先日公開されたばかりのアクション映画「スカイスクレイパー」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。
まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。
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※関連記事は最後にまとめて紹介します目次
予告編(トレイラー)
作品情報
公開年 | 2018年 |
---|---|
原題 | Skyscraper |
上映時間 | 102分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ローソン・マーシャル・サーバー |
脚本 | ローソン・マーシャル・サーバー |
ジャンル | アクション |
主要キャスト |
ドウェイン・ジョンソン ネーブ・キャンベル チン・ハン ローランド・ムーラー ノア・テイラー |
配信サイト・媒体 |
劇場公開作品 ※記事公開時の情報です |
あらすじ・みどころ
かつてFBIの人質救出部隊のリーダーとして活躍していたウィルは、ある事件で左脚が義足になる大怪我を負い辞職するが、それから10年を経た今は、愛する家族も得て、危機管理コンサルタントとして働いていた。香港に建設された高さ3500フィート(1066メートル)の史上最大のビル「ザ・パール」の本格開業に向け、ビルのオーナーのジャオから安全管理のチェックを任されたウィルは、家族を伴ってザ・パールに滞在するが、ビルに隠されたある秘密を狙う犯罪組織もまた、ザ・パールに侵入しており……。
魅力
①思わずゾクっとする「高所恐怖症的映像」の連続
②ドウェイン・ジョンソンの素晴らしいアクション
③超高層ビル「ザ・パール」のギミックを活かしたアクションシーン
超高層ビル「ザ・パール」とは?
それは、アイデア、哲学、夢である。
テクノロジーと建設デザインの脅威である。
古代の寓話「The Peaal and the Dragon(真珠と龍)にインスパイアされた建造物。
香港中心部にそびえ立つ。
最上部にははビルの象徴である巨大パール。
豪華アメニティが完備された自足型の超高層都市。
雲の上で暮らし、働き、遊ぶ。
映画館で配布されていたパンフレットの内容
デザイン・構想
高さ | 3,500フィート/1,066メートル |
---|---|
階数 | 240階 |
総重量 | 100万トン |
外装 | 12万枚のガラスと鋼製パネル |
階段 | 4,000段 |
エレベーター | 70基の高速エレベーター |
施工期間 | 7年 |
作業員数 | 20ヶ国から計22,000人 |
自然災害対策 | 耐風性は200/mph(秒速約89メートルまで)、耐震性はマグニチュード8まで |
防火設備 | 10階毎に耐火コンクリート製の加圧避難室を設備 |
セキュリティ | 常時300人の警備員が駐在 |
【ネタバレ無し】感想
予告編通りの作品で、息を呑むシーンの連続でした。
予告編やポスター等で「ドウェインがクレーンからビルに飛び移る瞬間」がやたら使われていましたが、あーいう「恐怖のパルクール」的な映像は終盤までしっかり続きます。
なので安心して「たまひゅん」を楽しめます。
クライマックスでの死闘や、主人公たちが終盤で立て直す際には、ちゃんと「前半で登場したギミック、やり取り」をアイディアとして活かしており、その辺りでの「伏線回収」も素晴らしかった。
やっぱり、「なるほどここに繋がるのか」というのが理解できると、凄く心地良くなれますね。
後、ほんと些細なことですが、BGMが凄く良かった。
【ネタバレ有り】感想
※ここからネタバレを含みます。
良い点:ヒヤッとする映像の連続。臨場感は半端ない
ウィルが工事用クレーンに、鉄骨を使って登り始める瞬間から嫌な予感がしました。
もちろん、予告用トレイラーで何度も観てきた「パパ、飛びまーーーーす!」のシーンに繋がることは分かってましたが、分かっていても「高所のシーン」は、中々嫌な汗をかきます。
そしてクレーンに登り切るまでもエグイ・・・。
途中でウンテイみたいな事もします。
そしてなんとか「ザ・パール」に乗り込んだ後も、意外と「高所シーン」の連続でした。
パールの中も縦に広い作りとなっており、その中に存在する「橋」を渡るシーンなど、かなりのみどころです。
良い点:定番だが、心地良い伏線回収の連続
主人公のウィル(ドウェイン・ジョンソン)は、かつてはFBIの人質救出部隊の隊長でした。
冒頭ミッションでは、父親が爆弾を身体に巻き付け、周りに居た自分や自分の部隊、そしてその父親にとっての我が子含む全員を巻き込んで爆破。
その渦中に居たウィルは、爆風大けがを負い、左足を失い、仲間を失い、そして深いトラウマを抱え除隊します。
そしてクライマックスでは、敵である「コレス・ボタ(ローランド・ムーラー)」が、パールの最も高いところで、ウィルの子供を人質に取ります。
そう。冒頭のシーンと非常に似た状況で、しかも今度は、人質が「ウィルの子供」である為、より高いレベルでの判断力が求められます。
「主人公がトラウマを乗り越える瞬間」は、どのジャンルの映画でもやっぱり胸が熱くなりますね。
そしてウィルは、どうやってボタを倒したのか?
それがもう一つの伏線、「ザ・パールのギミック」に繋がります。
「ザ・パール内の設計」については、もちろん序盤でしっかりと説明されます。
そしてクライマックス含むいろんな場面で、ちゃんとその「パールのギミック」を活かすので、「なるほどここに繋がるのか」としっかり納得できました。
更に更に、「スマホの再起動」もちゃんと伏線となっていました。
こういう「どうでもいいところ」にすら伏線を放り込んで回収するのですから、本作の脚本家はちゃんと「伏線回収の気持ち良さ」を理解しているんだと分かります。
良い点:義足という設定をしっかり活かしていた
冒頭ミッションで爆発に巻き込まれたウィルは、一命を取り留めつつも左足を失い義足になります。
そしてその義足という設定がちゃんと活きていました。
ウィルがパールの外壁にぶら下がるシーンがありますが、誤って落下した際、ロープがたまたま義足に巻き付きます。
そしてそのまま義足が外れそうになるシーンはマジでヒヤヒヤしました。。。
他にも、足に弾丸を受けるも、義足が為に被弾しなかったり。
でも一番はやっぱり「ウィルの弱点」となっていたところですね。
「ドウェイン・ジョンソン」もキャラが最強過ぎて、下手したら「ドウェインが死ぬわけ無いから全然臨場感が無い」なんて事にもなり得たわけです。
しかし「義足」が為に、特にクレーンの鉄骨を駆け抜けるシーンなど、見ていてかなり不安に感じました。
「高所という不安材料」に加え、「義足」も付与されることで、作品により強い臨場感が生まれました。
良い点:微量ながら音楽が良い
本作のサントラ担当は「スティーブ・ジャブロンスキー」で、彼は僕が好きな「アイランド(2005)」のサントラも担当しています。
僕は未見なので分からないですが、「音楽が良い」で有名になったアニメ映画作品「スチームボーイ(2004)」も彼が担当しています。
そんな彼が作り上げたメイントラックは最高で、「ザ・パール」の希望を感じさせる素晴らしいメロディーでした。
戦闘シーンなどで流れるハードな方の曲は、アクション映画で良く聞くような在り来たりな感じでしたが、「パールを象徴する時に流れる曲」は本当に良いものでした。
悪い点:敵が「ザ・パール」を破壊する動機が弱い
そもそも「ボタ」は何故パールの破壊工作に出たのか?
その理由は、パールの設計者である「ジャオ(チン・ハン)」に大事な情報を握られており、その情報を奪い返す為でした。
そしてその大事な情報は、USBメモリみたいな小さいガジェットに入っています。
ボタは、そのガジェットを奪い返す為にわざわざパールを燃やしたのです。
もちろん「ジャオへの復讐心」とか諸々含まれており、それもあって破壊工作に出たのでしょうが、この程度の動機だと、「それでわざわざビルを破壊するのか?」と思えてしまいます。
悪い点:中国人女性のラストが弱い
強キャラ感満載の「シア(ハンナ・クィンリバン)」というショートカットの女性がいました。
彼女の戦闘能力は非常に高く、「もしかして真のラスボスはこの人か」と思わせるくらいの強さでした。
しかし、ラストはウィル妻の「サラ(ネーブ・キャンベル)」との格闘で負けるなど、意外とあっけなかった。
考察①:「スカイスクレイパー」のタイトルの意味とは?
なんとなく疑問に思ったので調べました。
スカイ(sky)は「空」ですが、「スクレイパー(scraper)」とは何でしょうか。
スクレイパー(スクレーパー、英語:scraper)は、物質の外面(または外面に付着しているもの、堆積しているもの)を削ったり、こそげとる刃状、へら状の器具を言う。
確かに、工業系の作業にて「ペンキ落とし」などで使うヘラを「スクレーパー」と呼んでいましたね。
でもなんでそれが本作のタイトルなんでしょうか。
とか考えていたら、どうやらそれは全く別物で、「スカイスクレイパー」には「超高層ビル」とか「摩天楼」という意味が含まれるそう。
しかしこれは辞書に載っているような言葉ではなく、「造語」のようなものらしい。
「摩天楼」という日本語は、”skyscraper” という英語に対応して作られた造語でしょう。
評価・まとめ
80点
見ていて(良い意味で)疲れる作品でした。
何度も体に力が入ったので、鑑賞後はえらく疲れます。
「中国資本」「メイン主役が活躍するアクション映画」という点では、同時期に公開された「MEG:ザ・モンスター」に少し似ていますね。
でもMEGよりもだいぶ面白かった。
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