90年代を代表する映画「トレインスポッティング」の続編「T2 トレインスポッティング2」今更ながら観ました。
今回はネタバレ無しで記事を書けそうなので、観鑑賞者の方でもある程度問題なく見れる感じで感想を書きます。
※万が一ということもあるので、ネタバレに敏感な方はお気を付けください。
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※関連記事は最後にまとめて紹介します予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2017年 |
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原題 | T2 Trainspotting |
上映時間 | 117分 |
製作国 | イギリス |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | ジョン・ホッジ(原作:アーヴィン・ウェルシュ) |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
主要キャスト |
ユアン・マクレガー(レントン) ユエン・ブレムナー(スパッド) ジョニー・リー・ミラー(サイモン/シック・ボーイ) ロバート・カーライル(ベグビー) ケリー・マクドナルド(ダイアン) アンジェラ・ネディヤルコーバ(ベロニカ) アービン・ウェルシュ(マイキー) |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
かつて仲間たちを裏切って大金を持ち逃げしたマーク・レントンが、20年ぶりにオランダからスコットランドに戻ってくる。そこでは、パブを経営しながら売春や恐喝で荒稼ぎするシック・ボーイや家族に愛想を尽かされたスパッド、刑務所に服役中のベグビーら、当時の仲間たちが未だに悲惨な人生を送り続けていた。
魅力
①演出、カメラワークから「ダニーボイルの映画観てるんだな」感がしっかり伝わる
②メランコリックな気持ちになれるシーンが多い
③相変わらず音楽が良い
【ネタバレ無し】感想
僕が「ダニーボイル監督作品が好きで仕方ない」という事は、こちらの「SUNSHINE2057」の記事の熱量で伝わると思いますが、「T2」はもう演出のエグさが正にダニーボイルのソレでした。
昔から「未来を先取りし過ぎた演出」に定評のあるダニーですが、トレスポ2で改めていつものカメラワーク、演出を目にすると、「そうそうこれこれ」と思わせる懐かしさを感じるまでになりました。
特に「接写映像」が多く、その辺のヒリつきが極上。
ストーリーとしては、何かが進んだり変化したりするわけでは無く、良くも悪くも「前作ファンへのファンサービス」という印象。
もちろんその方向性で大正解だったと思ってます。
あとなんか、本作を見ていると「28日後」が思い出されます。
「28日後」もダニーの代表作ですが、カット割りや「メランコリックシーン」の演出、色味が全く一緒。
「メランコリックシーンなんてどの作品も一緒でしょ」という話なんですが、いわゆる「セピアのフィルター」をかけただけではなく、本当に独特な色味とザラ付いた質感で、「ダニー特有のメランコリック」を演出しています。
そして僕が昔から思い描いている「懐かしさを具現化したらたぶんこうなる」というイメージと「ダニーのメランコリック」ががっつりフィットしているので、ヨダレが出そうなくらいハマってしまいました。
あまりの演出の濃さ、クドさに見終えたらめっちゃ疲れますが、その疲労感すら心地良い。
あえて多用するシュールなカメラワーク
上記画像は確か、サイモンが主人公のレントン(ユアン・マクレガー)と会話してるシーンです。
何気ないシーンですが、こういうところでも「ダニーらしさ」が光ってます。
人と空間を映す時、たいてい「被写体の目線」に空間を持ってきます。
しかし上記のシーンは、サイモンの目線と反対側に空間がある為、少しシュールで落ち着かない印象を受けます。
こういう小さなシュールを連続することで、トレインスポッティングは奇抜で不思議なブランドに仕上がっているように思います。
「脳内イメージ」の具現化
「脳内イメージ」がしっかりと映像化されています。
ダニーの作品はそれ系の演出が多用されますが、恐らく「T2」が過去作で一番「脳内イメージ」が挿入されたのではないでしょうか。
最序盤の「自殺するスパッドを受け止めるシーン」など、とても分かりやすくグッと来る例えをしっかり突っ込んできます。
こういう例えは、きっとハズしたら一気にダサくなり白けそうなもんですが、ダニーは「どうしたらダサくならないか」の心得た鬼才です。
安心して「例え演出」を堪能できます。
成熟した4人のおっさん達
レントン、スパッド、サイモン、ベグビーの4人は思い思いの20年を過ごし、そしておっさんになりました。
序盤では彼らが一人ずつ登場しますが、そのシーンだけでなんか満足感があります。
そんな彼らの変化具合を思う存分楽しめます。
彼らの変化具合を詳細に話すとネタバレになるので伏せますが、ありがたい事に彼らは20年前のキャラ設定をしっかりと継承しています。
現実であれば、20年前の旧友に会うとたいてい性格がガラっと変わってたりしますが、彼らのキャラクターは、トレスポファンをしっかり納得させてくれるはず。
評価・まとめ
80点
本作に参加したキャストや製作クルーについて調べると、みんなあんまり積極的に仕事をしてないようで、少し不安になりましたw
ダニー監督もあまり量産するタイプじゃないようで、今のところT2より新作はありません。
「28週後」の続編とかあれば嬉しいですね。
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