Netflixオリジナル作品「ザ・サイレンス 闇のハンター」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
関連記事:
※関連記事は最後にまとめて紹介します目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2019年 |
---|---|
原題 | The Silence |
上映時間 | 90分 |
製作国 | アメリカ映画 |
監督 | ジョン・R・レオネッティ |
脚本 | ケアリー・ヴァン・ダイク、シェーン・ヴァン・ダイク |
ジャンル | サバイバル,ホラー,モンスター |
主要キャスト |
スタンリー・トゥッチ キーナン・シプカ ミランダ・オットー ケイト・トロッター ジョン・コーベット カイル・ハリソン・ブライトコフ デンプシー・ブリック ビリー・マクレラン |
配信サイト・媒体 |
Netflix独占 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
人間の存在を音で感知し襲撃するどう猛な飛行生物が突如現れ、混とんとする世界。安全な場所を求めてさまよう少女とその家族は、謎のカルト集団に遭遇する。
引用:Netflix
魅力
①街が崩壊し始めるまでの展開が早く、すぐに本筋に入る
②「音を出すと殺される」という設定をしっかり活かしてる
③登場人物が「C級映画特有のアホな行動」を取らない
④崩壊直後の街が高精細映像で観れる。とてもキレイ
⑤一つ一つのトラブルの質がまぁまぁ高く、観ていて飽きない
気になる点
・主要登場人物に対してあまり愛着が湧かない。よって「彼らに生き残って欲しい!」という気持ちが生まれない
・「主人公グループが持ってるアドバンテージ」がそこまで優位に働いてるように見えなかった
・敵対組織の存在が弱い。インパクトに欠ける
・敵対組織との決着の付け方が雑
【ネタバレ無し】感想
中々の当たり作品でした。
“凶暴なコウモリが都会で暴れまわり、音を出したらすぐ殺される”
という設定はそこまでユニークなものではありませんが、それなりに緊迫感があります。
ちょっと前にネトフリが押し出していた「バード・ボックス(2018)」という映画は、「目を開けてはいけない」という設定でした。
「バード・ボックス」と本作は、「崩壊直後の世界を、ある特定のハンディキャップを背負った状態でサバイブする」という点で非常に似ています。
そして「バード・ボックス」は、個人的にはとても残念な作品だったので、今回もガッとハードルが下がってました。
しかし本作は当たりです。
主人公達の行動は常に最善だし、そのうえでトラブルに巻き込まれ、生き残りつつも窮地に追い込まれていきます。
一つ一つのトラブルの質や、敵対組織との対立理由はそこまでユニークではありませんが、それでも十分盛り上がるものでした。
この手の作品では定番ですが、「窮地を脱する為に犠牲も厭わない」という展開は、そこそこグッと来るものもありました。
ホラー・サバイバル物として、「B級」の枠内に収まってますが、最後まで飽きずに楽しめるはず。
オススメです。
余談:「クワイエットプレイス(2018)」と似てるらしい
「クワイエットプレイス(2018)」という映画がありましたね。
そちらは未見ですが、他のレビュアーさんの感想によると、その作品とかなり似ているそうです。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
良い点:街が崩壊し始めるまでの展開が早く、すぐに本筋に入る
やっぱりこの手のパニック作品は、
①なんか外が大変な事になってるな・・・
②こっちにも猛威が振るう前に避難しとくか
③なんか田舎の方が安全そうだから、早めに田舎に行こう。
で、移動中に暴徒に襲われる。
という定番の展開が観たくて鑑賞してる節があります。
本作はありがたいことに、予想をはるかに上回る速度で世界崩壊に突入しました。
このスピード感は素敵。
良い点:「音を出すと殺される」という設定をしっかり活かしてる
「音を出してはいけない」という設定が、上手い具合に緊張感の増幅に繋がってます。
もはや「ステルスモード」はホラー映画の定番みたいな展開ですが、それがずっと続いてます。
また、当然ながら「音を出せない」という状況を逆手に取ったトラブルや対策が登場しますが、それらもまぁまぁ面白かった。
・少し離れたところで仲間が襲われていたので、わざと自分が発砲し、モンスターの矛先を自分に向けた。
・吠え続ける愛犬を、仕方なくモンスターの中に放つ
・敵対組織がこちらのチームに襲い掛かってきたので、わざと敵チームに掴みかかり、叫び声をあげた。
・緊急時、よりによってガラガラヘビに遭遇。
正直なところ、そこまで捻りのあるトラブル(または対処法)ではありませんが、設定を活かすには十分なイベントだったと思います。
特に「愛犬」や「仲間の為に自ら死を選ぶ」という展開は、コッテリした演出も相まってそれなりにグッと来ました。
悪い点:主要登場人物に対してあまり愛着が湧かない
主人公ファミリーに対して、あまり愛着が湧きませんでした。
たぶんそれこそ「オリジナリティ」の低さが原因だと思います。
アクション、サスペンス、ホラー、パニック。
どんな作品にしても、ユニークな方法でトラブルに陥り、そして鑑賞者が思いつかない絶妙な方法で対処する、という展開があって初めて、登場人物に感情移入出来ます。
本作は、残念ながらその辺りのアイディアが弱く、そのせいでキャラに愛着が湧きにくくなってます。
悪い点:「主人公グループが持ってるアドバンテージ」がそこまで優位に働いてるように見えなかった
主人公の「アリー(Kiernan Shipka)」は、事故で聴力を失っている設定です。
一見すると、「音を立ててはいけない」というこの状況では圧倒的に不利に感じますが、「聴覚障害」のおかげで、家族全員「手話」をマスターしています。
敵モンスターの「ベスプ」は「ささやき声」にも反応してしまう為、手話の心得は大きなアドバンテージのはず。
その話は序盤でも登場しましたが、かと言って「手話をマスターしてたから生き残れた」という展開は特になく、終盤は普通にささやき声でコミュニケーションを取っていました。(もちろん安全圏だったからというのもあるが)
ただ、手話云々ではありませんが、敵対組織と「筆談」で抗議するシーンは中々緊張感がありました。
悪い点:敵対組織の存在が弱い。インパクトに欠ける
これは僕の中の身勝手な原則ですが、ホラー映画に登場する「教祖」は絶対にラスボスにしてはいけません。
この手のアポカリプス系ホラーは、必ずと言っていい程「宗教家」が登場します。
そして彼らは、たいてい浅はかな理念を押し付けてくるので、主人公グループと対立します。
これもマジでホラーの定番ですよね。
例えば「ミスト(2008)」という作品では、“「Mrs.カーモディ」というヤバイおばちゃんの予言が的中した”という理由で、そのおばちゃんの影響力が高まっていきます。
しかし本作に登場した「教祖」は、最初から最後まで「中ボス感」満載の小物でした。
彼が慕われる理由も説明されず、まさか彼がラスボスとは思わなかった。
しかもその宗教グループの目的も不明。
「アリー」が薬局で機転を利かせたのを目撃し、その後から「アリー」を勧誘します。
なぜ欲しがる?
そして彼らは、何故か舌を切っています。
ごめんなさい、この認識には自信ありません。ただ、舌に何かをしてる描写がありました。
「不気味さ」を演出するにはもってこいの設定ですが、いかんせん「何故?」という部分が消化しきれない為、自分の中で盛り上がれません。
しかも彼らとの決着の付け方も「シンプルな近接戦」でした。
演出が中々クールだったのと、「シンプルな格闘劇で終わっちゃった」というのが逆に新鮮だったので、今思えば確かになんとなく面白かったw
それでもなんか不完全燃焼な感じは拭えません。
評価・まとめ
55点
中途半端で盛り上がりに欠けますが、それでも中々面白い作品です。
オススメです。
記事中に登場したリンク: