作品情報
公開年 | 2016年 |
---|---|
原題 | The Walk |
上映時間 | 123分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ロバート・ゼメキス |
脚本 | ロバート・ゼメキス |
ジャンル | ヒューマンドラマ、ドラマ |
主要キャスト |
ジョセフ・ゴードン=レビット ベン・キングズレー シャルロット・ルボン クレマン・シボニー セザール・ドムボイ |
配信サイト・媒体 |
市販DVD Netflix…他 ※記事公開時の情報です |
感想
今さっき「ザ・ウォーク」を見終えた。
いつも映画記事には、「あらすじ」やら「考察」など、ある程度準備を終えてから書き込むのだが、まだ余韻のあるうちに記事を書きたいと思ったので一旦今の心情のまま記事を書く。
その他については近いうちに、まだ余力が残っていたら書きたい。
「ザ・ウォーク」
ワールドトレードセンターにワイヤーを張り、命がけの綱渡りという偉業を成し遂げた「フィリップ・プティ―」の伝記映画だ。
面白い映画かと聞かれたら「面白くはない」と答えるだろう。
しかし見終えた後の充実感は正に「良い映画を観た後」のそれだ。
こういう頭のブッ飛んだ超人の考えることは理解できないだろうから、「ひやひや感やスリル」を楽しむ映画かと思ったら、決してそんな浅い映画では無かった。
「綱渡り」に人生をかけている時点で当然僕とは違う。
でも、「人生に何を賭けるか」というのは本当に自由で、逮捕されようが、軽蔑されようが、自分がどうしたいか、何をしたいかが何よりも大事だという、
ごく当たり前で、分かり切っていることを改めて考えさせてくれた。
綱渡りシーンのニューヨークの景色は、CG感はあれどとてもきれいで投入感は凄かった。
「達成する」という結末は分かり切っていても、綱渡りの最中は心の奥底から嫌な感覚が沸いてくるのを感じた。
「早く綱渡りを終えてくれ」
心の底からそう願い、数十分程度の綱渡りシーンが永遠にも感じられた。
究極のチャレンジ後のメロドラマも良かった。
”共犯者”たちとのたわいもない会話だって美しく、そして羨ましく見える。
大きなプロジェクトを達成したチームの会話だ。
最後のワールドトレードセンターのカットも十分に美しく、最も完璧なラストだったと言わざるを得ない。
私個人の話だが、忙しくて仕事を持ち帰ったりしてる中這うようにしてたまたまこの映画を観た。そしてそれは正解だった。
鑑賞中は時間を忘れて、現実を忘れて、思いっきり映画の世界に入り込んで楽しめた。
暇つぶしや、ごはん食べるついでの片手間で観るのとは違い、「向き合って」観た久しぶりの作品かもしれない。
そして、「何を人生の目的にするかは、必ずしも誰かの為になるわけじゃない」ということも思い出した。
もちろん大抵のことが巡り巡って誰かのためになるのだが、それを考えていたらいよいよメンタルが参ってしまう場合がある。
最近の自分を見つめ直すと、忙しさ、もしくは難しい状況の中で「自分がやりたいことはこれだろうか?」と沈んでしまうこともあり、割と今もそれに近い心境だけれど、逆にそんな時に出会えた映画だからこそここまで響いたのかもしれない。
伝記”映画”なので、映像コンテンツとしていくつものフィクションや演出があり、現実とはかけ離れていただろうけど、見終えた後に感じた自信や勇気は本当に素晴らしかった。
ひとつ、作中に僅かに登場し、その一瞬で作品に一気に深みを与えた「謎の男」の正体が気になるが、ザ・ウォークを見終えた今、とても心地良い疲労を感じている。