画なのに主人公が坊主」
というところに拒絶する気持ちも分かりますが、1時間30分くらいしたら慣れます。(2時間映画)
オススメ作品です。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
ラストまでのざっくりストーリー
地球を4.2光年先まで移動させるというものだ
計画は5段階
第一段階は、“地球エンジン”1満基と1万か所の地下都市を、全力を投じて建設する
第二段階、
赤道上のトルクエンジンを起動して時点を止める
すると巨大な津波が発生して世界の人口が半減する
第三段階
太陽と木星の引力により地球は加速し、本格的な旅に出る
第四段階
太陽系脱出後、地球エンジンを全開させ500年かけて加速してから、1300年間滑空を続ける
さらにエンジンの向きを変えて700年間減速する
第五段階
地球は目指す恒星系にとどまり、
そこの新しい惑星となる
地球流転計画の内容
どうですか。このぶっ飛んだ計画内容。
「太陽が肥大化し、100年後には地球を飲み込む」という問題を抱えているそうですが、移動中のリスクとかいろいろ考えたら、もうあきらめてゆったり暮らしたいような気もします。
だからこそ逆に「どうせ死ぬんだし、地球ごと移動しよう!」と吹っ切れてしまったのかもしれません。
とりあえず劇中は、計画における「第三段階」か「第四段階」のようです。
地球は既に移動しています。
そして冒頭ではまだ4歳だった主人公「リウ・チー」は、地下都市で育ち10代後半になりました。
そんな「リウ・チー」は、義理の妹「ハン・ドゥオドゥオ」と地下施設を抜け出します。
抜け出した真意は忘れましたが、この手の映画に登場する子供は、たいていセーフティーゾーンを抜け出したがるので納得してます。
リウにとって久しぶりの地上。
ハンにとっては初めての地上です。
全てが氷に覆われ、地上は正に氷河期と言った感じ。
気温は-80℃を下回っているので、防護服が無いとまず生きられません。
リウ達は政府のカーゴトラックを盗み、それで脱走を図ります。
しかし捕まってしまい、留置場で「ティム」というお調子者の金髪青年と会います。
そして丁度そのタイミングで巨大な地震が発生。
地球流転計画が壊れ始めます。
留置場も崩れはじめたので、「リウ」「ハン」「ティム」「リウ達を助けに来たリウのおじいちゃん」の4人は、カーゴトラックで脱走。
そこを徴兵(徴用)され、「CN-171-11救援隊」に半ば強制的に加わります。
まるでゲームのようなイベント展開ですね。
そしてここからどんどん地球の不具合が加速し、何度も何度もトラブルに見舞われます。
最後には「地球は完全に終わる」という状況になり、ミッションを遂行してるチームは「CN-171-11救援隊」のみとなりました。
もちろん彼らだけでは人員が足りず、そして主人公の妹「ハン」が人類に向けベタベタな演説をし、既に避難を開始していた他部隊の人たちが助けに戻ります。
これで、「皆で力を合わせて見事ハッピーエンド!」になりかけましたが、あとちょっとのところでエネルギー不足に。
仕方なく「宇宙センター」側に居た「リウ」の父親が、宇宙センターの燃料を積んだまま、地球エンジンの噴射線上に突っ込みます。
これにより見事地球は助かりました。
この後に最後のイベントが起こりますが、それも今までの伏線を回収する形で回避します。
~3年後~
日常を取り戻し、皆に尊敬される存在となったリウは、未だに運転が下手だった~(エンドロール)
雑な展開もあったが、トータルで楽しめた
リウのじーちゃんは、「隊員が命を張って救ってくれたけど死んだ」という感じで死にました。
じーちゃんを救った隊員の男気、機転は素晴らしく、中々グッと来ました。
しかし救われたじーちゃんは、防護服に穴が開いてしまったせいで結局すぐに絶命しました。
何この展開、逆に新しい。
「脇役が自分の命を無駄にして誰かを助ける」という展開は、たいてい後に繋がります。
しかしこのイベントは、どこかに繋がること訳でもなく、じーちゃんは亡くなりました。
逆にリアルな展開ですが、あらゆる展開やサイドストーリーにも意味が与えられることに喜びを感じるので、ちょっと雑な展開だったように感じました。
これ以降ちょっと斜に構えてしまいましたが、意外と受け入れられる展開ばかりでしたね。
良作です。
【感想】「流転の地球」の魅力3個。Netflixで稀に見る超大作:評価・まとめ
60点
何故か緊迫感に欠けるが、地上でのトラブルは面白く、宇宙ステーション側の戦いも中々良かった。
全体的にCGが微妙で、「最新ゲームのムービーシーン」のような印象だが、B級SFに見慣れていれば問題無い。
そんな感じの作品です。
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