ペーパーハウス「シーズン2」の感想記事です。
シーズン1の感想記事はこちら
ペーパーハウスのまとめはこちらに書いてます。
シーズン2:各エピソードごとの感想
第1話
トレドの隠れ家を発見した警察が科学捜査班によるDNA鑑定を開始し、落ち着かない教授。造幣局では、強盗たちの緊張が極限に達していた。
引用:Netflix
シーズン1のラストでラケルが敵のアジトを突き止めました。
しかし実はこれも全て教授の策中。
教授はわざと”嘘の犯行現場”を作り、捜査を撹乱(かくらん)する目的がありました。
教授の予定では最低3日は警察が無駄な捜査を続けるはずでしたが、ラケルのキレッキレな頭脳により、50分で嘘の現場だと見抜かれました。
そしてそこへ登場した、腕利きの化学捜査班でラケルの元夫。
彼のアドバイスにより、「写真の燃えカス」というそこそ重要そうな証拠を見つけました。
個人的には、これがどういう形で教授たちを追い詰めるのかが全く想像できませんが。
長い間ラケルと同行しているためチームと連絡が取れない教授。
しかもチームは、警察と教授が一緒にいるのを報道番組で観ます。
教授は完璧なまでに潜伏しているのですが、そのことを知らないチームは
「逮捕されたのか?」
「尋問されてるのでは?」
と不安に陥ります。
教授はせめて、「警察と交流してる」という事実をチームに教えておけばいいのに・・・。
シーズン2に入っても、ペースダウンすることなく、そして志向が変わることなく「ペーパーハウス」としてちゃんと面白いです。
第2話
強盗の一人を捕まえ尋問する警察。ベルリンの行動に腹を立てたリオが反抗的な態度を取り始める。
引用:Netflix
ベルリンと対立し、ベルリンを拷問したトーキョー。
しかしトーキョーは心改めベルリン殺害を改心。(本当に殺そうとしていたようには見えなかったが)
しかしベルリンはトーキョーに罰を与える。
トーキョーをキャスター付きのテーブルに縛り付け、それを正面入り口から転がして外へ。
トーキョーは警察に確保されてしまいました・・・。
終始絶望的な音楽が流れていて、かなりシリアスなシーンでした・・・。
教授はラケルの元夫と二人きりでドライブ。
元夫の運転で帰っている最中です。
ここでやたらと元夫を挑発。
挑発に乗った夫は、教授を車から降ろし素手で決闘を申し入れます。
当然のようにそれに乗り、難なく圧倒する教授。
元夫が弱いというより、教授が強すぎる。
なんらかの格闘技を習得しているようです。
教授は夫を気絶させ、アジトで発見された証拠の「焼けた紙の灰」を、先ほど新聞紙を焼いて作った灰とすり替えます。
しかし、元夫の報復により、警察への暴行罪ということで逮捕されます。
確かに間違いでは無いが、クソ野郎過ぎる・・・。
早くチームのみんなに電話しないといけないのに、中々もたつきます。
第3話
教授の正体を聞き出そうと、逮捕した犯人の感情を揺さぶる作戦に出るラケル。”反逆行為”への罰に反抗して、強盗メンバーが反乱を起こす。
引用:Netflix
ラケル元夫への一方的な暴行として逮捕された教授。
しかし教授は、トイレでこっそり、自分の腹に打撲痕を作り、「やりあいになった」という証拠を作る。
靴下に入れた石鹸で、あそこまで酷い痣(アザ)が出来るものなのか・・・。
その証拠を基にラケルに助けてもらい、今回の逮捕は無効に。
採取された指紋や拘留記録等も全て抹消されました。
しかし、一切殴ってないはずの元夫は当然疑問を抱きます。
どう考えても怪しみます。
だから今後、教授の敵として深く関わってくることが予想されます。
でも、「元嫁の恋人に嫉妬してる」という風に周りから思われ、まともに取り合ってもらえないことも予想できます。
教授はこれも計算のうえなんでしょう。
警察に尋問を受けるトーキョー。
ついに「教授の名前はセルジオ」と極秘情報を漏らします。
これを武器に、教授との電話で「セルジオ」と本名を呼び、揺さぶりをかけるラケル。
これを聞き教授は一瞬動揺するが、すぐに巻き返し「トーキョーへの尋問を続けろ」とラケルに指示。
これでトーキョーの拘束時間が伸びます。
具体的に明示されてないので理由は分かりませんが、教授は「もし逮捕されたら、どんな方法でもいいから時間を稼げ」と教えていました。
そしてラスト。教授と電話中のベルリンの後頭部を殴り気絶させ、ナイロビが受話器を拾います。
”これからは家母長制で行く”
そう言うナイロビ。
だんだんしっちゃかめっちゃかになってきました。
第4話
計画が頓挫し作戦変更を余儀なくされた強盗団は、マスコミを通して市民を味方につける案を実行。一方のラケルは、教授を捕まえるワナを仕掛る。
引用:Netflix
人質で造幣局長のアルトゥーロがまたしても強盗団を出し抜く計画を立てます。
ヘタレでカッコ悪かったアルトゥーロが、シーズン1最終話の演説以降やたらカッコよく見える不思議。
ラケルは、「アンヘルの意識が戻った」とウソの発表をします。
もちろんこれは教授をおびき出すための罠。
教授も不安になりベルリンに相談しましたが、互いに「99%で嘘だろう」と結論付けます。
でも1%の可能性も見捨てないという結論も・・・。
さて、チームはリポーターを局内に招き、人質解放の瞬間を生中継で放送しました。
そこでリポーターに顔出しで受け答えしてたのはベルリンのみ。
ベルリンの熱い演説で、見事世間を味方に付けます。
そしてちゃんと一部の人質も解放しました。
第5話
新たな脱出計画を決行するアルトゥーロ。同じ頃、サルバと話をしていて、あることに気づいたラケルの頭の中に困惑と衝撃が駆け巡る。
引用:Netflix
アンヘルの復活を確かめるべく、「オーディション」という名目で大量のピエロを病院へ乗り込む教授。
そしてその中に紛れ、道化師のコスプレをして病院へ潜入する。
見事「アンヘルの意識が戻ったというのは嘘だった」と教授は見抜きました。
しかしその後ラケルとお茶をした時に、道化師の衣装の残り、「オレンジの髪」がスーツに付いており、それによりラケルに「サルバ = 教授」だとバレてしまいます。
全てのつじつまが合い驚愕するラケル。
しかしずっと冷静な教授・・・。
造幣局では、アルトゥーロが盗んだ銃で反撃に出ますが、モニカの裏切りにより失敗。
身体に爆弾を巻き付けられる始末。
短い間、ベルリンの代わりにナイロビがリーダーを務めましたが、またリーダーがベルリンに戻りました。
ベルリンが頭から包帯を外すときの「ドゥーン・・・」という効果音が最高にカッコ良かった。
第6話
長年隠していた秘密を告白し息子の信頼を失うモスクワ。教授の計画が暗礁に乗り上げてしまい、とっさに思いついた別の方法を決行するトーキョー。
引用:Netflix
教授は事前に手配していた人選を使い、トーキョーを逃がします。
そしてトーキョーはバイクで警察をかいくぐりまた造幣局の中へ。
ここは本作でベスト3に入るくらいのキラーシーンでした。
マジでしびれた・・・。
ちょっと残念だったのが、トーキョーの逃がし方。
また教授の恐ろしく頭脳的な策で逃がすのかと思いきや、別の人間を使った強引な作戦でした。
他にも助け船があるとか、確かにリオとベルリンの会話の中で出てきてはいましたが、少し残念・・・。
できればチーム内だけの力で完遂してほしかった。
教授とラケルとウソ発見器越しに会話をしますが、ストーリーとしてはあまり進みません。
でも、ここは二人の核心となる部分がぶつかり合うシリアスなシーン。
ゆっくり時間をかけて対話する二人が本当に苦しく、そして面白かった。
最後、戻ってくるトーキョーを迎え入れる際に応戦していたモスクワが撃たれました。
凄くウルっと来た。
第7話
重症を負った仲間を救うため、一刻も早く処置しようと焦る強盗団。モニカと二人きりになったアリアドナは本心を打ち明ける。
引用:Netflix
前回のハイライトで改めて出てきたこのシーン
このシーンマジかっこ良過ぎ。
何がかっこいいって、動転しながらゲート開閉ボタンを押すデンバーがかっこいい。
マジでこの構図は神です。
バイクに乗ったスタントマンはもちろん、デンバーのポージング。立ち位置。全てが完成されてます。
さて、モスクワは重症ですが、アルトゥーロが撃たれた時と違って今度は医師が来てくれません。
そりゃそうです。
アルトゥーロは人質だし、しかも撃ったのが警察でした。
でも今回は純粋な銃撃戦による被弾です。
警察に完全に正体がバレた教授。
ラケルは騙されていたとは言え、強盗の首謀者と共謀していたと思われ、一時的にか永続的にか、捜査から外されます。
可哀そう。
ラケルは一度教授の隠れ家(リンゴ酒セラー)へ訪れています。
その時は全ての機器が隠されていましたが、教授の隠れ家はそこだと確信し、再度警察を送り込みました。
(ラケルは要注意人物になってしまったので本部待機)
しかし、リンゴ酒セラーでは証拠らしいものは見つかりませんでした。
どうやら教授は、本部とは別の場所にリンゴ酒セラーを用意していたようです。
改めて見ると教授の資金力も半端ないですね。
本エピソードはこんな感じです。
第8話
教授との関係が同僚にばれ捜査から外されたラケル。だが諦めず、首謀者を追ってたった一人で動き出す。
引用:Netflix
ついにトンネルが繋がりました。
造幣局の中で、メンバー一人ひとりとハグをする教授に目がウルっとなった。
繋がった小さな穴から、最初に教授とトーキョーが目を合わせ喜んでいる時、どことなく「久しぶりに再会する先生と生徒」に見えて仕方が無かった。
僕もよっぽど彼らに感情移入していたんだと思います。
捜査から外されていたにもかかわらず単独捜査を進めていたラケルは、町中の防犯カメラ映像から教授のアジトを突き止めます。
ピッキングしその中に侵入すると、教授は作業の大詰め。
大金をトラックに運び込んでいました。
その教授に銃を突きつけるラケル。
しかし他のメンバー(セルビア人)に包囲され、鎖で繋がれます。
教授は鎖で繋がれたラケルに「精神安定剤を飲みたい」と言われ、薬を飲ませてあげようとしますが、隙を突いたラケルに噛みつかれます。
ここで教授は少し経済的な話をします。
物事には善と悪しかないと?
今回の作戦だが
過去にも同じことが
2011年に欧州中央銀行は1710億ユーロを発行した
唐突にだ
私たちと同じだ
大規模なだけ
2012年度には1850億ユーロ
2013年度には1450億ユーロ
そのカネはどこへ?
銀行だよ
工場から直接、富豪の懐へ
だが、欧州中央銀行は泥棒か?
”流動性注入”というんだ
この政策は前触れもなく行われる
これは何だ(紙幣を見せながら)
ただの紙切れだよ
紙にすぎない
紙切れだ
私も流動性注入を行った
銀行のためじゃない
本物の経済はここにある
この負け犬たちが担い手だ
すべてから逃走する
君も逃げないか
”
監禁され不服そうなラケルに対し、教授は唐突にこんな話をします。
しかしこれは本当に素晴らしい演説で、作中でもかなり重要な部分です。
経済に対する本作から我々鑑賞者に向けたメッセージであり、我々と”ラケル”の心を強く揺さぶります。
そしてラケルは、教授の仲間になる選択をします。
通常ならこれは「ぶっとび展開」です。
ずっと自分を騙してきた教授のことを、愛していながらも憎くて仕方ないはずです。
特にラケルは非常に優れた頭脳を持っているので、そんな自分を騙し続けた教授に対してなら尚更。
そんな教授たちの仲間になるなんて、いかにもなご都合展開で、非現実的でアリエナイことです。
でも、ラケルが仲間になる選択をした時、僕は納得しました。
それはこの演説があったからです。
こんな熱いセリフを聞くと、誰だって心を奪われます。
他にも、「教授にハメられたせいで警察から追われている」とか、「もしかしたら教授の裏をかこうとしてるのかもしれない」という考えもありますが、続きを観る前にこれを書いているので真意は分かりません。
演説中に流れる情緒的な音楽も含め、かなりシリアスでグッと来るシーンでした。
何の違和感も、おいてけぼり感も食らうことなくラケルの心境を理解できました。
本エピソードは、「まもなく脱出できるけど、特殊部隊も突入してきそう」という点も含め、かなり胸を締め付けられる展開の連続でした。
第9話※シーズン2ラストエピソード
警察が造幣局に突入。最後の戦いに向けベルリンが強盗団の指揮をとる。彼らの目的はただ一つ。9億8400万ユーロを手に、生きて逃げ切ること。
引用:Netflix
キレイに完結しました。
最終話でベルリンに対する印象が一気に変わると思います。
ベルリンは生粋のサイコパスで、その冷静さ故にチームとも衝突し、特にナイロビとは犬猿の仲でした。
しかし最後、脱出路がバレ警察が突入してきた時、ベルリンは自分が犠牲となり、最後の砦となる覚悟を決めました。
最後にナイロビにその事を告げ、ナイロビは、「大嫌い!大嫌いよ!」と言いながらもヘルシンキに連れられ、脱出路から逃げます。
そして突入部隊の猛攻を足止めし、最後は覚悟のうえ射殺されたベルリン。
最後の最後にベルリンをここまでカッコよく映すとは、製作陣に感服です。
肝心の脱出は非常にあっけないものでした。
~強盗成功から1年後~
ラケルは警察を退職し、少し退廃的な生活を送っている時、教授と遠出したいと話していたことを思い出し、その時にもらったポストカードを取り出します。
するとそこにヒントが書いてあり、ラケルはその島へ向かいます。
そこで教授を探している時にケータイのバッテリーが切れ、露店の店員に「バッテリーを充電したいのですが」と質問。
そこへたまたま居合わせた紳士が「よければ私のケータイを貸しましょうか?」と声をかける。
晴れてラケルは、教授と感動の再開を果たすのでした。(終わり)
想像以上にキレイに終わりましたが、それ以上にあっけなかったという印象が強いです。
トーキョー、デンバー、ナイロビ、リオ、ヘルシンキ辺りのラストカットが、脱出する時に三々五々散っていくシーンでした。
もっと、強盗成功後のパーティーシーンとかあるかと思っただけに、非常にあっさりだと感じました。
でもそれも蛇足かな。
はぁー。本当に素晴らしかった。
サントラ買いたい。