橋の崩落をなんとか生き延びた若者たちが、その後も死の運命に付きまとわれるピタゴラスイッチ系ホラーの最終章「ファイナルデッドブリッジ」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
関連記事:
※関連記事は最後にまとめて紹介します目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2011年 |
---|---|
原題 | Final Destination 5 |
上映時間 | 92分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | スティーブン・クォーレ |
脚本 | エリック・ハイセラー |
ジャンル | ホラー,スプラッター |
主要キャスト |
ニコラス・ダゴスト エマ・ベル マイルズ・フィッシャー アーレン・エスカーペタ デビッド・ケックナー トニー・トッド コートニー・B・バンス P・J・バーン エレン・ロー ジャクリーン・マッキネス・ウッド |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
橋の崩落事故を予見したサムは危険を知らせ、間一髪で8人が事故から生き残った。しかし事故犠牲者の葬儀に現れた謎の男から「死は決してだまされない」と告げられ、8人は次々と予測不能なトラップに襲われる。死の恐怖に怯えるサムらの前に再び現れた男は、「他人に死を贈る」ことで死の運命から逃れられると言うが……。
魅力
①オープニングからもう「ファンサービス」が溢れている
②序盤から工夫が施された「死のギミック」のオンパレード
③今までの「死神のルール」を継承しつつ、新たに加えられた素晴らしいアイディア
④「原点回帰」した最高のラスト
【ネタバレ無し】感想

橋崩落シーン
シリーズ5作目にして、シリーズ最高傑作と言えるくらいの爆発力。
死のギミックに関する工夫は、数あるホラー映画の中でも屈指の多さなのでその点は安心して鑑賞できます。
そしてちゃんと「ギミックのクオリティー」もめちゃくちゃ高い。
毎度の事ながら「こんなアイディア良く思いつくなぁ」という尊敬の念すら抱きます。
また、「部長」というコメディリリーフの活躍も忘れてはいけません。
「ファイナルデスティネーション」シリーズは、各エピソードごとにそれなりのひょうきんキャラはいますが、比較的シリアスにストーリーが進みます。
しかし本作は「部長」というスパイ気取りのジョークキャラが登場し、随所に挟まれる彼の笑わせる言動もイチイチ面白かったりします。
そして本作より新しく登場した「死の運命から逃れる方法」はとても良いクライマックスに繋がっており、思わず唸りを上げてしまう内容でした。
実は「ファイナルデッドブリッジ」は今回で4度目の鑑賞なんですが、本当に飽きません。
最終章に相応しいクオリティーです。
良い点:オープニングから「ファンサービス」が溢れている

オープニングクレジットの演出
「ファイナルデッドサーキット(前作)」もそうでしたが、引き続き本作も「オープニングクレジットで過去作の犠牲者の絶命に関するシーン」を流しています。

こちらは前作「ファイナルデッドサーキット」のオープニングクレジット
なんなんすかねコレマジで・・・。
懐かしさもあるし、なんかこう、ウルっと来ちゃうくらい嬉しい感情がこみ上げてきます。
「人が死ぬ瞬間が思い出されて嬉し泣きしちゃう」なんて言うと相当な変態野郎に聞こえますが、製作陣は何をしたらファン(変人)が喜ぶのかしっかり分かっています。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
良い点:序盤から工夫が施された「死のギミック」のオンパレード

序盤の「デッドブリッジ」のシーン
本シリーズの優秀な点は、「人が自然死に至るギミックが多いところ」です。
我々がホラー映画を観る時、求めているモノは「人の死」ではありません。
「バラエティーに富んだ死」です。
そして本作は、相変わらず「ユニークな死」のオンパレード。
それでいて「開幕事故」で一旦クライマックスを挟んでます。
ホラー作品で言う「ユニークな死」は、もはや財産です。
そのアイディア、工夫が面白さに直結しています。
そしてその財産を、序盤の橋崩落シーンに一旦突っ込んでいるんです。
毎度の事ながらこの贅沢さに感服します。
映画に暗い人は、「はぁーすっごい。キレイな映像すっごい。」とか「グロさがはんぱねぇ。」程度の感動かもしれませんが、そんなものは今の時代いくらでも作れるわけでして、肝心なのは「鑑賞者の予想を裏切るギミック・アイディア」です。
「橋が崩落して人が死ぬ」
ただそれだけなのに、
・転落先をわざわざヨットの帆の先の尖ったとこにしたり、
・はたまた転落先を海ではなくコンクリートの土台部分にしたり、
・「工事中」の設定を活かし、超高温のコンクリートをぶっかけたり、
などなど、恐ろしく大量のアイディアを詰め込んでいます。
こんな風に序盤の数分で大量の贅沢シーンを挿入できるのは、やはり製作スパンが数年に1作というスローペースだから出来るのかもしれません。
良い点:今までの「死神のルール」を継承しつつ、新たに加えられた素晴らしいアイディア

身代わりとして誰かを殺せば、自分は生き延びれる
さっきからアイディアの事ばっか褒めてますが、映画においてアイディアは本当に大切なのでもう少し賞賛させてください。
「自分の代わりに誰かを殺せば、自分は死の運命から逃れられる。」
という納得できる設定が本作から加わりました。
そしてこの設定を、本作は二度も活かしています。
まず一度目は、黒人の若手工場長が組合リーダーを殺すシーン。
ちゃんとオチが着くというサプライズもありましたね。
そしてもう一つ、恋人を救えなかったことで精神的におかしくなってしまい、「死の連鎖」に含まれない「主人公の彼女」を殺そうとする人。
その設定だけでもラスボスとして機能してるのに、そのラスボスにFBIを殺させ、一旦「死の連鎖」から抜け出させます。
そしてその後にラスボスを成敗することで、主人公は晴れて「死の連鎖」から抜け出したのでした。
ホラー映画というのは当然ながら「やっと終わったと思ってハッピーエンドを迎えようとしたら、やっぱりまだ続いていた」という定石があります。
そしてシリーズ1作目では、「死の連鎖はループしてる」という設定を使い「まだ終わってない」感を演出しました。
その設定はとても万能なようで、それ以降のファイナルデスティネーションシリーズもその設定に頼り続けました。
しかし!本作は、初めてそれ以外の形で「やっと終わったね」感を演出したのです!
ラスボスが善人を殺し、そのラスボスを主人公が殺す・・・。
この良い感じの回りくどさが、ラストを素晴らしい出来に仕立てあげました。
良い点:文字通り「原点回帰」した最高のラスト

主人公達が最後に乗った飛行機は「180便」だった
本作はラストで飛行機が登場します。
そして主人公は、かねてから「パリ」に行く予定でした。
パリ・・・
飛行機・・・
嫌な予感がしてたら、今度は飛行機の中で誰かが暴れています。
興奮は最高潮に達します・・・。
するとなんと、「ファイナルデスティネーション1」のキャストが、一瞬映るではありませんか!
どういうこと?
どういう技術?
役者は歳取ってないの?
そもそもこれって時系列的に一作目より過去の話だったの?!
ちなみに制作方法に関しては、第一作目の映像を合成して使ってるそうで、実際に1の役者は撮影には参加していないとのこと。
これはなんという感情でしょうか。
嬉しいのか、面白いのか、懐かしいのか、エロイのか・・・。
最後の最後にとんでもねぇ興奮を与えてくれた本作に僕は、ひよこサブレ辺りの菓子折りと一緒に最高の賞賛を口頭で送りたい。
評価・まとめ

エンドクレジット
90点
ファンサービスが濃いので、できれば一作目から見て欲しい作品です。
ただし4作目を見る場合、必ず字幕で観てください。
日本語吹替は大変なことになってます。
記事中に登場したリンク:





