年に一度、一晩だけ殺人を含むあらゆる犯罪が許される「パージ法」が制定されたアメリカで・・・。
シリーズ化されているスリラー作品「パージ(The Purge)」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
パージシリーズ、他の作品:
※関連記事は最後にまとめて紹介します目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2013年 |
---|---|
原題 | The Purge |
上映時間 | 85分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジェームズ・デモナコ |
脚本 | ジェームズ・デモナコ |
ジャンル | スリラー,バイオレンス |
主要キャスト |
イーサン・ホーク(ジェームズ・サンディン) レナ・ヘディ(メアリー・サンディン) アデレイド・ケイン(ゾーイ・サンディン) マックス・バークホルダー(チャーリー・サンディン) エドウィン・ホッジ トニー・オーラー リース・ウェイクフィールド |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
人々の生活を裕福にするため、安全を維持するために政府が定めた「1年に一晩(12時間)だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる」という法律「パージ」。この夜は、警察や消防といった救急サービスの機能はすべて停止なり、街は完全に無法地帯と化す。妻と2人の子どもと暮らすジェームズ・サンディンは、家族とともに「パージ」の夜を完璧なセキュリティの家で平穏に過ごすはずだった。
魅力
①ぶっ飛んだ設定に対して、ちゃんと真面目に向き合ってる
②それぞれの特徴を持った「派閥」の存在が熱い
③敵キャラに1人、めちゃくちゃ魅力的なサイコパスがいる
④ハラハラする展開の連続
気になる点
・「道徳観」のねじ込み方が雑。かなり緊急事態なのに急にその話題になったので、めちゃくちゃイライラした
【ネタバレ無し】感想
先日鑑賞した「リム・オブ・ザ・ワールド」の作中で、仮面をかぶった男に対し「パージみたい」というセリフがありました。
それを聞いて本作の存在を思い出し、いよいよ鑑賞に至りました。
結果、大満足。
75点と微妙な点数にしてますが、それは中盤にイライラする流れがあったから減点してるだけであって、最初から最後まで飽きない展開の連続でした。
特に敵キャラ。
「リース・ウェイクフィールド」演じるガチのサイコパスキャラがハマリ過ぎて、めちゃくちゃカッコ良かった。
彼を見る為だけに本作を観ても良いくらい。
キャスト
ジェームズ・サンディン ・・・ 役:イーサン・ホーク
警備システムの販売営業。
相当やり手で、地域売り上げNo.1を誇る。
「パージ法」が制定されてから、警備システムの売り上げが伸びつつある。
その為、「パージ法」については前向きにとらえている
メアリー・サンディン ・・・ 役:レナ・ヘディ
ジェームズの妻。
子供思いで優しい性格。
ゾーイ・サンディン ・・・ 役:アデレイド・ケイン
ジェームズの娘。女子高生。
父親に黙って、こっそりボーイフレンドを家の中に連れ込んでいる
チャーリー・サンディン ・・・ 役:マックス・バークホルダー
ジェームズの息子。ゾーイの妹。
メカニックオタクらしく、不気味な赤ん坊のラジコンを家の中で走らせている。
ホームレス ・・・ 役:エドウィン・ホッジ
パージ法が開始された直後、「パージャー」に追い回されていた。
パージャーのリーダー ・・・ 役:リース・ウェイクフィールド
「パージ」の実施中に活動が活発化する謎の集団のリーダー。
不気味なマスクを被っている。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
ラストまでのザックリストーリー
・年に一度、夜7時からの12時間に限り、殺人含むあらゆる犯罪が許される「パージ法」が制定されてから数年が経ち、警備システムの営業担当の「ジェームズ・サンディン」は、パージ法のおかげで売り上げを伸ばしていた。
・そして今年も「パージ法」が実施される。サンディン一家は、いつも通り頑丈なセキュリティを誇る自宅に籠っていたが、息子の「チャーリー」が、家の前で助けを呼ぶ「ホームレス」に気付き、つい家の中に誘導してしまう。
・異常に気付いたジェームズだったが、時すでに遅し。ホームレスは家の中のどこかに隠れてしまう。(それと同時に、家の中にこっそり隠れていたゾーイのボーイフレンドが、こっそりジェームズ狙って発砲。しかしジェームズに返り討ちにあい絶命する)
・しばらくして、「パージャー」の軍団がサンディン家を訪ね、「ホームレスを引き渡さないと、あなた方含め全員殺す。」と脅す。当然ジェームズはホームレスを引き渡そうとするが、「チャーリー」がホームレスを匿ったり、ホームレスがゾーイを人質に取ったりなどして上手くいかない。
・結果的にパージャーがサンディン家に乗り込みはじめ、ジェームズも応戦態勢を整える。
・死闘の末、ジェームズ達はパージャーのリーダーに殺されかける。しかしそこへ「近所の人たち」が無言で現れ、パージャー達を殺していく
・「近所の人たち」に感謝するメアリーだが、彼らの狙いは実は「サンディン家」への報復だった。
・彼らは「裕福な暮らしをするサンディン家」を妬んでおり、その恨みをこの機会に晴らそうとしていたのだ。
・絶体絶命のその瞬間、今まで姿をくらませていたホームレスが現れ、「近所の人たち」に銃弾を浴びせる。形勢逆転。
・ホームレスは「彼らを殺すかどうかはあなたが決めろ」とメアリーに尋ねる。メアリーは、「殺さない」と宣言。全員を着座させ、ホームレスと監視しつつパージ法の終了を待つ。
・最後、「今年のパージのハイライト」がニュースとして流れ、終了。
良い点:面白い展開の連続で、グイグイ引き込まれる
「パージ法」というアイディアだけでも十分面白いのに、「パージャー」という存在や、「実は妬んでいた近所の奥さんグループ」の登場で、話が二転三転する最高のシナリオとなってました。
パージャーとの戦闘シーンも、ちゃんと工夫が施されていて見応えがあります。
良い点:近年まれにみるカリスマサイコパス「リース・ウェイクフィールド」がハマり過ぎている
中盤で登場する「パージャー」という集団。
彼らはおぞましい仮面をかぶって活動しています。
サンディン家に訪れた「パージャーのリーダー」は、最初は例の仮面をかぶっていますが、監視カメラを見ながらその仮面を外します。
するとどうでしょう。
その仮面をも凌駕する程に怖いニヤケ顔の男(リース・ウェイクフィールド)がいるではありませんか。
掘りの深さ、デコの広さなど、全てが完璧です。
サイコパスにしか見えません。
それでいて礼儀正しい。
完璧です。
怖い要素しかありません。
今回僕は吹替で鑑賞しましたが、声優もハマってました。
このカリスマサイコパスの存在が、明らかに本作の魅力アップに繋がっています。
悪い点:中盤の「道徳的な展開」にイライラした
まず、「チャーリー」がホームレスを独断で家の中に入れたせいでサンディン家は崩壊しかけます。
「なに勝手なことしとんねん」と言いたくなりますが、チャーリーは子供だし、こういうミステイクが無いと話が進まないので、まぁ仕方ありません。
しかしチャーリーは懲りずに、家族が捜索する中、ホームレスをこっそり匿います。
実際にこの展開は終盤になって活きるのですが、そうとは知らない中盤ではめちゃくちゃフラストレーションが溜まりました。
しかも「ゾーイ」も、かなり感情の赴くままの行動を取ります。
挙句の果てには、妻の「メアリー」も家族の保護より「今の自分の気持ち」を優先します。
よって、我々が感情移入できる唯一の人物は、主人公の「ジェームズ」だけです。
ジェームズだけが常に冷静で、家族を守るために行動します。
そしてジェームズ以外は、「ホラー映画で取り乱して序盤で死ぬ奴」の行動を繰り広げます。
この時のイライラはマジで半端じゃなかった。
ホームレスを拉致しながら、「今、私たちは何やってるの・・・?」と、本当に急に道徳的価値観の話になります。
いや、でもそれも「急に我に返った」と考えれば自然な話ですが、本作をホラー・スリラー作品として鑑賞している以上、鑑賞者が「主人公たちには生き残って欲しい」と考えるのは自然なこと。
にも関わらず、彼らがそれを放棄しだしたらもう行き場がありません。
このくだりの直後に、ジェームズが「奴らと戦おう」と決心したので良いですが、そこに行くまでの流れが本当にきつかった。
【感想】「パージ」の魅力4個。年に一度、殺人が許される日があったら…:評価・まとめ
75点
中盤の口論で減点しましたが、今思えば必要なシーンだったよなー、とも思います。
難しい・・・。
とりあえず、最後まで興奮できる秀作です。
オススメ。
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